測定器・計測器の基本となる原理を紹介 第一回「赤外線とは?」

現代の計測器において利用されている様々な記述を、一つ一つ詳しくご紹介していくシリーズ記事。

現代の計測機器の多くは旧来のアナログ式の計測機器に比べデジタル方式を採用したことで飛躍的にその精度が高くなっています。

しかし実はそこに応用されている技術は計測機器の種類や用途が変わっても、同じ技術が応用されていることもしばしばです。

このシリーズではそうした様々な計測機器に応用される、基本的な技術や仕組みについてできるだけ分かり易く、できるだけ詳しくご紹介していきます。

第一回目は計測器だけはなく、日常生活の様々な場面で活躍する「赤外線」について詳しくご紹介していきます。

赤外線とは?

 

赤外線とは、太陽の光に含まれる光線の一種です。人間の目には見えないため「不可視光線」と呼ばれる光線に分類されます。

赤外線はその名の通り分類的には赤い光線です。通常私たちの目に見える赤い可視光線と比較して長い波長をもっている特徴があります。

赤外線に分類される波長は概ね0.7ナノマイクロメートルから1000ナノマイクロメートルとされています。

波長が長いことで、空気中を突き進む力(透過効率)が高い為、テレビのリモコンや車のキーレスエントリーなど、離れた場所へと情報を伝達することを目的とした機器に多く採用されています。

赤外線は西暦1800年ハーシェルによってその存在が発見されました。ハーシェルは寒暖計を用いて太陽の光を観察したところ、もっとも熱量を持った光は赤色の更に外側にあることを発見しました。

その赤色よりも外側のスペクトルを持った光線が赤外線です。

ちなみに赤外線は科学的な見解では「電磁波」の一種です。

赤外線の特徴は?

赤外線には様々な特徴があり、その特徴を利用した様々な計測機器などが開発されています。

ここでは赤外線の持つ特徴についてご紹介していきます。

透過効率が良い

赤外線の持つ波長は他の波長をもつ電磁波と比較して、空気中での透過効率が良いいう特徴があります。

空気中の透過効率が良いとは、空気の中での推進性はもちろん妨害となる物質にあたった場合でも、その対象を通り抜ける力に優れていると言い換えることができます。

たとえは真っ黒な厚紙に裏側から懐中電灯を照らします。通常の光であれば厚紙を通り抜けることができず表側から懐中電灯の光を確認することはできません。

同じ条件で赤外線を照射した場合はどうでしょうか?

もちろん赤外線は目には見えない不可視光線ですので、通り抜けたかどうかを目で確かめることはできません。しかし、リモコンなどの器機であれば厚紙の向こうでもしっかりと、そのスイッチが入ることが確認できるかと思います。

熱効率がよい

全ての物質は電磁波によって熱を伝えています。太陽の光を浴びると暖かいと感じるのはこのせいです。

そんな電磁波のなかでも赤外線は熱を伝える効率に優れているという特徴を持っています。

電磁波と熱の伝導にはその周波数が大きく関係していますが、赤外線の持つ周波数が熱を伝えるのにすぐれた周波数であるため、熱効率の良い電磁波と言われています。

その反対に冬の良く晴れた朝に起こる放射冷却は、地球の表面から赤外線が宇宙に向かって放射されるとき、その妨げとなる雲(水分)がない為に起こる現象です。

目に見えない

不可視光線ですので当たり前と言えば当たり前ですが、赤外線は人間の目で確認することができません。

この特徴を利用した機器も多く開発されていますが、不可視であることをもっとも有益に利用したのは軍事目的での使用でした。

情報伝達能力にすぐれている

周波数のコントロールが比較的容易であることと、日中などの明るい環境下でも他の可視光線に邪魔をされないために、周波数の変化を用いた情報伝達能力に優れていると言えます。

近年はBluetoothなどにその座を譲ってしまいましたが、携帯電話などの電子機器どおしで情報を伝達する手段として広く活用されてきました。

赤外線にも種類がある?

赤外線と聞くとストーブなどの電熱器を思い浮かべる方も多いと思います。

いわゆる「線赤外線効果」を利用した製品です。

赤外線はその周波数によって「近赤外線」と「遠赤外線」に分けて考えられることがあります。その二つの違いは周波数なのですが、周波数が違うことで違った特徴をもっています。

暖房などに利用される「遠赤外線」は熱を遠くまで伝える能力に優れています。そのため暖房などではこの遠赤外線を意図的に照射し、離れた場所にいても暖房の温かさを感じられるようにしたものです。

しかし実は近赤外線も暖房に使用されているのです。ハロゲンヒーターなどが主な使用先です。

遠赤外線は可視光線をほとんど含まず熱を伝えるのに対して、近赤外線はハロゲンなどの可視光線を発する機器と共に使用されることの多い光線です。

いずれの場合も人体にあたったのちに、人体の内部にまで熱を伝えることに優れているため、体が芯から温まるなどといった特徴があります。

赤外線の特徴を活かした様々な機器たち

最後にここまでご紹介してきた赤外線の特徴を利用した様々な機器をご紹介します。

身近なものから宇宙の観測までその用途は多岐に渡っています。

暗視カメラ

実は光を遮断した真っ暗な部屋や夜間でも赤外線は空間にあふれています。

その赤外線を感知できる特殊なカメラを使用することで、夜間でも画像を撮影することが可能になります。

人感センサー

赤外線は人には見ることができません。

しかし、人にあたって反射する性質を利用して様々な場面で人感センサーとしても活躍しています。真っ暗な空間でも感知することができるので、夜間の防犯対策灯などにも使用されています。

赤外線放射計

赤外線は暗闇の中にも存在しますので、夜間に宇宙から地球上の雲の様子を観察する放射計にも採用され提案す。

人工衛星から昼夜を問わず雲を観察することで、質の高い天気予報を実現しています。

赤外線のまとめ

このように、様々な性質をもった赤外線は私たちの身近なところでも非常に多く使用されています。

計測機器だけでなく、現代の電子機器デバイスにも欠かすことのできない存在として多くの場面で活躍しています。

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ライター紹介
ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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