【ドローン測量】日本製と中国製、どちらがすごいのか

ドローン測定器

地球を測定することを測量といいます。一戸建て住宅を建てるときも測量が必要ですし、測量しなければ道路も橋も港もつくれません。そもそも測量技術がなければ地図をつくることができません。つまりインフラの造設や土木や建築は、すべて測量から始まります。

しかし、伊能忠敬は、1枚の日本地図をつくるために地球1周分に相当する4万キロも歩かなければなりませんでした。つまり測量は、技術がないと「かなり大変な作業」になります。
大変な作業を簡単に終わらせるために今、測量ドローンが活躍しています。
IT先進国でありモノづくり立国である日本と中国の測量ドローンとドローン測量を紹介します。

中国の技術力と日本の立ち位置

測量ドローンの詳細を紹介する前に、ドローン分野での中国の技術力と、日本の立ち位置について確認しておきます。
もし、高い技術力が必要なドローン製造は日本や欧米が強く、中国は廉価版をつくっているだけ、という認識を持っていたとしたらあらためたほうがよいでしょう。
例えば、イギリスの地方警察は2017年にパトロール用ドローンを導入しましたが、中国製を使っています。
また中国の中国航天空気動力技術研究院という組織は、翼が40メートルもあるソーラーパネル付きドローン「彩虹シリーズソーラードローン」を開発し、宇宙空間での飛行テストをしました。この技術はアメリカのNASAと同水準とされています。

一方の日本ですが、総務省によると2018年のドローンを含む産業用無人飛行機・ヘリコプターの国内市場規模は84億円でした。
世界の2018年のドローン市場規模は11億ドルです。1ドル100円とすると、1,100億円になり、84億円はその8%にしかなりません。

【中国】のメッシュキットの実力

まずはライバルを知りましょう。
中国のドローンデータサービス会社「奇志科技」が開発した、測量ドローン「MeshKit(メッシュキット)」を紹介します。

メッシュキットは2018年から土木工事現場で測量に使われています。
土木工事現場では、土地の測量と地形図の作成が重要になります。正確な測量をしないと、搬入する土砂の量を算出できません。必要な土砂の量がわからないと設計プランをつくることも、工事費を見積もることもできません。
従来のRTK測量方法には、1)データの収集に時間がかかる、2)算出したデータを検証することが難しい、3)計算結果が正確でない、という欠点がありました。
中国では人件費の高騰とライバル企業の台頭から、土木事業のデジタル化が急務でした。
そこで奇志科技はメッシュキットを開発したわけです。

RTK測量では、衛星からのデータと、地上に設置した電子基準点の観測データを使います。奇志科技によると、20万平方メートルの土木工事をするとき、RTK測量では4~5日かかりました。しかしメッシュキットによる測量は30分で終了します。コストもRTK測量の20分の1ほどです。

メッシュキットは、ドローンの飛行経路の設定も、実際の飛行も全自動で行います。つまり、作業者は「どこにドローンを飛ばすか」すら考える必要がなく、メッシュキットが地形などから最適な飛行経路を考えます。
ドローンが収集したデータはコンピュータに取り込まれ、それをもとに3Dの地図をつくります。

なぜドローン測量なのか【基礎知識と意義】

日本製のドローンをみる前に、ドローン測量の原理を紹介します。
ドローン測量では、3次元点群データというデータを取ります。ドローンは地上の1点のXYZ軸の情報を測ります。地球上の1点の位置はX軸の数値とY軸の数値とZ軸の数値で表すことができます。
測量ドローンは、気圧計を使って高度を測定したり、GPS(全地球測位システム)やGLONASS(ロシアの測位システム)などの人工衛星から位置データを入手したり、光学カメラやレーザーでデータを取ったりします。
このような1点の位置データを無数に集めて専用のコンピュータ・ソフトで加工すると、地上の一定区域の土の体積を計算したり、3D地図をつくったりすることができます。

ドローン測量の最大のメリットは、地上での測量よりはるかに早く測定できることです。また、人や車両が入ることができないエリアでも、土砂崩れの危険がある場所でも、空からなら簡単かつ安全に測量できます。
さらにドローン測量で得たデータは、ソフトを開発することでさまざまな形に加工することができます。

空撮

【日本】エンルートの測量ドローン

日本代表として、埼玉県の株式会社エンルートの測量ドローンを紹介します。
同社は世界で初めてとなる「標定点」を不要とする「TSトラッキングUAS」という測量ドローンシステムを開発しました。

標定点とは、空中からカメラ撮影するときの目標のようなものです。ドローン撮影する前に多数の標定点を測量対象の地面に配置します。つまり、標定点を配置したり撤去したり作業が発生します。
TSトラッキングUASはそれを不要にするので、手間とコストを削減できます。
TSトラッキングUASには自動追尾機能が搭載されているので、飛行目標である標定点が要らないのです。
さらに自動飛行機能や飛行状態のリアルタイムでのモニタリングなども可能です。

【日本】大幅コストダウンを実現したテラドローン

日本のドローン測量の会社をもう1社紹介します。
東京都渋谷区のテラドローン株式会社は、ドローンによる測量の「価格破壊」を起こしました。
ドローン測量では、空撮写真から3D地図をつくるソフトが45万~120万円、3D地図から断面図をつくるソフトが100万円以上、これらのソフトを動かすコンピュータ(ワークステーション)が50万円、ドローン本体が300万円といったコストがかかります。
総額495万~570万円になります。
テラドローンのドローン測量なら80万円しかかかりません。同社はソフトを簡素化し、ノートパソコンでも動かせるようにしました。

まとめ~日本にこそドローン測量が必要

地上での移動は労力がかかり、衛星は地上からの距離が離れすぎています。ドローン測量は、その両者の欠点を解消します。
地面の測量が必要になるのは造るときだけではありません。近年の日本は大規模自然災害が頻発し、地震や異常気象はこれからも続くでしょう。被害状況を調べるにも、復興計画をつくるにもドローン測量は力強い武器になるはずです。

中古計測器、測定器を売買したい会社様へ

当サイトはAnyble(エニブル)株式会社が運営しております。 法人間で中古計測器、測定器を直接売買できるプラットフォーム【Ekuipp(エクイップ)】を提供しております。 興味がある会社様はまずは資料請求ください。
ライター紹介
ライタープロフィール
アサオカミツヒサ

フリーライター、ライティング事務所office Howardsend代表。北海道大学法学部を卒業後、鉄鋼メーカー、マスコミ、病院広報などを経て2017年独立。取材した分野は、地方政治、地方経済、過疎化、ワーキングプアなど。現在の執筆領域はIoT、AI、産業一般、人事制度、金融、最新抗がん剤、生活習慣病治療など。趣味はクルマとバイクと登山。北海道釧路市在住。

計測器・測定器紹介
Ekuipp(エクイップ) Magazine
タイトルとURLをコピーしました