縦・横・斜めの構成を測定 品物を立体的に計測できる三次元計測器

sanzigen

現在、もの作りの現場では、3次元CADを代表とする製品を立体的に捉えた図面が主流となっており、それに伴い出来上がった製品の検査の際も平面(2次元)方向の検査だけでなく3次元方向を意識した検査の体制が求められています。そうした要望に応えるべく開発されたのが三次元測定機です。今回はそんな三次元測定機についてご紹介します。

三次元測定機とは

三次元測定機

ではそもそも三次元測定機と普通の測定器具では何がちがうのでしょうか?まずは通常の計測器具と三次元計測器の違いについてご紹介します。

一般的な製造の現場でいまでも頻繁に使用される計測器といえばノギスやアウトマイクロに代表される製品の長さを計測する計測器でまないでしょうか。これらは製品を直接的に計測することでその製品のある一定箇所の寸法を正確に把握することができます。

しかし、計測で求められるのはあくまでも独立した箇所の寸法のみで、ここに計測された寸法と他の箇所の寸法との比較は人間が計算で求めたり。数値と数値を比較することで相対的関係性を導き出す必要があります。たとえは、工業製品としてのさいころ(正六面体)を例に見てみましょう。

さいころ状の製品の計測を行う場合、ノギスやマイクロメーターを用いて向かい合う面と面の距離を計測します。①の裏は⑥、②と⑤の面といった具合に3回の計測を行い、すべての数値が等しければその製品は正六面体であるとの判断を下します。

では三次元測定機の場合はどのようにして正六面体であると判断をするのでしょうか?

三次元測定機は通常水平な測定用定盤の上に製品を固定し測定を行います。今回のような正六面体の場合は基準とする面を定盤に固定し計測を行います。その際相対する面と面の幅を3組当時に計測を行いその数値の比較を自動で行うことで製品が正六面体であるとの判断をします。

内部で行われている計算や比較は通常の計測器での計測とさほど変わりの無い内容なのですが、手動の計測器が計測の度に製品を回転させるなどして3対の寸法を求めるのに対して、三次元測定機は基準となる面にたいして他の面がどのように構成されているのかを同時に計測することができることから、より正確な計測が可能であるといえます。

また、三次元測定機は寸法の基準となる計測点を増やしたり、計測方向を変化されることで手動計測では計測結果からの推測でしかなかった、面と面の直角度や垂直度を正確に求めることもできます。

では三次元測定機はどのような原理に基づいて数値を導きだしているのでしょうか?次項では三次元測定機の原理についてご説明します。

三次元測定の原理

三次元測定機の原理は、実は通常の寸法計測からその製品形状を読み取る旧来の方式と大きくは変わりません。点と点・面と面の数値を求めて、その数値をもとに形状を把握しています。しかし大きく違う点が一点!それは手動計測では不可能であった、各測定箇所の同時計測とその数値の比較による形状把握が可能である点です。

前述の例に挙げたさいころを再度、例に挙げご説明します。

測定結果の比較こそが三次元測定機の強み

三次元測定機による計測でもっとも重要なのが基準となる面や点をどこにとるのか?といった点になります。

前述のとおり三次元測定機は基準となる面を基に他の面や辺などの構成を把握します。例えばさいころの①の面を基準として測定定盤に固定し計測を行う場合は①の反対側⑥の面までの高さを数点計測します。この時の数値にばらつきがなければ①の面と⑥の面は平行であると判断されます。(ここまではアナログ計測器でも同じです)

①と⑥が平行であると判断されれば今度は側面に配置されている②と⑤・③と④の面を同様に計測します。この時、個々の面どおしの複数の計測点の数値が①と⑥と同様にばらつきなく加工されていいれば、この製品は6面共に対面は平行であると判断できます。

続いて各対面間の寸法の比較を行います。仮に①と⑥が10㎜であったとすると、正六面体としての要素をなすためには②と⑤・③と④の面も同様に10㎜である必要があります。すべての面と面が正確に10㎜の幅で構成されていればその製品は正六面体であると判断できるのです。

この時、面と面の寸法の比較だけれあれば手動の計測器からの情報だけでも正六面体であるか否かの判断は可能です。しかしその事を正確に証明するために必要な、各計測の互換性や再現性を担保することはできません。

その点三次元測定機はあくまでも基準面をもとにすべての面を同時に計測していることから、計測結果としてえたれた数値の一致のみをもってその製品が正六面体であると正確に証明することが可能です。

単一面の測定の基準面は測定用定盤

三次元測定機では、計測結果の比較対象として製品から得られた計測数値の他に、定盤を基準とした計測も可能です。これは主に製品の曲がりや歪といった要素の検出に用いられます。

定盤の面を三次元方向(縦・横・奥行)の基準ととらえ、整品の各面などを複数個所けいそくすることでその計測面が基準となる定盤に対してどのような位置関係にあるのかを把握する機能です。

手動の計測では、整品はきほんてきにフリーな状態であるためこのような計測は正確性を担保することができません。しかし三次元計測器であればこれらの位置関係を「垂直である」「斜め45度」などといった具合に正確に示すことが可能です。また、方向性は複合的に比較することも可能なため各面と面・辺と辺を総合的に把握し、数値化することが可能です。

一般的な三次元測定機

では、市販されている三次元測定機にはどのようなものがあるのでしょうか?実際の製品を2点ほどご紹介します。

固定式三次元測定機

三次元測定機としてはポピュラーな構成のタイプです。定盤・計測装置・操作用PCがパッケージングされており、これだけで簡単に三次元計測が可能です。
寸法・輪郭・形状・各種幾何公差にも対応しており生産現場ではもっとも導入実績のあるモデルです。

ポータブル三次元測定機

近年、注目を集めているポータブルタイプの三次元測定機です。最大の特徴は計測用の定盤の無いところでも計測が可能な点です。加工中の製品を加工機の中で検査を行うなど計測環境を選ばず使用することができます。
もちろん計測の精度についてはちゃんと保障されているため安心して使用する事が可能です。

三次元計測器は現場のスタンダードへ

一昔前までは、整品の精度=計測できる範疇といった認識が当たりまえでした。しかし昨今の製造現場では図面に記載される幾何公差も多様化し、これまでの計測方法では対応できない箇所も多くなっています。また、整品に求められる健全性の証明についても、その要求は高度化しており旧来の測定方法ではその健全性を確保する事が難しくなっています。

とある計測機器のメーカーは「作れること=測れること」といったキャッチフレーズを発表していますが、現在の製造の現場において、「計測できる」「その結果を保証できる」といったことは必要不可欠な要素となっています。

こういった事情を背景に、三次元測定機の現場導入はこれからも加速していく事は間違いありません。

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ライター紹介
ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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