毎日しとしとと降り続く雨
梅雨時期の憂鬱な天気予報から聞こえてくる「○○㎜の雨」
この○○㎜を測定しているのが雨量計です。
実は非常に身近でありながら意外と知られていない雨量計の仕組みや、雨量についての表現方法など、身近な計測器「雨量計」について今回はご紹介していきます。
雨量計ってどんなもの?
雨量計の最大の役目
それはもちろん、その場所にどれだけの雨が降っているかの観察です。私たちの日常生活だけでなく、災害の予知やその危険性の把握など、普段の生活とも切っても切れない情報の収集が雨量計の役割です。
しかし、実際の雨量計を観たことがある人は少ないのではないでしょうか。
それもそのはず!
雨量計の多くは都心ではビルなどの建物の影響で、雨量に誤差が生じることのできるだけ少ないようにと雨量計の多くは建物の屋上などに設置されています。
また、地上に設置されている雨量計の多くは、機材保護や測定環境の正常化の目的で様々な囲いや保護資材に囲まれており、一見して雨量計と見分けられるものは少ないのです。
では次に、雨量計がどのようにして雨量を計測し数値化しているかについてご紹介していきます。
意外と知らない!?降水量の単位のひみつ
天気予報では降った雨の量を「○○㎜」と表現します
では、この「○○㎜」とは一体何の数値を指しているのかご存知でしょうか?
良く勘違いをされる単位として「㎤」という体積の単位があります。しかし雨量計の示すのはこの体積の単位ではなく、あくまで「mm」という長さの単位です。
実はこの雨量の単位として使われる「mm」は、その時に降った雨が地表から移動しなかったとした場合に、その場所にたまる雨の深さを表しています。
つまり、「降水量1㎜の雨」とはその場所に「1㎜の深さの水たまりを作る雨」と言い換えることができます。
ちなみに1m四方の土地に、降水量1㎜の時に降る雨の総量は1リットルです。天気予報で1㎜の雨と聞くと大した量の雨ではないと考えてしまいがちですが
1時間で500mlのペットボトル2本分の水が1m四方の面積に降る
と、考えると1時間あたり1㎜の雨といっても雨量はそれなりにあると想像できます。
1時間に100㎜の雨とは?
今度は1時間に100㎜の雨を想像してみてください。
先ほどと同じ条件「1m四方の土地」を基準に考えると、1時間に100㎜の雨とは深さにして10センチの水たまりを作るほどの雨となります。
その時の雨の総重量は何と100Kgにもなります。
もちろん、雨はその場所に降るだけではありません。1Km四方・10Km四方の土地にそれだけの雨が降ると考えると、1時間に100㎜の雨が災害級の大惨事と言われることも納得です。
雨量計の仕組み
それではここからは、実際の雨量計の仕組みについてご紹介していきます。
雨量計の基本構造は次の3つです。
1.雨を集める機構
2.雨を量を測る構造
3.排水機構
この3つから構成されています。
雨を集める機構
この部分に降った雨を集めます。
この部分は一定の広さを持っており、その広さ内に降った雨の量を次の「計測する機構」に送る役割を持っています。
この部分の広さと集められた雨の総量を一定面積当たりの降水量に割り算るすことで、正確な降水量を導き出すことができます。
雨を集める部分の広さは狭いと横殴りの雨のような場合に、広すぎるとごく少量の雨量の場合などに正確な計測ができなくなってしまうため、設置場所などによって様々な大きさや形状がされています。
集めた雨の量を計測する機構
先の構造によって集められた雨の総量を計測する機構です。
計測には「重量」を基に総量を計測している機構を持ったものや、一定面積に溜まった水の深さを計測しているものなど様々なタイプがあります。
また、深さを把握する方法としてもレーザーを使用したものや超音波を使用したもの、通電を利用したものなど、計測の方法も様々です。
各計測手法の原理として用いられている技術については、下記の記事をそれぞれ参考にしてください。
最後に、日本各地に設置されている様々な特色を持った雨量計をご紹介します。
様々な雨量計
ソーラー発電の装置を併設したモデルです。
雨量計の設置場所は必ずしも電源供給ができるとも限りません。そのため電気を自ら作り出すことのできるこうしたモデルが数多くラインナップされています。
おそらくもっとも原始的な雨量計です。しかし災害時などその場で雨量を確認する必要のある場合などには大変重宝する雨量計です。
落ち運んでどこへでも設置することが可能なポータブルタイプです。
この他にも国内には10000を超える雨量計が設置されているとも言われています。
あなたの生活のの場にきっとある、雨量計をぜひ探してみてください。