倉庫で活躍する「測定機器たち」

倉庫

ビジネスで使われる倉庫は、単に製品や商品などの物品を置いておく場所ではありません。物品が「損なわれないように」保管しなければなりません。そのためしっかり監視しなければなりませんが、それにはコストがかかります。なんとかお金をかけない方法はないものでしょうか。

また、倉庫はなるべくたくさんの製品や商品を置かなければなりません。「ぎゅうぎゅう詰め」にするほど倉庫の利用効率は上がりますが、その状態では物品の出し入れが困難になります。
倉庫の利用効率と作業効率の両方を最適にする方法はないものでしょうか。

こうした課題を解決するには「測定」が欠かせません。倉庫のなかを正確に測ると、コストをかけずに倉庫の性能を高めることができます。
「高性能倉庫」をつくる測定機器を2つ紹介します。

ロトロニック社の温湿度データロガーで最適環境にする

スイスのロトロニック社は、温湿度データロガーを製造・販売しています。日本では商社が同社製品を取り扱っています。
温湿度データロガーは倉庫内の温度と湿度を測定する機器で、これを使って「しつこく」測定していくと倉庫内を最適な環境にできるのです。

そもそもデータロガーとは

そもそもデータロガーは、データ(測定値)をログ(記録)する機器のことです。ここでは温度と湿度を測定するデータロガーを紹介しますが、そのほかに速度や加速度を測定するデータロガーや、移動する物体の位置を測定するデータロガーもあります。
データロガーは同じ場所や同じ対象物を長期にわたって測定します。そうすることで「じっくりゆっくり」変化する現象を、見える化することができます。
モノづくりや製造現場では、職場の環境の変化が不良品や不具合を生むことがあります。データロガーを設置しておけば環境の変化がわかるので、すぐに調整することができ環境を一定に保てます。

倉庫における温湿度データロガーの役割とは

倉庫も環境の変化を嫌う現場のひとつです。倉庫の管理者が最も神経を使う保管物品のひとつに医薬品があります。医薬品は温湿度が高すぎても低すぎても劣化が進んでしまうからです。

倉庫は広大な空間なので位置によって温度や湿度がかなり違ってきます。空調設備で温湿度を調整することになりますが、空調設備をコントロールするには温湿度の推移を把握する必要があります。
そこでロトロニック社の温湿度データロガー「ハイグロログ」を倉庫内の複数個所に設置すれば、それぞれの場所での温度と湿度のデータを長期にわたって集めることができます。それにより倉庫内の温湿度の状況を、時間的・空間的に追跡することができます。

ハイグロログで温湿度を測定・収集・分析すると、ワーストポイント(最高値と最低値を示す位置)がわかります。また、倉庫内の棚の大きさや位置、保管する医薬品の量、季節などによって温湿度が変動することもわかります。
データを集めながら空調を調整することで、倉庫管理者は最高値と最低値の差を小さくすることができるようになり、医薬品が劣化しにくい高性能の倉庫ができあがるわけです。

温湿度

温湿度データロガー「ハイグロログ」の特長とは

ロトロニック社の温湿度データロガー「ハイグロログ」の特長を紹介します。
ハイグロログは1台で7カ所の温湿度を測定することができます。ハイグロログは片手に乗るほどの小型の機器で、ここから7本のワイヤが伸びています。ワイヤの先にはセンサーがついていて、センサーを設置した場所の温湿度を計測し、データをハイグロログ本体に送信します。
そしてハイグロログが集めた7カ所の温湿度のデータはUSBハブを経由してパソコンに送られ、専用ソフトウェアでデータを記録、分析、解析することができます。
例えば、倉庫内の21カ所で温湿度を測定する場合は、ハイグロログを3機購入し1台のパソコンにつなぐことになります。

ハイグロログは倉庫内の温度をマイナス10度から50度まで測定でき、精度は、温度は±0.1度、湿度は±0.8%rhとなっています。
測定する時間間隔は5秒に1回から24時間に1回まで自由に設定できます。

ハイグロログのスペックは以下のとおりです。

保管環境条件 -10~+60℃
使用環境条件 -10~+50℃
測定温度範囲 -10~+60℃、0~100%rh
精度(23℃) 温度±0.1℃、湿度±0.8%rh
インターフェース RS-232C / USB / Ethernet + RS-485
内部電源 006P 9V(500mAh以上)アルカリ乾電池、ニッケル水素充電電池
外部電源 ドッキングステーション経由でACアダプタ使用可
電池寿命 1年以上(ディスプレイ未使用、1プローブ、15分間隔計測)
ディスプレイ バックライト付きLCD
メモリカード CF(コンパクトフラッシュ)カード (標準128MB)
メモリ容量 約320万データ(128MBフラシュカード使用時)
ロギングインターバル 5秒~23時間59分55秒
ログモード スタートストップ / 日時設定
アラーム機能 LED表示およびブザー音設定
重量 約300g
寸法 155x106x37mm

