一酸化炭素やプロパンガスなど、人体にとって危険を及ぼす可能性のある様々なガス。
そんな目に見えないガスを素早く検知して、その危険性を教えてくれるガス検知器。最近では新築の建物に火災報知機と併用される場面も多くなってきました。
普段は天井や壁にひっそりと張り付いているこれらのガス検知器ですが、実は検知するガスによって様々な種類が存在します。
今回は私たちの生活をいつも見守ってくれているガス検知器の種類や構造・検知の仕組みなどを詳しくご紹介します。
このページの目次
ガス検知器とは?
まずはガス検知器についてご説明します。
ガス検知器とはその名の通り、空気中にある様々な種類のガスを検知する検知器の総称です。一般的にはプロパンガスなどの可燃性ガスを発見する物や、一酸化炭素のなどの有害ガスを検知するものなど特定のガスを検知するものがほとんどです。
また、有害ではありませんが二酸化炭素や窒素といった特定の気体を検知するものは、ガス検知器とは区別した考えられることがほとんどです。
主な検知ガスの種類
先ほどの通り、ガス検知器は対象となるガスごとに設置されることが一般的です。現在さまざまな場面で利用されているガス検知器のおもな対象ガスには次のようなものがあります。
- LPG(液化プロパンガス)
- 都市ガス(天然ガス)
- 一酸化炭素
- 二酸化炭素
- 硫化水素
など、様々なガスを検知する検知器が開発・販売されています。
ガス検知器の必要性
ガスは一部のガスを除いて基本的には目で見ることができません。
その為、視覚的な観点から有害なガスを見つけることは非常に困難です。また、ガスの種類によっては極微量でも人体に多大な影響を与えるガスも存在します。
そうしたガスはできるだけ早期に発見する必要があり、そのためにもガス検知器は必要不可欠ともいる器具です。
ちなみにガスコンロで使用するガスが特有のにおいがするのは、目では見えないガスににおいをつけることで、漏れだしたガスに少しでも早く気づき対応できるようにとの意向で、本来は無臭のガスに強制的ににおいをつけたものです。
様々なガス検知器とその構造
ガス検知器には複数の種類があります。
検知対象のガスや設置場所・検出の精度によって使い分けられています。ここでは代表的なガス検知器の種類と構造についてご紹介していきます。
半導体式ガス検知器
出典元:http://www.oes.ne.jp/data/gas%20leak%20detector.html
アルミナの基盤に酸化すずをコーティングしたものを使用したガス検知器です。
清浄な空気の基では酸化すずの表面は通電しません、しかしガスと反応することで酸化すずの表面を電気が流れるようになる原理を応用して、ガスの検知を可能にしています。
これは酸化すずと還元性ガスが反応し、酸化すずの内部の電子が自由電子となる原理を応用しています。
比較的簡単な構造で、電源も多くを必要としないため様々なガス検知器に採用されている方式です。
接触燃焼式ガス検知器
二つの性質のことなる物質を用いたガス検知の仕組みです。
片方は可燃性ガスに対して反応する物質で、可燃性ガスと反応すると燃焼し温度が上昇します。他方は可燃性ガスと反応しない物質となっており温度が上昇しません。
この二つの物質の温度上昇の経過を観察することで可燃性ガスを検知できる仕組みです。
電気化学式ガス検知器
一酸化炭素の検知に用いられることの多い方式です。
二つの性質の違う物質の特性をいかし、一酸化炭素との間で起こる化学反応を観察することでガスを検知しています。
設置場所は検知するガスによって違う?
また、ガス検知器には設置場所にもガスごとに違いがあります。
家庭でよく目にするガスコンロのガス漏れを検知するセンサーを例に挙げれば、燃焼ガスがPLGの場合は床面に近い位置に接地し、都市ガスの場合は天井に設置します。
これはガスによって空気と比較した場合の比重が違うためで、PLGや二酸化炭素は空気より重い為比較的下の方に設置します。
反対にLNG(都市ガス)などは空気より軽い為、天井などガス器具よりも高い位置に設置する必要があります。
家庭向けから工業用まで様々なガス検知器
プロ仕様のガス検知器
工業用のガス検知器です。都市ガスやプロパンガスなどの検知に優れたモデルです。
検知制度も高く、一般家庭からプラントなどの現場までしっかりと対応できるポータブルタイプのガス検知器です。
一般家庭向けガス検知器兼警報器
一般家庭設置用のガス警報器です。乾電池式で設置に電源の確保が不要なため設置場所を選びません。もちろんバッテリー切れのアラートも添えているため、電池切れによる検知漏れの心配もありません。
また、ガスを検知するとアラームにて周知する機能を備えているためガス漏れによる爆発事故などの抑制にひろく役立てられています。