塗装皮膜やメッキの厚さを計測!膜厚計の原理と仕組みをご紹介します

住宅の外壁や車のボディなど私たちの身近には、塗装やメッキなどの表面処理を施されたものが数多くあります。

そして、普段は何気なく見ているそれらの塗装やメッキですが、実は想像以上に厳密に管理されていることをご存知でしょうか?

例えば、1年を通じて外気や天候にさらされる住宅の外壁塗装。見た目にはただ塗られているだけにも見えますが、実際には各住宅メーカーが様々な耐候試験などを経て導き出した、最適な膜厚を確保した塗装が施されています。

そうした塗装の膜厚やメッキの厚さを計測できるのが、今回ご紹介する膜厚計です。

膜厚計とは?

一般的に膜厚計と呼ばれるものは、金属やその他の母材の表面に膜状に塗装やメッキを施した場合に、その膜の厚さを計測する計測機器の総称です。

使用の目的としては表面に形成された膜の厚さを管理するとこで、整品の均一化を測ったり場合によっては強度を確認する目的で仕様されることもあります。

では具体的な膜厚計の活躍の場とはどのような場所なのでしょうか?

1.住宅メーカーの外壁塗装工程

身近なところでは住宅の建設に用いる外壁の塗装工程などでも使われています。住宅の外壁塗装はその膜厚によって弾性や耐候性、断熱性などに大きな違いが生まれる為、塗装工程ではしっかりとした膜厚の管理が行われています。

2.自動車の生産ライン

自動車の塗装ラインでも膜厚計は活躍しています。膜厚の違いはそのまま色合いの変化となって表れるため厳密な膜厚管理が必要です。

また、自動車の塗装は何度も重ね塗りを繰り返し完成しますが、その都度膜厚の細やかな管理が行われており、膜厚計は不可欠な計器となっています。

3.プラントなどの修理の現場

膜厚計の活躍の場は何も、新品を作る場合だけではありません。

化学プラントなどの既設配管の点検の際、もともと塗られていた塗料が経年劣化によって減少したり風化したりします。現在の膜厚が新品の段階と比較してどの程度残っているのかなどを調べる目的でも膜厚計は活躍しています。

膜厚計の分類と種類

それでは、実際の膜厚計とは一体どのようなものなのかについてご紹介していきます。

まずは膜厚計の仕組みです。膜厚計が対象の製品の表面膜厚を把握する仕組みは大きく分けて4つの手法があります。それぞれ特徴があり、対象物や膜の厚さによって使い分けがされています。

渦電流膜厚計

電磁コイルのはいった測定子を実際に対象物に接触させ、通電させたときに生じる渦上の電流を測定することで膜厚を測定しています。

この方式では、母材は通電性があり表面皮膜に通電性がない場合にみ利用できる方式となります。そのため木材の上に塗られたペンキの膜厚などは測定することができません。

赤外線式膜厚計

対象の製品に赤外線を照射し、その結果反射したり透過したする光を分析することで得られるスペクトルを解析して膜厚を計測しています。

この方式は対象物を選ばない為、母材の成分が不明な場合にも使用することができます。

超音波式膜厚計

計測に超音波を用いるタイプの膜厚計です。対象に超音波を照射し、その音波が下地にあたって跳ね返ってくるまでの時間を計算することで、膜の厚さを把握できます。

ただし、跳ね返ってくる速度は膜の種類や母材によって違いがあり、事前に母材や膜を形成する素材を把握しておく必要があります。

電磁式膜厚計

電磁石の金属を惹きつける力を利用した膜厚計です。

表面の皮膜の厚さの変化が電磁石の中を流れる電流の違いとなって表れる原理を利用しています。だたし、測定する対象の母材がもともと磁気を帯びている場合などは、正確に計測することができないといった欠点があります。

膜厚計は比較の原理?

厚計はその方式によって様々に分類されますが、実は原理としては同じです。

対象となる製品の膜厚を直接的に計測しているかに思われがちですが、実際には基準となる膜厚に対して違いがどれだけあるかを把握することで、その対象物の膜厚を把握します。

つまり、基準となる膜厚がづれてしまっていた場合には、正確な計測はできなくなってします。そのため膜厚計は定期的な校正が必須となります。

様々な膜厚計

最後に、市販されている膜厚計をいくつかご紹介します。

自動車の製造ラインに組み込まれるような据え置き型から、現場作業に特化した簡易的なものまで数多くの膜厚計が発売されています。

ポータブル・電磁式膜厚計「スマーテストシリーズ」

ペン型の電磁式膜厚計ですが、特徴的なのはスマートフォンと連動している点です。計測した結果をスマーフォンのアプリで確認することができる点です。

持ち運びにも便利で、どこでも手軽に膜厚の測定が可能です。

ラインへの組み込みが可能な「光干渉式膜厚計」

 

近年急速に普及の進んでいる、光干渉式の膜厚計です。自動車の製造ラインのようにオートメーション化された現場で、常に膜厚を監視する場合などに用いられます。

 

いかがでしたか?膜厚計にも様々な用途や種類があります。

導入の場合はしっかりと比較検討して、最適なものを選んでください。

 

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ライター紹介
ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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