ハイグロログを製造しているスイスのロトロニック社は、40年以上の歴史を持つ世界的な温湿度計測機器メーカーです。

寺岡精工の物品のサイズと重さを一瞬で測る

倉庫管理者の心のうちは、「なるべく多く保管したい」という気持ちと、「保管したものを可能な限り素早く取り出したい」という気持ちが、常にせめぎ合っています。なるべく多くの物品を入れながら、物品の出し入れをスムーズにするには、整理整頓が欠かせません。
そして倉庫のなかを整理整頓するには、物品のサイズや大きさを把握しなければなりません。
物品の形状がわかれば、後はゲーム「テトリス」の要領で倉庫内の空間を無駄にしないように隙間なく物品を棚に並べていけばいいのです。

電子はかりメーカーの株式会社寺岡精工(本社・東京都大田区)が開発した自動採寸計量スケール「スマートQbing」は、倉庫に入れる物品のサイズと重さを「一瞬」で測定します。

物品のサイズと重さを測るとこれほど効率化する

倉庫に保管する物品のサイズと重さがわかるメリットは、倉庫の棚の有効活用だけではありません。それ以外にも、さまざまなメリットが生まれます。
例えば、「あとどれくらい物品を入れることができるか」がわかるようになるので、物品の受け入れ態勢を整えることができます。

また倉庫によっては、出荷する物品を梱包することもあります。このとき、出荷オーダーを受けると同時に物品のサイズと重さがわかれば、必要な段ボールのサイズを割り出すことができます。
倉庫のなから出荷する物品を集めてから段ボールの大きさを考えるより、出荷オーダーが入ってすぐに段ボールの大きさがわかったほうが、作業効率は向上します。

また、物品のサイズと重さを把握していれば、出荷計画が決まった段階で配送トラックの必要台数がわかります。
倉庫内の物品のサイズと重さの情報は、倉庫作業の効率化に大きく貢献するのです。

サイズと重さの自動採寸計量スケール「スマートQbing」の実力とは

自動採寸計量スケール「スマートQbing」は、1メートルほどのベルトコンベヤーとゲート(門)型のセンサーを組み合わせた構造になっています。ベルトコンベヤーに物品を乗せてゲート内を通過させると、センサーが物品の重さと三辺(長さ、幅、高さ)を瞬時に測定します。計量と採寸のデータはそのまま管理用のパソコンに送信されます。

測定できるのは、長さ15~153センチ、幅10~122センチ、高さ0.5~90センチ、重さ200グラム~50キログラムの物品です。
一般的な宅配便のサイズの段ボールであれば、1時間に9,000個を測定できます。つまり1秒間に2.5個の段ボールを測定することができます。
また、オプションのバーコード読み取り機を装着すれば、自動で採寸計量しながらバーコードも読み取ることができるので、倉庫の奥に保管した物品でもバーコード検索することですぐに引き出すことができます。

スマートQbingの最上位機種SQ-4302のスペックは以下のとおりです。

コンベヤー幅 1220mm
機能 採寸・計量
最小貨物サイズ(mm) 150(L)× 100(W)× 30(H)
最大貨物サイズ(mm) 1530(L)× 1220(W)× 600(H)
寸法目量 5mm
寸法検出方法 赤外線透過センサー
ひょう量 50kg
はかり目量 50g(0~5kg)/ 100g(5kg超え~50kg)
計量範囲 200g~50kg
質量検出方法 ロードセル
はかり台数 2基
搬送速度 30~120m/分 (速度可変)
最小物品搬送間隔 700mm
搬送面高さ 500mm
インターフェース RS-232、RS-422、Ethernet(100BASE-TX)、DIO(外部制御信号入出力)、
USB(データ保存専用)
電源電圧 AC200V 三相 50/60Hz
消費電力 1.1kVA
使用温度範囲/湿度 -10~+40℃/ 15~85%RH (結露不可)
本体寸法(mm) 1735(L)× 1670(W)× 1560(H)
本体自重 500kg

ベルトコンベア

寺岡精工とは

寺岡精工の前身、朝日衡器製作所は1928年に設立されました。同社が開発した「寺岡式敏感自動バネ秤」は、測定の対象物を皿にのせるだけで重さを読み取ることができる秤(はかり)で、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツの5カ国で特許を取得しました。当時は分銅を使う秤が主流だったので、「寺岡式敏感自動バネ秤」は画期的な機器だったのです。
その後、商品の重量と料金を同時に読み取ることができる機械式料金秤などを開発しながら、IT時代が到来すると秤にコンピュータ制御を積極的に取り入れました。
海外進出も果たし、工場は岩手県のほかにシンガポールと上海にもあります。

物流の速さに貢献する2台

倉庫は、ビルディングやマンションなどに比べると、はるかに単純な構造です。しかし最近、ネット通販や即日配達の登場、運送業の深刻な人手不足などを受け、倉庫の近代化が急務になっています。倉庫で詰まってしまったら、物流の流れが分断されてしまうからです。
ここで紹介した2つの測定機器は、倉庫の機能を高めることで、速く正確な物流に貢献しています。

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ライター紹介
ライタープロフィール
アサオカミツヒサ

フリーライター、ライティング事務所office Howardsend代表。北海道大学法学部を卒業後、鉄鋼メーカー、マスコミ、病院広報などを経て2017年独立。取材した分野は、地方政治、地方経済、過疎化、ワーキングプアなど。現在の執筆領域はIoT、AI、産業一般、人事制度、金融、最新抗がん剤、生活習慣病治療など。趣味はクルマとバイクと登山。北海道釧路市在住。

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