非破壊検査のエキスパート!?PT検査とは?

PT検査

先日ご紹介したMT検査と並んで非破壊検査の手法として頻繁に用いられるPT検査。

MT検査と同様に目に見えない傷や欠陥をあぶりだす、非常に優れた非破壊検査です。

今回はそのPT検査の原理と使用する機材、また近年進化を遂げる新たな探傷試験についてもご紹介します。

PT検査とは?

PT検査は「Penetrant Testing」の頭文字をとった、非破壊検査の一種です。

日本語では「浸透探傷検査」と呼ばれています。

PT検査はMT検査などと同じ非破壊検査に分類されす製品検査方法の一つですが、MTやUTなどでは確認することの難しい、表面からは確認することのできない傷内部の深さや大きさを肉眼で確認できる検査として、様々な製品の検査に用いられています。

PT検査の用途 その1「溶接欠陥の発見」

PT検査の用途のうち、もっともポピュラーなのは溶接を行った場所への施工です。

製品の溶接では「ガスブロー」や「ピンホール」「割れ」などの様々な欠陥が懸念されます。

これらの溶接欠陥はMTやUTなどの他の検査方法でも確認することが可能ですが、溶接施工面の面粗さや凸凹とした形状が検査の邪魔となり、欠陥の細かな観察を行うことは困難です。

その点、PT検査では検査対象面の状態にあまり大きく左右されることなく検査を行うことができる為、溶接の施工現場では頻繁にPT検査が実施されています。

PT検査の用途 その2「製品表面の傷の発見」

PT検査の用途としてもう一つ頻繁に行われるのが、整品の表面に存在する欠陥の発見です。

金属などの製品の場合、熱処理や加工などの様々な影響によって製品表面に傷(割れなど)が発生する可能性があります。

それらの傷は時として人間の目には見えないほど小さな傷である場合も多くあります。

それらの傷は製品が使用される場合に、致命的な欠陥となる可能性もありきちんと発見して対処をする必要があります。

そうした場面でもPT検査は頻繁に行われる検査です。

PT検査のみ

そんなPT検査はいったいどのような原理を利用して行われる検査なのでしょうか?

PT検査は日本語では「浸透探傷検査」と呼ばれます。

PT検査とはその名の通り、整品に隠れている傷に特殊な液体を浸透させ、後にそれを現像処理することで傷を発見する非破壊検査です

その検査工程は大きく2つに分けられます

清掃と浸透

まず、最初に行うのは製品の洗浄です。

製品の傷の中に加工の際の油などが残っている場合、浸透液がうまくないって行かない為に検査結果にむらが出てしまいます。

次に「浸透液」と呼ばれる液体を製品全体に塗布していきます。この浸透液と呼ばれる液体は通常の水などと比較して浸透圧の高い液体で通常では入り込むことのできないような、小さな傷の内部にまで薬液が浸透するように設計されています。

 

現像作業

浸透液を塗布したのち、浸透液が傷に浸透するための時間を一定時間そのままの状況を維持します。

その後、製品表面にのこった余分な浸透液をふき取ります。

浸透液をふき取ったのち、最後に行うのが「現像」と呼ばれる作業です。

製品の見えない傷の中に入り込んだ「浸透液」を専用のパウダーを配合した「現像液」を使用して見える目視で確認できるようにする作業です。

PT検査に使用する機材はこんなもの

それでは次にPT検査に使用する薬剤についてもご紹介します。

使用する薬剤は大きく分けて3つに分かれます。

「洗浄液」「浸透液」「現像液」の3つです。

洗浄液

PT検査に使用する洗浄液は製品に残留した油やごみなどを洗い流す目的と、浸透後の余分な浸透液をふき取る際に使用する薬剤です。

洗浄液はその種類に「油性」と「水性」の大きく2種類に分けられます。その種類によってその後に使用する薬剤の種類も変化するため、洗浄液がどのような性質のものであるかはPT検査においては重要な要件となります。

浸透液

浸透液は実際に製品の傷の奥深くまで入り込むように浸透圧を極限まで高めた薬液です。

また浸透液は浸透圧を高めるほかに、その分子構造そのものを極限まで小さくしより傷に浸透しやすく設計されています。

浸透液は現像の際、その存在を視認しやすくする目的で「赤」や「青」といった濃い原色の色を有していることがほとんどです。

現像液

PT検査で最後に使用するのが現像液です。

現像液は通常、微細なパウダーを含有した薬液で洗浄液と反応すると傷の中から現像液を吸引する役目を担っています。

また、浸透液の色彩をより明確に視認できるよう現像液は通常真っ白な薬液です。

PT検査の進化

PT検査は先に紹介した色によって傷を視認させる従来の方法から、近年では蛍光素材を含有させブラックライトによって視認できるようにする「ザイグロ」と呼ばれる工法も開発されています。

従来の薬液によって製品を構成する素材に科学的な変異が起こる場合など、この新たな工法のPT検査が重宝される場面も増えています。

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シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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