ネジ切削の必需品!有効径マイクロメーター別名ねじマイクロとは?

日常生活でもよく目にする「ねじ」

皆さんはこのねじに厳格な規格があることをご存知ですか?メートル規格やユニファイ規格といった規格の違いや、梯形ねじなどの形状の違いによってさまざまに分類されるねじ。

そんなねじを加工する際に切っても切れない関係にあるのが今回ご紹介する「有効径マイクロメーター」です。

最近ではねじゲージと呼ばれる、ゲージ合わせてねじを加工する機会も多くなりましたが、いまでも加工の現場では欠かすことのできない大切な計測器の一つです。

今回は加工の現場で活躍する有効径マイクロメーターについてご紹介します。

ねじ加工の基本は有効径管理から!

では、有効径マイクロメーターの基本からご説明します。

有効径マイクロメーターはその名の通り、整品に加工された有効径を計測するための計測器です。ねじと呼ばれる形状を加工する場合は、総じてこの有効径を計測してその良し悪しもしくは寸法を管理します。

そもそも有効径とは

では、そもそも有効径とは何なのでしょうか?

有効径とはねじの尖った部分とへこんだ部分の中間の位置の寸法をさし、この径がねじの強度計算や雄ねじと雌ねじの組み合わせの管理に用いられる数値となります。

有効径についての詳しい説明は機会を改めて、詳しくご説明します

有効径・ピッチ・リード角

ではサイズの分からないねじを見本に、新規にねじを加工する場合はどのように加工を行うのでしょうか?

ねじを加工する際に必要となる情報は「有効径」「ピッチ」「リード角」の3つの情報です。そのうちのピッチに関しては「ピッチゲージ」と呼ばれるゲージにて確認することが可能です。

見本のねじの外径を計測し、ピッチを確認できればそのねじの規格を推測することができます。規格が推測できれば、リード角を見出すことが可能です。

ここまでくれば、あとは有効径マイクロメーターによって有効径を計測することができれば、規格の分からないねじであっても加工を行うことが可能となります。

有効径マイクロメーターの仕組み

続いては、有効径マイクロメーターの仕組みについてお話します。

上の図のように、有効径マイクロメーターの基本構造は、外径を計測するアウトマイクロメーターのそれとほとんど変わりません。

唯一にして最大の違いは製品に押し当てて計測を行う「測定子」と呼ばれる部分の形状です。通常のアウトマイクロメーターの測定子は平坦な形状をしているのに対して、有効径マイクロメーターは計測するねじの形状によって測定子の形状を変更する必要があります。

次項では有効径マイクロメーターの測定子の選定についてお話します。

ねじの形状に合わせて測定子の形状を選択する

ねじはその山や谷の形状に多くの種類があり、その形状の違いによって有効径マイクロメーターの測定子の形状を変更して対応する必要があります。

上の写真は測定子を様々に交換して使用するタイプの有効径マイクロメーターです。

また、山や谷の形状(角度)が同じであってもねじのピッチが違えば、測定子も同じように変更する必要があります。代用的なねじの形状とその山・谷の角度については下記の取りです。

  • メートルねじ        ねじ山角度60度 ピッチは㎜単位
  • ユニファイねじ       ねじ山角度60度 ピッチは1インチ当たりの山数にて換算
  • ウィットウォースねじ    ねじ山角度55度 ピッチは1インチ当たりの山数にて換算

この他にも台形ねじの29度・30度など様々な角度や球面形状のねじが存在するため、有効径マイクロはその都度必要な測定子を選択して計測する必要があります。

有効径マイクロメーターの計測のコツ

通常のマイクロメーターとは違い、有効径マイクロメーターはねじの山と谷の中間部にある有効径を計測するため、通常のマイクロメーターの計測とは違った計測方法が必要です。

ねじは製品の外径に螺旋状に加工されています。そのため、有効径マイクロメーターで計測を行う場合は上下の計測位置がねじの長さ方向に対して、「ピッチの半分の量ずれる」という現象が起こります。

このずれが、有効径の測定の最大の課題であり不適合発生原因の主たる要因です。

計測のコツは有効径マイクロメーターの固定側測定子を任意のねじ山に押し当てて固定し、稼働側測定子を計測したいねじ山の前後に通して、もっとも小さい値となる箇所を見つけ出します。

このもっとも小さい数値を示すねじ山が、固定側測定子の押し当てられているねじ山に呼応した箇所のねじ山ということになります。

代表的な有効径マイクロメーター

測定子交換式

測定子交換タイプのデジタル式有効径マイクロメーターです。1台で様々なねじに対応できますが、測定子を交換するたびに自主校正を行うことが基本となるため、作業は固定式と比べて煩雑になりがちです。

測定子固定型

ミツトヨ製の固定式有効径マイクロメーターです。測定子が一体型の為、特定のねじの測定にしか使用することはできません。量産品などの検査や加工に適しているタイプとなります。

いかがでしたか?最近ではゲージに合わせてねじを加工する機会が増えていますが、本来は有効径で管理することが望ましい、ねじの加工です。

この機に有効径マイクロメーターの必要性について、考えてみてはいかがでしょうか?

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シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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