臭いの強さを数値化。臭気測定器の仕組みや用途は

「雨上がりのにおい」「バラのいい香り」「カレー屋さんのスパイスの香り」

私たちの生活には様々なにおいが存在しています。毎日無限のににおいに囲まれて生活しているといっても過言では無いかもしれません。

しかし、においについての感じ方はにおいを感じる人によって印象は大きく異なります。バラの香りが好きな人もいれば嫌いな人もいます。また、同じにおいを嗅いでもそのにおいを表現する言葉も様々です。

同じように、においの強さも人によって感じ方は様々です。公共の場などで、多くの人が感じるにおいの強さを数値化できる計器、それが今回ご紹介する「臭気測定器」です。

「におい」「香り」とは

 

ではまず、においの正体についてからご説明します。

においの正体、それは一つの成分によるものではなく様々な成分が寄り集まって、一つのにおいを形成しています。

例えば良い香りとして人気の高いバラでの場合、そのにおいの主成分は「ゲラニオール」と呼ばれる成分が主となっています。それに加え「リナロール」や「シトロネロール」といった成分が混ざり合って「バラの香り」が作り出されています。

こうした香りの基となる成分は自然界に存在する物だけでも一万種類を超えると言え割れており、これだけ科学の進歩した現代でも、日々新しい成分が発見されています。

人間はどのようにしてにおいを感じるのか?

では、それらの成分を人間はどのようにして感じ取り、においとして認識しているのでしょうか?

人間は生まれながらにして約400種類のにおいの成分を嗅ぎ分ける「受容体」と呼ばれる組織を持っています。

人間がにおいを嗅ぐと、特定の受容体がその成分を感知します。臭いは様々な成分の集合体ですので人間も複数の受容体で感知した成分の組み合わせによって、そのにおいが何であるかを認識しています。

臭気測定器の仕組みは?

それでは、臭気測定器とどのようにしてにおいを検知しているのでしょうか?

また、臭気測定器は人間と同じようにカレーライスやバラの香りといた特定のにおいを瞬時に嗅ぎ分けることができるのでしょうか?

臭気測定 その1「においの強さを測定する」

実は臭気測定器の最も一般的な使用目的は、このにおいの強弱を測定し数値化するためです。

その方法はに特定の処理を施したコイル状の金属に電気を流します。臭いの成分物質の無い状況ではコイルには電気が流れません。

しかし、臭気物質がコイルに触れることで電気が流れるようになります。この時、臭気物質の量と流れる電流には相対関係があり、その電流を計測し数値化することで臭いの強さとして数値を導き出しています。

しかし、この方法はあくまでもにおいの強さを計測しているだけであるため、そのにおいがいったい何の臭いであるのかまでは、把握することはできません。

 

臭気測定 その2「においを特定する」

においを特定するためには、においの中の成分が何であるかを把握する必要があります。

その場合に用いられるののが「成分濃度表示法」と呼ばれる手法の臭気解析です。採取したにおいの成分をガスクロマトグラフィ分光光度計と呼ばれる計器によって分析し、含まれる成分を抽出します。

その後、各成分の含有濃度をサンプルと比較しそのにおいが何のにおいであるのかを、特定していく手法です。

この方法は臭気測定というよりも、臭気解析の側面が強いと言えます。

臭気の解析を行う「ガスクロマトグラフィ分光光度計」については、別の機会に改めてご紹介します。

臭気測定器の必要性とは?

では、なぜにおいの強さを計測する必要があるのでしょうか?

例えば、最近では肩身の狭い思いをすることの多くなった喫煙を例に挙げてみます。

喫煙室は外気との交流を遮断することで、喫煙をしない人にも不快な思いをさせないための対策の一つです。最近の喫煙室は内部の気圧を外部の気圧と比べ、低く保つことで開閉の際にも外部に煙などが漏れないように設計されています。

また、最新の喫煙ブースの出入り口には臭気測定器が備え付けされており、常に外部に漏れるにおいの強さを測定しています。測定の結果、においの漏れだすにおいの強さが一定以上となった場合には、内部の気圧をより下げたり、消臭成分を噴霧して外部へのにおいの流出を抑制するといった仕組みが組み込まれています。

喫煙者には気にならないレベルのにおいでも、非喫煙者には不快に感じる可能性もあります。そのためにおいの強さを客観的に判断する手段として、臭気測定器が活躍しています。

様々な場面で活躍する臭気測定器

それでは、実際に様々な場面で活躍する臭気測定器を例に挙げながらご紹介していきます。

まずは環境の変化を臭気によって判断する目的で使用される臭気測定器です。

環境を管理する、臭気測定器

工場などの排気ガスなどを常時モニタリングして、異常がないかをにおいの観点から計測する臭気測定器です。複数の臭気測定器を組み合わせて工場やプラント全体を管理するシステムとしても販売されています。

清掃後のにおい残りをチェックする

ハンディタイプの臭気測定器です。感受部分を実際に測定したい箇所に近づけるだけの簡単な操作で、においの強さを測定できます。持ち運び式の為、清掃業者による清掃後の臭気の確認やホテルの喫煙室のにおい残りの確認など幅広い用途で使用されています。

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ライター紹介
ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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