フルマラソンの走破距離は42.195Km。これは普段スポーツをしない人でも一度は聞いたことのある有名な数値です。
ではこの距離を正確に設定するために使われている計測機器はどのような物でしょうか?
巻き尺?測量機器のような大掛かりな装置?それとも地図上での確認?
今回は、距離や長さを簡単に測定できるそんな計器をご紹介します。
このページの目次
ロードメジャーの仕組みは
ではまず初めにロードメジャーの仕組みからご説明していきます。とはいってもその仕組みは誰もが小学生の時に勉強した、あの数式を応用しただけの単純なものです。
円の外径の長さは円の直径に円周率を掛けたもの!
そうです!ロードメジャーの基本原理となっているのは小学生の算数の時間に誰もが習ったこの公式です。
「円の直径 × 円周率(3.14) = 円の外径の長さ」
これです。ロードメジャーの基本原理を支えているのは、この円周率の法則です。
ロードメジャーを転がすと、内部では基準となる円盤がくるくると回っています。そうして目的地までたどり着いた際に、その基準の円盤が何回転と何度回ったのかを確認しその距離を計測しています。
例えば、車輪の直径が100㎜のロードメジャーの場合で考えてみます。
測定開始地点からスタートし、目的地に到達したときに基準の円盤は100回転と180°回っていたとします。その場合は下のような数式が成り立ちます。
直径100㎜=0.1mなので
0.1 × 回転数(100回) + 0.1 × 180度分として0.5 =10.05m
となります。
より正確な数値が求められる場合とは?
ここで一つの疑問が生じます。
円周率とは割り切れない数で、普段ば便宜上3.14で計算をしています。しかし、計測距離が長くなれば円周率の不確かさとも呼べる部分がその距離に影響するのでは?
まさにその通りです。ロードメジャー(特にデジタル式)の場合は、円周率の計算を小数点以下何桁で行うかによって、長い距離を測定した場合にでる誤差は大きくなってしまう欠点があります。
その為、ロードメジャーは測定器のなかでも比較的アバウトな距離を求めるものとして認識されることの多い計測器と言えます
ロードメジャーの活躍する場面とは?
次は実際にロードメジャーの活躍する場面についてご紹介していきます。
とはいっても皆さん一度は目にしたことのあるが場面がほとんどですので、その活躍の場でなぜ距離の測定が必要なのかも合わせてご紹介していきます。
事故現場の実況見分
おそらく、最も身近な使用さきではないでしょうか?
自動車やバイクの事故現場で警察官がロードメジャーをころころと転がして距離を測ている場面は、テレビの特集などでもよく見かける場面です。
事故現場で警察が各所の距離を把握するためにロードメジャーを用いて測定をしているのは、後に起票される事故現場の実況見分調書への、正確な道路幅や事故車両の位置などを把握するためです。
警察は各道路の幅などの事前データを持ってはいますが、実際に事故の起こった場所を正確に計測することは、なぜその場所で事故が起こったのかなどを調べるための、大切なデータとなります。
その為、事故現場でのロードメジャーでの測定は欠かせないものとなっているのです。
建築現場や危険物貯蔵庫の周辺環境への影響調査
こちらもたまに見かける場面です。
建築現場では、様々な理由でその周辺の道路や建物との距離をロードメジャーによって計測しています。
主な理由は建物に接している道路が法律で定められた幅を満足しているかや、危険物の貯蔵庫から居住スペースまでに安全な距離が確保されているかなどを確かめるためです。
これらは通称「建築確認」とよばれ、戸建て住宅やマンションなどの集合住宅、公共施設など様々な建築の現場で日々行われています。
どの程度正確?
では、先ほども話題にしましたがロードメジャーとはどの程度正確に長さを計測できるのでしょうか?
その答えは「短い距離はそこそこ正確!でも長い距離は苦手」です。
その理由は先ほどの円周率の問題もありますが、もう一つ測定者の歩く方向性や直進性の問題です。
ロードメジャーはあくまでも人間が歩いて使用するため、測定者が長い距離を蛇行しながら計測してしまうと、その計測結果は実際の距離よりも長くなってしまいます、。
そうした面でも、ロードメジャーの数値はあくまで参考程度、とくに長い距離は誤差が大きくなる傾向が強いという認識が必要です。
最新のロードメジャーとは?
アナログ式の最も一般的なモデルです。距離を表示する部分はカウンター方式になっていおり最大で99999mまで計測可能です。
ハンドル部分が曲がった構造の為、操作が簡便・簡易なロードメジャーです。
二輪タイプのロードメジャーです。一輪のタイプと比較して直進性が良いのが特徴です。
また、二輪であることから安定した計測が可能となり、結果的に性格な計測寸法に繋がることが期待できます。