「測量」という言葉、聞いたことがあるという方も多いかと思います。では実際に測量という作業がどんなことをどのような器具で、どのようにして行われているかをご存知でしょうか?
工事現場や建築の件場でしばしば目にする、測量作業。今回はそんな測量について詳しくご紹介していきます。
このページの目次
そもそも測量って何をしているの
建築の現場や道路の造成現場などで、しばしば見かける測量ですが、いったいどんな目的で行われているのでしょうか?
まずは測量と言われる作業がどのような目的で行われているのかについてご説明いたします。
財産を守る大切な情報
まずは、私たちの生活にもっとも密着した測量の現場をご紹介します。
私たちの生活に最も密着した測量、それは所有する土地の形状とその広さを正確に把握することです。
私たちが土地を購入する場合、その土地の価格は大抵の場合は単位面積当たりの単価から積算されます。ちなみに日本国内ではいまでも、土地の広さを示す単位として「坪」が用いられています。そのため土地の価格は坪単価○○万円と表記されることが多くあります。ちなみに一坪は約3.3㎡です。
測量ではその土地の全貌を正確に把握し、その土地の正確な広さを計測しています。測量によって正確に計測された土地の広さを基に販売価格が決定されるほか、所有権を役所に登録した際に発行される「登記簿」に記載されるその土地の広さの基準となります。
測っているのは地形を含めた土地の様々な情報
続いては、道路などの建設現場で建設開始前にその土地が同様な地形であるかを正確に把握するために行われる測量です。
宅地が基本的に平坦な土地であるのにたいして、道路のなどの建設現場では山野など起伏にとんだ地形の測量も行っています。その場合、土地の広さはもちろんの事その土地の高低差や傾斜の角度についても細かく計測されます。
そうして得られた土地の総合的なデータをもとに、道路の形状や傾斜を設計したり、設計済みの道路計画が本当にその土地に適合するかなどが、総合的に判断される材料となります。
その点においては計測という作業は単に広さを把握するのではなく、地球そのものを計測しているとも表現できます。
ちなみにゼンリンなどの地図の制作の元になっているもこの測量データです。
測量ってどんな仕組みで行っているの?
それでは続いて、実際の測量の仕組みについてご紹介します。測量と呼ばれる作業はいったいどのようにして正確にと土地の広さや形状を把握しているのでしょうか?
測量機の構造は
まずは、測量機の構造についてご説明します。
測量機の構造、その基本は拡大鏡と目盛りを組み合わせた望遠鏡といった感じの物です。
測量は基本的に基準となる位置に設置されたスケール(目盛り)を離れた場所から正確に観察することで、様々な情報を収集します。
その為、測量機は常に目盛りとそれを読み取る望遠鏡とのセットで使用します。
最近では拡大鏡とスケールの代わりに超精密GPSを用いて、2点間の距離を把握できる測量機も発売され、より簡便に正確に測量が行えるようになってきました。
測量の基本は「三角法」
では測量ではどのようにして土地の性格な広さや高低を把握しているのでしょうか?
実は、測量の基礎となっているのは中学校の数学でも勉強する「三角関数」です。まずは様々な土地の形状を三角形に区分けします。そうしてできた三角形の各辺の長さを計測していくことで、その土地の広さを把握していくのです。
ちなみに、測量を開始する際に一番最初に基準とする点を「測量点」と呼び、その場所には基準位置であることを示す、杭や塚などのマーキングが必ず施されます。
測量ができる資格は?
そんな私たちの生活に密着している測量ですが、その計測数値が不確かであっては測量そのものの信憑性が揺らいでしまい、ひいては測量を行う意味さえも見失ってしまう可能性があります。その為、測量を行うには国家資格が必要と定められています。
ここでは、そんな測量の為の国家資格についてご紹介します。
測量士
言わずとしれた測量のエキスパートです。
測量士になるための国家試験の受験資格としては次の3項がきていされています。
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このどれかに該当し、且つ国家試験に合格する必要があります。
測量士補
測量士の受験資格としても上げられえる、測量士補は読んで字の如く測量を行う作業者の補助的な役割を担うための資格です。
測量士補の受験資格は特別な受験資格についての規定はありません。しかし、求められる知識は測量士と大差はなく、測量に関する基礎的な知識をふくめた幅広い知識が要求されます。
ちなみに測量士補の資格を有しているだけでも測量行為そのものは行うことができます。測量士との最大の違いは測量に関する測量方法の立案や指示が行えるかと言った点に限定されます。
実際の測量機を
それでは最後に、実際に販売されている測量機器についてご紹介します。
測量機器メーカーとしては国内でも大手の「TAJIMA」のTT-027です。
コンパクトなボディに最新の機能をつめこんだ、現場を選ばないオールマイティな一台です。内臓されているオフセットプログラムも豊富で、従来のような煩雑な計測準備作業を軽減してくれます。
まちで、測量の現場を見かけることがあればぜひ一度立ち止まって観察してみてください。測量がもっと身近に感じられるはずです。