圧力計の選定とその根拠

様々な計測機器についてご紹介している当メディアですが、いくら高性能な計測機器をもってしてもその使い方や、基本原理を理解していなければ正確な数値の把握はできないと言っても過言ではありません。

間違った使い方は数値的な正確性に賭けるだけでなく、場合によっては生命の危機に直結するような大事故にもつながりかねません。

そこで、このシリーズではこれまでご紹介してきた様々な計測機器や観察機器の正しい使用の方法や、それらの器機を使用して得ることのできる情報の読解などについて詳しくご紹介していきたいと思います。

まず初回は今回は様々な現場で使用される機会の多い「圧力計」について、その選定方法やその根拠について詳しくご説明します

圧力計の種類とその用途

それではまず最初に圧力計(アナログ式)の種類と用途についてご紹介します。

用途に合った方式の計器を使うことは正確な測定の第一歩です。

きちんとした知識で用途に見合った圧力計を先手してください。

グリセリン入り圧力計

このタイプは、圧力計の作動部分がグリセリンという粘度の高い液体で満たされた構造をしています。

グリセリンで満たす目的は、圧力計の針が急激かつ連続的に動いてしまう事で圧力計が故障してしまうのを防ぐ目的です。

また、一部には測定対象物の温度が圧力計に及ぼす熱影響の軽減を目的としている場合もあります。

こうしたタイプの圧力計は主に、差圧の変動の大きな設備などの圧力の計測に用いられます。

急激な圧力変化や脈動を伴う圧力計測では、計器保護の観点から液体充填タイプの圧力計を使用することが推奨されるためです。

乾式の圧力計

最も一般的な圧力計です。

先ほどの液体充填式の圧力計とは違い、機械構造部は密閉された容器の中に入っているだけです。

液体充填式の圧力気と比べると、安価で取り扱いも簡便なため多くの現場で広く使用されているモデルになります。

また、圧力の変化をダイレクトに指針に伝えることが出来る為、圧力の動きを即座に詳細に観察したいときにはこのタイプの圧力計を選定する必要があります。

圧力の単位

現在の世界的な単位統一の流れの中、日本国内でもSI単位を採用した圧力計が多くなってきました。

しかし、現代においても単位のことなる圧力計が存在していることも事実です。

また、旧来の試験法案をそのまま引用したような圧力試験要綱などでは、基準となる単位が旧単位のままといった現状も多数見受けられます。

その為、圧力計もその法案に対応したものを選定する必要があり、圧力の単位ごとの換算率なども考慮した圧力計を選定する必要があります。

現在流通している主な圧力計に使用される単位は次の通りです。

  • Mpa    (メガパスカル・パスカル)
  • mb    (ミリバール・バール)
  • Kgf   (キログラムエフ)

圧力計の大きさの選定方法

それでは更に実務的なところに話を進めていきます。

続いては圧力の計測に使用する圧力大きさ(どの程度の圧力までを計測できるか)についての選定方法に関してです。

圧力計測を行う場合に使用する圧力計の大きさの選定は非常に重要です。

この選定を間違えると正確な計測ができないばかりか、計器の故障や最悪の場合には爆発事故といったことにもつながりかねません。

圧力計の選定は、使用する圧力によって

 

では、実際にはどのような手順で圧力計の選定を行えばよいのでしょうか?

実は圧力計の選定について明確な規定や基準といった物は存在しません。しかし、選定の基準としては次のような条件が挙げられます。

  1. 実際に計測しようとする圧力
  2. 圧力の変動幅
  3. 安全率

1については選定の大前提となる数値であるため、必ず必要なものになります。1Mpaのゲージで10Mpaの圧力を計測することはできません。

2の変動幅とは、測定しようとする対象圧力が最大どの程度の大きさまで上昇し最小の場合その程度まで降下するのかといったデータです。

3の安全率は計測を行う過程で誤って過度に圧力がかかってしまった場合でも計器はもちろん肺下院などが破損するのを未然に防ぐために設定される係数です。

例えば1Mpaの圧力がかかる配管の圧力を安全係数5で計測する場合に使用する圧力計は5Mpaという具合に使用します。

具体的な圧力計の選定例

実際の圧力計測を例に圧力計の選定過程を見てみます。

以下の条件の配管の圧力を測定するとして、選定の過程を見ていきます。

  • 常用圧力は20Mpa
  • 最高圧力は25Mpa
  • 計測対象は常用圧力時の配管圧力
  • 急激な圧力の変化に跳んだ配管
  • 安全率は2とする

まず、選定の大前提となるのは配管にかかり得る最大圧力です。

この場合は25Mpaですので最低でも25Mpa以上の計測が可能な圧力計が必要となります。

次に配管内部の圧力変化に富む配管でアルトの情報から、使用するのは圧力の急激な変化にも比較的強固な液体充填式の圧力計となります。

次に、最後に安全率が2倍と定期されていることから25Mpaの2倍、50Mpa以上の圧力計が必要であると言えます。

ただし、50Mpa以上であっても極端に測定範囲の大きな(例えば200Mpa)圧力計では、測定したい圧力の範囲を細かくと捉えることが難しくなるため、大きければなんでも良いというわけではありません。

これらの条件を総合的に加味して考察すると、この配管の圧力測定に使用する圧力計は

「50Mpa~75Mpa程度の液体充填式の圧力計が望ましい」

ということになります。

目的と用途に合った適切な圧力計選び

圧力計自体は使用した経験がある方は多いと思います。しかし、その選定についてまで深く考察する機械は少ないのではないでしょうか?

しかし、圧力計の選定は事故や計測ミスを抑制する上でも非常に重要な要件です

是非、目的と用途に合った適切な圧力計選びの参考にしてください。

次回は、実際の圧力計測の現場でのノウハウや注意点などについてもご紹介していきます。

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ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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