熱を感知していたのでは間に合わない!炎の揺らめきを感知する最新の揺らぎ検知器

近年、一般住宅でも設置の義務化の進んでいる火災報知器。

熱を感知したり煙を感知することで火事を見つけ住人に周知する重要な検知器です。しかし、最近ではそうした火事が起こったことを検知するよりも前に、火事の原因を検知して知らせてくれる検知器が次々に開発されています。

製造の現場では当たり前になった「危険予知」を取り入れたこれらの報知器は、事前に火事の基を発見することで、火事そのものを起こさせない手段として大いに期待されています。

今回はそんな新型の火災報知器とも呼べる「揺らぎ検知器」についてご紹介します。

揺らぎ検知器とは?

様々な検知器やセンサーが存在する現在ですが、その多くは特定のガスや元素、周波数など特定の性質をもった物質の検知が主な役割です。

対して今回ご紹介する「揺らぎ検知器」とはどのようなものなのでしょうか?

「揺らぎ」とは非常に抽象的な表現です。炎の揺らめきはもちろん扇風機で送られる風も「揺らぐ」と表現されることもあります。

揺らぎ検知器はその種類によって多少の差はあるものの、基本的には不規則に揺らぐ(揺れる)物体や気体を検知するセンサーの一部です。

ここで一つ区別しておきたいのが、駅や商業施設などのエスカレーターなどで近年省電力化のために導入されている人感センサーとの違いです。

上記のようなセンサーは多くの場合赤外線を一定の方向に張り巡らし、その赤外線を人体などの他の物質が遮ることでスイッチと連動する仕組みです。

これは単純に赤外線の遮断の有無を感知しているだけで、揺らぎや人の動きを感知している訳ではありません。そのため今回ご紹介する「揺らぎ検知器」とは一線を介する存在と言えます。

揺らぎ検知器で検知できる揺らぎとは?

では、揺らぎ検知器ではどのようなものやその動きを検知しているのでしょうか?

先ほどもご紹介した通り揺らぎ検知器が感知しているのは物質の不規則な動きです。例えばメトロノームのように規則的な動きをしているものは、揺らぎ検知器の検知対象とはなりません。

反対に、扇風機の送風によって不規則に揺れる部屋のカーテンなどは揺らぎ検知器の検知対象となりえます。つまり、一定の動きを繰り返すものは対象とせず不特定な動きをする物だけに特化しているのが揺らぎ検知器です。

この点で、先ほど紹介した単純な赤外線センサーとは一線を介すると言えます。

この理屈から言えば、人間がフラダンスでも踊るような緩やかな動きをしていた場合も揺らぎ検知器は反応してしまうように思いますが、その答えは否です。

その理由については揺らぎ検知器の構造の説明で、詳しくご説明します。

揺らぎ検知器設置の目的とは

続いては揺らぎ検知器の目的についてです。

現在、私たちの生活でもっとも身近な揺らぎ検知器の使用方法は防災目的です。じつは揺らぎ検知器の使用先として最も多いのが「火災警報器」「火災検知器」「炎検知器」などの製品です。

揺らぎ検知器でマッチやライター、たばこなどによって発生する空気の揺らぎを検知しそこに炎が存在するの如くは、同等の熱源があることを検知しています。

事後対応ではなく、未然の予防

旧来の火災警報器は煙や熱を感知するものがほとんどでした。

つまり、実際に火災が起こって初めて作動する検知器です。現代の火災においては犠牲者のほとんどが煙や熱によってその命を落としてしまっている現実を考えると、旧来の方式の火災警報器ではその感知のメカニズム上、実際に火事が起こってから検知することとなってしまいます。

実際に火事が大きくなってからでは犠牲者を少なくする本来の目的は半分ほどしか達成できません。

その点、揺らぎ検知器では火事になる前の小さな炎などの揺らぎを検知することができる為、火事が大きくなる前または延焼する前に検知することが可能です。

つまり火事を小さな火種の段階で検知することで、これまでのような事後対応ではなく火事の予防に役立てることができるのです。

揺らぎ検知器の仕組みと構造

それでは揺らぎ感知器はどのようにして空間や物質の揺らぎを検知しているのでしょうか?

揺らぎを検知する基本的な構造は赤外線センサーです。赤外線を空間に照射しその反射を受光・解析することで揺らぎを検知しています。

もう少し詳しく説明すると、先ほども紹介した赤外線を使用した人感センサーが照射された赤外線の遮断の有無を検知しているのに対して、揺らぎ検知器は遮断ではなく不特定な反射つまり赤外線の乱反射を検知することで、揺らぎを検知しています。

例えばある空間でライターの火がつけられたとします。ライターの炎は不規則に揺れながら燃焼するためその揺らめきを揺らぎ検知器が感知します。

また、炎によって空気が熱せられることでその場に上昇気流が生まれます。揺らぎ検知器はその気流の動きも検知するこで、直接的に炎が検知できなくともそこに大きな熱源があり燃焼していると検知します。

様々な場面で活躍する揺らぎ検知器

最後にこうした揺らぎ検知器は実際にはどのようにして使用されているのか、実際の製品をご紹介しながらそこに組み合わされる他のセンサーについてもご紹介します。

炎特有の赤外線を感知する炎検知器

炎が発する特有の赤外線の揺らぎを検知し、そこに熱源があることを検知する製品です。実際に検知した赤外線が炎由来の物であることを確認するために3種類の違った波長の赤外線を同時に検知した場合のみ反応するよう設計されています。

また、屋外など厳しい使用環境にも耐えられるほか可燃物を扱う環境でも使用できるよう「防爆」使用となっています。

感応速度の速い、紫外線式

検知に赤外線ではなく更に感応速度を上げることのできる紫外線を使用したモデルです。屋内のトイレや火気厳禁エリアなどでたばこの炎程度のちいさな揺らぎでも瞬時に検知できるため、警報機として様々な場面で使用されています。

また電池しきで電源供給の必要がない為設置場所を選びません。

まとめ

これまでの事後対応から、事前の予防策へ!センサーの発達によって防災の考え方も大きく変化しています。

使用目的や設置環境にあった製品を選んでしっかりと防災を実践していきましょう。

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ライター紹介
ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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