冬になると毎日のように天気予報から聞こえてくる
「○○の積雪は・・・cm」の声
この積雪量つまり、雪の深さを観察しているのが積雪計です。
以前は気象庁の設置したものがほとんどでしたが、現在では各気象予報会社が独自に設置したものや自治体が設置しているものなど、日本中に数多くの積雪計が設置されています。
今回はそんな積雪計についてご紹介していきます。
積雪計とは?
積雪計とはその名の如く積もった雪の量を観察・計測する計器の総称です。
積雪量の正確な把握は現代社会においては非常に重要な要件です。積雪量を把握することで事故や天災に巻き込まれることを抑制したり、物流のスピードや頻度を割り出すこともできます。
以前は積雪量の観測と言えば、検査官が現地へと赴き実際にものさしなどで雪の深さを計測していました。
しかし、それでは本当に積雪量が多く雪崩の恐れなどがある山中などで正確な積雪量を把握することは困難でした。
そうした僻地での積雪量を簡易的に且つ正確に観察できるように開発されたのが、今回ご紹介する積雪計です。
国内に設置されている積雪計の数は?
それでは実際に日本国内に設置されている積雪計はいったいどの程度あるのでしょうか?
まず、気象庁の設置している気象観測を目的としたアメダスに付属している積雪計が全国に約1300箇所あります。
これは日本中を網の目状に区切って約17Km間隔に隙間なく設置されているもので、積雪計だけでなく雨量計や温度計・湿度計・PM2.5や花粉の飛散量を計測できる機器も搭載されています。
この他に、各気象予報会社や自治体が独自に設置している積雪計が約800台ほどあると言われています。
つまり日本国内だけでも約2000台以上の積雪計が設置されていることになります。
積雪計の仕組み
続いて主な積雪計の仕組みについてご紹介します。
現在、主流となっている積雪計の方式は大きく分けて二つあります。
1つはレーザー光線を用いた積雪計、もい一つは超音波を用いた積雪計です。
それぞれに特徴があり、設置場所や使用条件などによって使い分けが行われています。
但し、基本的な構造はレーザー式も超音波式も同じで、地面に設置したポールの先端部分から地面までの距離の変化をそれぞれの手法によって、観察しています。
レーザー式
レーザー式はその名の通り、距離の把握にレーザー光線を用いたタイプの積雪計です。
レーザー方式の場合は晴天など周囲の環境によっては計測ができない場合もあるほか、計測に用いる赤色のレーザー光に鳥がおびき寄せられるなどの問題点もある。
しかし、精度としては超音波方式よりも優れてるとされるため、現在ではこの方式が主流となりつつあります。
超音波式
同じく地上までの距離を超音波の反射によって計測するタイプです。
正確性ではレーザーに劣るものの、設置環境の影響を受けにくいことから場所によってはこちらのほうしきが優先的に選択される場合もあります。
超音波と距離の計測の関係性は、こちらのまとめ記事を参考にしてください。
参考:https://ekuippmagazine.com/business/chouonpa/
積雪計の盲点
レーザーや超音波をもちいて計測することで、無人で積雪量を無人で計測できるようになった積雪計ですが、自然相手であるが故の問題点も抱えています。
例えば、積雪量を把握しようとする箇所に大量の落ち葉が蓄積している場合などは、実際にはそこに雪がなくとも積雪があると誤った判断をしてしまう事があります。
これは積雪計の原理が、あくまでも計器のある点から地表までの距離の変化を基にしているためで、彼はなどによって地表までの距離が変化してしまった場合には、枯れ葉の高さを積雪量と判断してしまうためです。
こうした誤作動や個計測を抑制するために様々な対策も講じられていますが完ぺきではありません。
その為、あまりに現実的でない数値が計測された場合などにはどうしても人間の目で確かめる必要があります。
様々な積雪計
最後に現在も日本各地で設置され観測を続けている積雪計をいくつかご紹介します。
積雪計単独の物から、様々な環境計測機器と組み合わされているものまでいろいろな物があります。
国土交通省設置の積雪計
国土交通省が設置している積雪計です。写真はレーザー方式の積雪計ですが、超音波式のものも設置されています。
おもに幹線道路などの積雪状況を把握する目的で設置されています。
気象庁設置のアメダス
気象庁の設置している「アメダス」です。積雪計だけでなく風速計や温度計など様々な計器を組み合わせて設置し、様々な気象情報を一括で計測・観察しています。
いかがでしたか?冬場には毎日耳にする積雪量ですが、実際に計測している姿はあまり目にはしません。
しかし、日本国内のいたるところで今日もひっそりと観察を続けてくれています。