私たちの生活に不可欠な酸素を検出!酸素濃度計の用途と仕組みは?

人間にとってなくてはならない存在と言えば、水と空気と答える人も多いかと思います。水は、見た目でその存在や清廉性をある程度把握することが可能です。しかし、気体である酸素は見た目ではその存在の有無さえも確認することはできません。

今回は私たちの生命にとって必要不可欠な酸素にまつわる測定器機をご紹介します。

酸素の見張り役、酸素濃度計

生命の維持に必要不可欠な酸素。そんな酸素の濃度や有無を確認・計測できる機器が酸素濃度計です。

酸素濃度計は実は私たちの暮らしの中の様々な場所で活躍しており、現在の文化や文明を維持していく上ではなくてはならない、欠かせない計測機器です。その役割は名前の通り気体や液体中の酸素濃度を観察することが目的です。

でわ、実際私たちの暮らしのどんな場面で役立てられているのでしょうか。酸素濃度計の活躍の場として、主なものとその現場での役割についていくつかご紹介します。

坑道や洞窟などの密閉空間

坑道などの密閉空間では予期せぬ酸素欠乏によって人身事故などが起こらぬよう、常に酸素濃度を監視してる必要があります。酸素濃度計のなかった時代には、ろうそくの炎やネズミなどの小動物の異変を頼りに酸素の濃度を把握していましたが、酸素濃度計の普及に伴い密閉空間での作業は飛躍的に安全なものとなりました。

錆を嫌う場所や製品の梱包

続いては、ものつくりの現場などで製品と酸素が結びつき錆びてしまうのを防ぎたい場合などです。いわゆる金属が錆びるという現象は金属と空気中の酸素が結びついて起こります。そのため錆を抑制する手段として製品を脱気梱包し、酸素との接触を防ぎます。

その際、梱包された製品の内部に酸素が残留していないかの確認のため酸素濃度計が用いられています。

食品製造の現場

食品製造の現場では、大きく2つの目的で酸素濃度計が使用されています。1つ目の使用目的は食品を梱包する際に過剰な酸化を防ぐため、脱気もしくは別のガスと置換することで食品の参加を防ぐ目的です。

2つ目は製造段階の食品の発行を調整する目的です。醤油やみそなどの発酵食品は酵母と酸素の働きにより食品が発酵し食品としての完成をむかえます。その際に適度な発行を促すために温度の管理と共に酸素濃度の管理も行われるため、酸素濃度計が使用されています。

活躍の場は他にも

上記だけでなく、酸素濃度計の活躍の場は多岐に及びます。病院などの医療施設やガスの製造現場・車の排気ガスの配管や発電所など、活躍の場を上げればきりがありません。

次項では、そんな私たちの生活になくてはならない酸素濃度計の仕組みについてご説明していきます。

 

酸素濃度計のしくみ

様々な場所で活躍する酸素濃度計ですが、その仕組みはいったいどうなっているのでしょう。ここでは酸素濃度計のしくみについて詳しくご紹介します。

種類は大きく分けて2種類「ジルコニア式」と「ガルバニ電池式」があります。それぞれの方式の特徴や仕組み、メリット・デメリットは以下の通りです。

ジルコニア式

濃淡電池の原理を応用した方式の酸素濃度計です。濃淡電池の詳しい説明は省略しますが、気中のイオン濃度の変化による電圧の変化を利用し酸素の濃度を測定しています。

このタイプのメリットは計測に要する時間が短いことや作りそのものが単純でほとんど消耗しないことからメンテナンスも容易な点です。経年劣化をほとんどしない構造の為、連続的な観察に向いているとも言えます。

逆にデメリットは可燃性ガスの影響を大きく受けることなどがあげられます。

ガルバニ電池式

ジルコニア式が濃淡電池の応用であったのと対照的に、こちらは燃料電池の構造と似た構造を有し、検体の中の酸素濃度によって燃料電池の発する電圧の違いを読み取ることで、酸素濃度を把握しています。

先のジルコニア式が可燃性ガスの影響を大きく受けることがデメリットであったのと反対に、この方式では可燃性ガスの影響をほとんど受けません。

デメリットとしては消耗部品が多く連続して計測を行うことが難しい点や、高温環境下では正確に作動しないなどもデメリットと言えます。

様々な酸素濃度計

現在ではその用途や目的によって数多くの酸素濃度計が販売されています。その中の数点をご紹介します。

新コスモ電気 ハンディタイプ酸素濃度計

持ち運びに便利なポータブル方式の酸素濃度計です。検知方式はガルバニ電池式のタイプとなります。小型でコンパクトながら広い範囲の観測にも対応しており、もちろんトレーサビリティにのっとた校正も可能です。

横川電機社製 据え置き型酸素濃度計

出典元:https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/process-analyzers/gas-analyzers/oxygen-analyzers/limiting-current-type-oxygen-analyzer-ox102/

ジルコニア式を採用した据え置き型の酸素濃度計です。酸素濃度の極端に低い環境でも正確にその濃度を検知することが可能なモデルです。また、現場で簡易的に校正を行うことも可能です。

最後に・・・

ここまで工業用の酸素濃度計についてご紹介してきましたが、実はもっと身近に酸素の濃度を計測している場所があります。

それは病院。病院では患者の状態や様態を把握すために血液中の酸素の濃度を頻繁に確認しています。いわゆる血中酸素濃度と言われる数値です。同じ酸素濃度計ではあるのですが、こちらは全くの別物です。

機会がありましたら血液中の酸素濃度を計測する「パルスオキシメーター」についても改めてご紹介いたします。

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ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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