精密計測の基礎中の基礎、マイクロメーターの進化の歴史

製造の現場で、もっとも使用されることの多い計測器の代表といえば「ノギス」ではないでしょうか?しかし、計測の対象が百分の一ミリ単位までの精度を必要としている場合には、多くの場合ノギスでの計測結果を信用し検査成績書に寸法を記載する事をためらってしまうの方も多いはずです。

そんな百分の一ミリ単位を正確に且つ、迅速に計測できる計測器ことが、今回ご紹介する「マイクロメーター」です。

精密加工の現場ではどれだけ高性能な三次元測定機を導入している会社でも、必ず現場に常備され使用されているマイクロメーター。

現在で様々な種類の製品も発売され、今での日々進化を遂げているマイクロメーターにスポットをあてて、ご紹介していきます。

手動計測機器の進化

今でこそ、当たり前となった製品の精密計測ですが、その歴史は計測機器の進化に大きく影響を受けています。日本一の計測機器メーカーである「ミツトヨ」のキャッチコピーに「作れることは、測れること」というのがあります。まさに計測機器の進化が製品の精度の向上を支えているのです。

産業革命以前は製品を作り出すのに、細かな寸法指示などはなくその都度毎回、お互いを現物合わせで製作していました。しかし、産業革命によって大量生産がおこなわれるようになると、製品ごとの誤差をいかに小さくできるかと言った視点が、重要視される様になりました。

それに伴ってこれまで使用されてきた計測機器は目覚ましい進化を遂げることとなります。

例えば長さに関しては、初期の初期は人間の手の幅や指の長さなどが、対象物の長さを把握することに用いられていました。もちろん手や指の長さは千差万別、計測と呼ぶにはあまりにもお粗末なものです。

その後、メートル法が世界的な単位系として認知されると、定規や物差しといった統一的な単位を持った計測機器が登場します。その後もアナログノギスなどに代表される計測機器が次々に登場し、その度に製品の精度も向上を遂げていきました。

そんな、たくさんの計測器の中でついに、マイクロメーターが開発され瞬く間に世界中のものづくりの現場へと普及していきました。

マイクロメーターの基本構造

そんなマイクロメーターには大きく分けて「デジタル方式」と「アナログ方式」の2種類があります。

ここではアナログ方式とデジタル方式の違いについてご説明していきます。

簡単なメンテナンスで長く使えるアナログ方式のマイクロメーター

まずは、下の参考図をご覧ください。

アナログ式のマイクロメーターの特徴は何といってもそのつくりの簡易さ故のメンテナンス性と簡便な計測にあります。

アナログ式マイクロメーターは、測定子の根元に刻まれた細目の推進量を読み取ることで、対象のワークの大きさや長さを把握します。ちあみに、測定子が一回転すると計測距離は0.5㎜変化するのが一般的です。

つまり測定子の根元に刻まれたねじのピッチは0.5ということになります。

この法則はデジタル式マイクロメーターでも基本的には同じです。この一回転で0.5㎜変化するとこが、計測数値の読み間違いの最大の理由となっています。

読み間違いを予防できるデジタル式マイクロメーター

続いて、デジタル式のマイクロメーターについてもご紹介します。

基本的な構成部品はアナログ式マイクロメーターとほぼ同じです。違いがあるのは測定子の推進量を読み取るためのリニアスケールが取り付けられ、それを表示する液晶画面を備えていることです。

ちなみに、デジタルマイクメーターにもアナログ式マイクロメーターと同様に、直接読み取ることのできる目盛りもしっかりと刻まれています。これはデジタル方式で読み取った数値はあくまでも参考値であり、デジタルだからこそ起こり得る、電気的な誤作動が原因の不具合を計測段階で把握できるようにするための物です。

デジタル式のメリットとしては計測の結果を瞬時にデータとしてPCや専用の装置に送ることができ、書き写しの手間や間違いを大きく抑制できるといった点が挙げられます。

同じ方式の様々なマイクロメーター

さて、ここまではマイクロメーターの基本構造をご紹介するのに、もっとも代表的なアウトマイクロメーターを取り上げてきましたが、実際にはこのほかにも非常にたくさんのマイクロメーターが発売されています。

計測箇所や計測の対象となるワークの形状に合わせて、開発・発売されている代表的なマイクロメーターについて、その特色を交えてご紹介します。

内径を計測できるインサイドマイクロ

このマイクロメーターは内径の計測に特化した構造を有したマイクロメーターです。

計測する寸法に応じて、あらかじめ計測範囲が固定されたタイプのものと、計測対象寸法によって様々な長さのパーツを組み合わせて使用するタイプの2種類があります。

インサイドマイクロの測定子に刻まれたねじは、通常のアウトマイクロとは異なり「左ねじ」が採用さてることが一般的です。これは計測時の作業者の感覚的な作業を補助するためです

片球面マイクロ

こちらは、リング状の製品の厚みを測ることに特化したマイクロメーターです。分類的にはアウトマイクロの仲間ですが、リングの厚さを計測する際に通常のアウトマイクロでは内径側の計測点を一点にすることができないため、このような球面を有した測定子を採用しています。

他にもたくさんあるマイクロメーター

この他にも次にあげるようなマイクロメーターがあり、それぞれに特色のある形状と測定対象があります。

  • ねじマイクロ(ねじの有効径を計測するためのマイクロメーター)
  • 歯厚マイクロ(歯車を計測するためのマイクロメーター)
  • インサイドキャリパーマイクロ(内径の奥まった場所や、手前に突起のある箇所を測定する)
  • アウトキャリパーマイクロ(溝の幅などを測定できるアウトマイクロメーター)

など、挙げればきりがありません。

様々な種類のあるマイクロメーターはその用途に応じて適切な形状を選ぶことが、正確な計測の第一歩と言えます。

計測対象をよく理解して、適切なマイクロメーターを使用するようにしましょう。

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ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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