様々な場面で本人認証を行うことがあります。例えばスマホの操作を行うために、その持ち主本人であることを証明するために暗証番号を入力したり、クレジットカードで決済する場合にも暗証番号の入力を行ったりします。しかしこのような方法だと番号が知られないように注意しなければなりません。そこで生態認証技術が進んでおり、指紋認証についても一般的に利用されつつあります。
指紋認証とは
生態認証は、従来のパスワード等を利用した認証ではなく、人体の特徴を利用した認証方法になります。そのためパスワードの管理をする必要がなく、番号流出による危険性もありません。
そして生態認証のひとつに指紋を使った認証方法があります。
指紋は1人1人異なる形をしていると考えられているためこれをパスワード代わりに使うことができるのです。
すでに色んなところで採用されており、例えばスマホでは指紋を読み取ることでロック・アンロックができるようになった端末もあります。
セキュリティ管理が必要な部屋に入室の際、カードキーを使うことや番号入力をさせるのではなく、指紋をかざすという方式を採用しているところもあります。
指紋認証を採用することで利便性および安全性を高めることができます。
指紋センサーの技術
指紋認証を実現するには、指紋を読み取るセンサーが必要です。
指紋の形状を測定、読み取る必要がありますが、その測定方法はひとつに限られません。
光の反射を利用した「光学式」のセンサーや指紋の凹凸によるわずかな距離の差を放電によって読み取る「静電容量方式」のセンサーなど、ほかにも電界強度測定方式や感圧式、感熱式のセンサーがあります。
感圧式センサーでは圧力によって指紋の凹凸を読み取り、感熱式は温度からこの凹凸を読み取ることができるとされています。
指紋は大きく3つのタイプに分けることができ、アーチ型とされる弓状紋、ループ型とされる蹄状紋、そしてホール型とされる渦状紋があります。
このうち日本人は弓状紋が多いと言われていますが、指紋がまったく同じになる可能性は低く、たまたま指紋が同じになってしまう危険性を考慮する必要はないと考えられています。ただし認証のシステムやセンサーの不具合によってはセキュリティに問題が生じる可能性はあるでしょう。そのため指紋センサーを購入するには確かな性能を備えたものを選ぶようにしなければなりません。
読み取った指紋との照合
指紋認証では本人確認を行うことがその目的ですので、ただ読み取るだけではなく、まずは自分の指紋を登録し、その後認証の際に、登録した指紋情報と読み取った指紋情報を照らし合わせる必要があります。
そこで指紋の認証方法として一般的なものに「パターンマッチング方式」「特徴点抽出方式」「周波数解析方式」などが挙げられます。
パターンマッチング方式は、指紋を画像として読み取り、その情報をパターン化して登録、認証時にも画像として読み取ってからそれをパターン化します。そのパターンに違いがなければ本人確認が取れたと判断することができます。
周波数解析でも指紋を画像として読み取りますが、これをパターン化するのではなく周波数に変換し、その周波数を照らし合わすことで認証をおこなっています。
特徴点抽出方式は、指紋の分岐点や切れ目など、特徴的なポイントを複数記録し、その特徴に違いがないかどうかで認証を行います。
指紋センサーの製品例
指紋センサーの使い方には主に2パターンあります。
面型センサーと呼ばれるタイプでは、センサー部分に指を置いて静止することで読み取りが行われます。
一方線型センサーと呼ばれるタイプでは、センサー部分に指をかざし、なぞるようにして読み取りを行わせます。
下の画像は線型センサーの製品例です。
これはデスクトップPCに使用する製品で、ラフな入力に対応できることで高いユーザビリティを実現しています。
このように、指紋認証を行うセンサーを選ぶ際には読み取りの早さや読み取りのしやすさ、センサー自体の大きさなども考慮し、利便性・コストなどのバランスを考えるようにしましょう。
自宅の玄関に指紋認証センサーを配置し、鍵を使わず安全に出入りができるようにすることもできます。
多くの製品で、複数の指紋が登録でき、自宅の玄関で使用する場合でも家族全員が指紋認証で出入りできるでしょう。鍵がなくても施錠ができるため便利で、鍵を落としてしまうことによる不安もありません。
また、不正な入力を遮断する機能を備えている製品も多く、複数回登録されていない指紋で認証を試みると自動で読み取りを停止するタイプもあります。
PCに装着して手軽に使えるものから入室管理ができるものまで、指紋認証を行うセンサーにも色んなタイプがあります。数万円程度と手軽に手に入れられるものから数十万円以上するものまでありますが、リスクとの兼ね合いなどから、セキュリティ対策として見合ったものを選ぶと良いでしょう。