日本のモノづくりを支えるリニアスケール

物作りの現場でもっとも重要なことは、寸法を正確に測る事だといっても過言ではありません。しかし、その前提として製品が正確に加工されていることは欠かせません。そんな正確な加工を陰で支えるのが今回ご紹介する「リニアスケール」と呼ばれる装置です。

現在の自動加工機にはもちろん、昔ながらの汎用工作機でも欠かすことのできない存在となったリニアスケールとは一体どのような製品なのでしょうか?そしてどのような場面で使用されているのでしょうか?

今回は工作機械の精度の根源、リニアスケールについてご紹介します。

リニアスケールとは

一般的にリニアスケールと呼ばれることが多いですが、正式には「リニアエンコーダ」と呼ばれる装置で直線上の位置をスケールと読み取り機によって正確に把握するための装置です。近年の工作機械など機械の動きを高精度に把握する必要のある場面では、欠かすことのできない重要な計器となっています。大型の工作機械だけでなく、計測器の部品としてデジタルノギスなどにも使われており、ものづくりの現場ではよく目にする装置です。

データの読み取りには磁気を利用するものと、光を利用する物の2種類があり各々「電磁式」「光学式」と呼ばれ同じリニアスケールの中でも別の物として区別されています。

ではリニアスケールの仕組みはどのようなものなのでしょうか?次項ではその仕組みをご説明します。

リニアスケールの種類と仕組み

リニアスケールは位置の基準となるスケール(目盛り)の上を読み取り機が通過することで、その動きの量を検出する仕組みです。移動量の基準を常に同じ位置に持つ「アブソリュート式」と任意の位置からの移動量を把握する「インクレメンタル式」の2種類があり、どちらもその用途によって使い分けがされています。

では次に読み取り方式による違いについてご説明します。

電磁式検出器のタイプ

まずは比較的古くからある電磁式についてご説明します。このタイプの検出器の原理は電磁誘導と呼ばれる原理の応用です。二つの磁界をもつ別々のコイルがあり、その2つの磁界が交差する際に発生する電圧を感知して、実際にどの程度の移動距離であったかを把握します。

この原理に基づいたリニアスケールは先ほどのデジタルノギスなどで一般的に採用されており、価格も安価であることから様々な場所で数多く採用されています。

欠点としては磁界を狂わせるような環境(強力なマグネットの近くなど)では、正常に作動しませんので注意が必要です。

 

光学式検出器のタイプ

光学式の基本構造は、光を発する光源とそれを反射させるメインスケール、反射した光を読み取る受光素子によって構成されています。

光源から発せられた光はメインスケールに刻まれた非反射部分と反射部分によって規則的な光の信号となって反射します。その光を受光素子によって読み取ることで移動距離を把握しています。

こちらの方式も「アブソリュート式」「インクレメンタル式」の両方があり、用途によって使い分けられています。電磁式が汎用性に富むのに対し、光学式はメインスケールに刻む非反射部分のパターンによって様々な信号を作り出すことができることから、専用設計されたリニアスケールに用いられることが多くあります。

リニアスケールはこんなところに使われる

さて、ここまでリニアスケールの種類や構造をご紹介してきましたが、ここでは実際にどのような場所にリニアスケールが使われているのか、実例と共にご紹介します。

工作機械

工作機械は近年、その加工精度が目覚ましく向上しています。その影にあるのがリニアスケールの進歩です。

工作機械では各移動軸ごとにリニアスケールが装着されており、ステッピングモーターやボールねじから発せられる動きの指令や動きの結果を、リニアスケールが読み取り機械側へフィードバックすることで、互いの数値の整合性を高めています。

また、汎用タイプの工作機械においても近年はリニアスケールを搭載し、従来のハンドルの目盛り精度では実現できなかった高精度な加工ができるようになりました。

物流の要、自動倉庫

ちょっと変わったところでは、近年多くの物流の現場で導入の進んでいる自動倉庫などにもリニアスケールが導入されています。

旧来の自動倉庫は棚(専用パレット)に乗った製品が自動で搬出されるだけのもでしたが、近年は棚の移動にかかる時間の短縮が大きな課題となっており、それに伴い棚の位置を高精度に検出することが求められています。

そのような場面でもリニアスケールは活躍しています。

様々なバリエーションのリニアスケール

様々な場面で活躍するリニアスケールはその用途によって、様々に進化してきました。ここでは実際のリニアスケールをご紹介します。

長さ測定の汎用モデル

磁気方式のリニアスケールで、長さを測ることに特化した汎用モデルです。単体での使用も可能ですが、基本は装置に組み込んで使用するため、他の器機との接続に優れたモデルです。

汎用工作機械向け

汎用の工作機械などに取り付けることを目的としたモデルです。2軸分のリニアスケールと結果を表示するモニターがセットになっています。

古い工作機械でも比較的簡単にとりつけできるため、現場での加工精度の向上に役立ちます。

リニアスケールの多様な製品ラインナップ

リニアスケールはその種類や用途によって、数えきれないほどの種類の製品が発売となっています。

購入を検討する場合には、用途・使用条件などを詳細に打ち合わせる必要があります。目的にあった製品を購入して、加工精度の向上を目指しましょう。

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ライター紹介
ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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