圧力試験法案の策定と方法 その2

前回は圧力試験法案の策定に関して、その注意点とその根拠についてお話しました。

今回は前回までの内容を踏まえて、実際に圧力試験法案を策定し圧力試験を行っていくまでの過程についてお話します。

圧力試験を行う上で、もっとも事故の発生が懸念される実務作業はもちろん、様々な準備段階でいかにして事故を防いでゆくのかなどについても、ご紹介できればと思います。

圧力試験要領書作成の意義

圧力試験の内容を定めた試験法案が完成した後、次に必要となるのが実際の試験を行うための「要綱」と呼ばれる手順書です。

一部では圧力試験法案=要綱として認識されることもありますが、あくまでに試験法案は試験の内容を定めたもので、試験実施の詳細を提起しているものが「要綱」となります。

(試験要綱の内容を網羅している試験法案であれば別ですが・・・)

では、試験要綱はなぜ必要となるのでしょうか?

目的は「試験内容の周知」

最大の目的は試験の詳細な内容を関係者に、統一の内容として周知を行うためです。

何度も言いますが圧力試験は大変な危険を伴う試験です。

実際の試験の場になって、内容を理解していない作業員が間違った手順などで作業を行ってしまう事は、即座に事故につながってしまう可能性があります。

そうしたことの無いように、統一の知識として試験内容を周知することが「要綱」の最大の目的です。

要綱に記載される内容

実際の要綱には次のような内容が記載されます。

  • 実施年月日
  • 実施場所
  • 対象となる製品の詳細
  • 実施する圧力試験の種類
  • 実施する圧力試験に必要な計器やガス・液体などの規定
  • 圧力の上昇スピードやパージの際の下降速度についての規定
  • 圧力の保持時間
  • 検査の合否判定の基準
  • 検査に際し要求される資格等についての記載
  • 第三者機関の承認の必要性の有無

これらの情報は先に策定した「試験法案」の内容を勘案し、さらに詳細な数値などを添えて規定されます。

例えば、圧力の上昇に関する規定では試験圧力までの上昇に賭ける時間を規定するだけでなく、必要な場合は「圧力上昇チャート」などを追加し、時間軸と圧力軸の関係性を示したものが準備される場合もあります。

この圧力上昇チャートは、急激な圧力上昇による検査対象の破損を抑制する打だけでなく、圧力容器内部の圧力の脈動やバラツキを抑制することで、正確な圧力測定にも役立っています。

試験要綱に基づく、圧力試験の準備

さて、正式な試験要綱を製作した後は、実際の試験に向けた様々な機器の準備に取り掛かります。

圧力試験の準備において重要なのは、試験を安全に完遂するために必要な安全な機器を間違いなく準備することです。

代表的な検査機器の準備における留意点をご紹介します。

圧力計

圧力試験にはなくてはならないものですが、もっともトラブルの多い検査機器でもあります。

準備段階では「校正の有効期限」「試験圧力に十分に対応しているか」「配管との接続部分は健全であるか」「パッキンは使用可能な状況か」などをしっかりと確認する必要があります。

継手類

圧力元と検査対象をつなぐ配管などに使用する継手類もしっかりと確認します。

特に、継手はねじ式であることが多く繰り返しの使用でねじ山が傷んでしまっている場合があります。

ねじが傷んでいると圧力がかかった状態に耐えられず破損の可能性もあるため、しっかりとした確認が必要です。

継手の確認事項としては「ねじの健全性」「耐久圧力の確認」「シール面の健全性」などが挙げられます。

配管類

継手と同様に圧力元と検査対象をつなぐのに必要な機器です。

特に配管は金属性の物からゴム製のものまで幅広く使用される可能性があるため、用途に合った配管素材の選定が必要です。

配管類の確認事項は「耐久圧力の確認」「配管の損傷の確認」などです。

レギュレーター

圧力元から出力される圧力を調整する役目をもつ機器です。

この機器の不良は圧力元からの出力を調整できないことを意味します。

吐出圧力を調整できないということは、制限なく検査対象に圧力がかかり続ける原因となるため、事前のしっかりとした確認が必要です。

レギュレーターの確認項目は「継手部分の健全性」「メモリ機構の健全性」「ボリューム調整機構の健全性」などです。

その他、確認を要する検査機器

その他にも圧力試験で用いる可能性のある検査機器には次のようなものが挙げられます。

「温度計」「パッキン類」「リーク試験薬」「安全弁」

などが圧力試験に使用される主な機器です。

それぞれの機器ごとに事前の準備と確認を実施することで、思わぬ事故を事前に防ぐことに繋がります。

圧力試験実施について

さて、ここまでは圧力試験を行う上での事前準備などについて2回に分けてご紹介してきました。

特に「その2」でご紹介した内容は非常に重要です。

場合によっては「試験要綱」とは別に、個別の危機の管理や検査体制・確認事項・確認方法などをまとめた

「機器管理マニュアル」のようなものが整備されていることが望ましいと言えます。

次回は最終回として、実際の圧力試験に実施に関しての留意点や守るべき点についてご紹介いたします。

 

 

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広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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