家の水道を全開にあけると、一分間にいったいどのくらいの量の水が吐出しているか考えたことがありますか?また、一カ月にいったい何リットルの水を使っているかと気にしたことはありますか?
普段の生活では殆ど気にすることの無い水道水の量ですが、実際には常にどの程度の水を使用しているのかを監視している装置かあります。
それがこの度ご紹介する流量計です。
毎月の水道料金を決めるのに必要な実際の水道水の使用量を、24時間監視して使った量を数字として合わしています。
今回は私たちの身近で、実はたくさん使われている流量計についてご紹介します。
流量計とは?
まずは、流量計とはどのような計測機器なのかについてご説明します。とは言っても、流量計とは読んで字の如く流れている物質の量を把握するための計測器機です。
最近では流体の量だけでなく、その速度や温度なども同時に計測できるものも多く発売されていますが、それらを総称して「流量計」と呼ばれています。
流量計には大きく分けて次の4つの方式による違いがあり、それぞれ流体を感知する方法も違っており用途や使用環境によって使い分けされています。次項では流量計の仕組みをタイプごとに詳しくご説明します。
様々な流量計の構造と仕組み
さて、一言に流量計といっても対象となる流体によってや仕様環境によって様々な種類の流量計が開発されいます。流体そのものが液体の場合と気体の場合・粉体の場合など流量計は多種多様な用途に対応しています。
そんな色々な種類の流量計の構造を仕組みをご紹介します。
もっとも原始的な流量計!?
まずは最も単純で原始的な流量計である「フロート」についてご説明します。
このタイプの流量計は基本的に配管の一部を枝分かれさせて取り付けるタイプの流量計です。構造はいたってシンプルで、ガラスなどの管の中に丸や四角のフロートと呼ばれる駒のようなものが封入されています。
実際に配管のなかに流体がながれ、圧力をうけると管の中のフロートが圧力によって浮き上がり、管に記されたメモリを読み取ることで、その流体の流量を簡易的に読み取ることができます。
但し、流体の圧力がなくなった瞬間にフロートは元の位置に戻ってしまうため、積算でどの程度の流体が流れていったのかなどは、計測することができません。
使われているのは多くの場合、気体に対して使用されることが多くフロートと一緒に流量の調節用のバルブが付属しているのが一般的です。身近なところでは病院の酸素吸入器などにも使用されています。
また、負圧に対応したフロートも存在し吸引力の強さを確認することに用いられることもあります。
流れを直接検知するタイプ
次にご紹介するのは、流体の流れを直接的に感知し流量を検知するタイプです。
一番最初に引き合いに挙げた、水道水の流量計はこのタイプになります。ちなみに余談ですが、水道代の請求と一緒に請求となる下水道の料金は、実際の下水配管に流量計を取り付けて流量を把握しているのではなく、水道水の使用量をもとに請求されています。
話を構造に戻します。この種の流量計は必ず流体の流れる配管に直接取り付けて使用します。配管の中を流体が流れる際に、流量計に取り付けられている羽車が回転しその回転数を基に流量を把握します。また、取り付けられている羽車は対象となる流体やその流体の流速(流れる速さ)によって、材質や大きさ・羽の数などを変える必要があります。欠点として一定の流量が確保できない場合に羽車が回転しない可能性もあり、流量をあらかじめ予測し、機種を選ぶことが重要になります。
原理は電磁石?
つづいては、こちらの磁界を利用したモデルです。
こちらは電磁石によって強制的に磁界を発生させ、磁界の中を流体が通過する際に発生する起電力(電圧)を感知することで、流体の流量を計測しているタイプです。磁界と流体・電圧の関係性については「ファラデーの電磁誘導」と呼ばれ、磁界の強さが一定である場合に流体の流量の変化は電圧の変化に比例する原理を応用しています。
このタイプの特徴は配管の内部の流体に直接アプローチする必要がない為、危険物に分類されるような流体であっても比較的安全に流量を計測することができます。だたし、この方式で感知できるのは「導電性液体」のみとなっており、気体や導電性のない液体では使用することができません。
非接触+後付け可能なタイプ
続いても非接触タイプの流量計で流量の検知に超音波を使用するタイプです。
2種類の超音波方式がありますが、基本的な原理は同じです。計測できる流量の範囲も広いことから、羽車を使用した流量計などのように配管の中の流量をあらかじめ予測する必要がありません。
また、流量を正確に把握することが可能で微量な流体の検知にも最適です。
流量計はますます進化する
ご紹介してきたように現在までに様々な流量計が開発され、様々な場所で使用されいます。しかしながら流量や流速の把握を求められる機会は確実に増加傾向にあり、今後も更に進化した流量計が数多く開発されると予測されます。
ご自身が流量計の必要性を感じたとき、様々なタイプの流量計の中から最適な1台を選ぶお手伝いのできる記事になれば幸いです。