サーモグラフィーで非接触の温度測定

サーモグラフィー

熱は目に見えるものではありません。しかしサーモグラフィーを使えばこれを可視化することができ、様々な検査に応用することができます。どのような仕組みで温度を測定しているのか、そしてサーモグラフィーを使うことでどのようなメリットが得られるのか紹介していきます。

サーモグラフィーの仕組み

サーモグラフィーは物体の温度が測定できる測定器です。ある特定箇所の温度を調べることや、その周辺の熱分布を画像として見ることもできます。

サーモグラフィーは赤外線を利用して温度測定をしています。
温度を持つあらゆる物質は赤外線が出ており、温度の高さに応じてその放射量は増えていきます。そのため赤外線をキャッチし、これを解析すれば温度が分かるのです。

あまり日常で使うことはなく、特殊な装置のようにも思えますが、実はよく一般的に使われているカメラとあまり変わりないと考えることもできます。
なぜなら赤外線も光の一種だからです。私たちが普段使っているカメラは被写体から放射された光、もしくは反射された光をキャッチしこれを画像として表示しています。サーモグラフィーでも、物体から放射された赤外線をキャッチしこれを画像として表示します。人間の持つ目の性質上赤外線が見えないだけで、赤外線が見えればカメラとサーモグラフィーの差はほとんどなくなります。

測定の特徴

サーモグラフィーからは何も照射していません。物質からの放射された赤外線のみが使われているため、測定にあたり対象物に異常をきたす可能性や破壊されるようなことはありません。もちろん接触する必要がなく、このことがサーモグラフィーを使うことの大きなメリットにもなります。

温度の異なる測定器を温度測定のために接触させてしまうと、その温度差のために熱の移動が起こってしまいます。誤差が生じるほか、場合によっては測定対象と測定をする側の双方に危険を伴うかもしれません。
サーモグラフィーなら非接触、そしてリアルタイムで熱分布が見られることも利点と言えます。

しかし測定できるのは基本的に表面に限られます。筐体により内部が隠れている場合には、その内部の温度分布を正確に調べることは難しいでしょう。ただし、内部の影響を受けた結果、表面の温度がどのように変化したのか知りたい場合には有効的です。

主な使用場面

サーモグラフィーは多くの分野で使用されています。

医療分野であれば医療用サーモグラフィーが作られているほど重要な測定器となっています。伝染病疾患の簡易型検査として活用することや、皮膚移植が施された場合の熱伝導率の検知などで使われています。

自動車産業や電子回路を含むような製品に対しても開発・製造段階で非常に有効的です。機械等においては基本的に熱の発生を抑える必要があります。熱が発生しているということはそれだけ効率の低下を意味するからです。ある電子回路から熱が発生していれば、電気エネルギーが熱に変換されていることになり、さらに、温度が上がり続けると素子の破壊などに繋がります。そのため、熱の発生しやすい箇所においては温度測定が必要になることもあります。熱電対が使われることもありますが、接触が望ましくない場面や事後的に設置するのが難しい場面もあります。そこでサーモグラフィーを使って効率的かつ安全に検査が行えるのです。

軍用として用いられることもありますが、この場合には検査などではなく、暗視のための装置として利用されることが多いです。

人気商品で性能を見る

サーモグラフィーを扱うメーカーもいろいろとありますが、代表的なものにCHINO(チノー)とFlir(フリアーシステムズ)があります。それぞれの商品を1つずつ紹介していきます。

CHINO「Easy Thermo TP-S」

CHINOが出している「Easy Thermo TP-S」は5万円クラスのサーモグラフィーです。

片手で簡単に温度測定ができ、ポケットサイズのため持ち運びが容易にできます。工業用以外でも使用可能です。性能は以下の通りです。

  • 温度分解能  :0.5℃
  • 精度定格   :±2%または±3℃
  • フレームタイム:6Hz
  • 使用温度範囲 :0~50℃

この商品は手軽さがウリで、180gと軽量であることも特徴です。仕事として使う場合でもちょっとした温度チェックに向いているでしょう。

Flir「サーマルイメージ放射温度計」

Flirの「サーマルイメージ放射温度計」も5万円クラスです。

手にもって測定できるという意味でも上の商品と似ていますが、こちらは測定スポットの周囲も広く温度分布を確認できるようになります。その分重くなりポケットに入る大きさではなくなりますが、それでも比較的手軽なサーモグラフィーであると言えるでしょう。性能は以下の通りです。

  • 温度分解能  :0.1℃
  • 精度定格   :±1.5%または±1.5℃
  • フレームタイム:約6.7Hz
  • 使用温度範囲 :‐5~45℃

商品の選び方

サーモグラフィーを選ぶときには、何を対象に温度測定するのか、どの程度の誤差が許容できるのか、何度まで測定する必要があるのかといったことを考慮しなければなりません。

ハンディ型であれば使い勝手が良く、ちょっとした温度変化やおおよその温度などを知るには適しています。しかし詳細に調べる必要がある場面や、長時間見続ける場合にはより性能が高く、据え置き型のものなどが適しているかもしれません。

ハンディ型や据え置き型が存在する

サーモグラフィーは赤外線を分析しデジタル変換することで温度を可視化する測定器です。温度分布を画面に表示するだけでなく、温度計のようにある点の温度を数値で表示できるものもあります。ハンディ型や据え置き型など、作業効率や精度などを考慮しながら自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。

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ライター紹介
ライタープロフィール
YuKi

元メーカー勤務の開発員、現フリーランス。Web系エンジニアや気象予報士、ライターなどとして幅広く活動。

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