デジタル式湿度計の種類とそれぞれの特徴について

デジタル湿度計

デジタル式湿度計とアナログ式湿度計とでは、表示形式が異なるだけでなく、その測定原理が異なることから性能にも違いがあります。ここではデジタル式湿度計の種類や測定原理、製品を選ぶ際のポイントについても紹介していきます。

デジタル式湿度計の特徴

多くの湿度計は簡単な構造で構成されておりそれほど高価な製品ばかりではありません。
しかし湿度というものは正確な測定をするのが難しく、ある程度の誤差が生じることも珍しくありません。

例えば一般的な乾湿計は温度計2つを組み合わせた簡単な構造から、気化熱を応用して湿度の測定をしています。しかし測定可能な環境が限られており、通風やガーゼの扱い、値の読み取りにも注意を払いながら行わなければなりません。
バイメタル式湿度計も乾湿計と同じくアナログ式の湿度計です。湿度の違いによってある材料の長さが変化することを利用しています。

アナログ式であっても精度の高い製品はありますが、湿度のデータをさらに利用したい場合などはデジタル式の湿度計を使うことが推奨されます。このほか、デジタル式特有の特徴はいくつかあります。

種類

まずはデジタル式湿度計にどのような種類があるのか見ていきましょう。

多くのデジタル式湿度計は「高分子系湿度センサ」が用いられています。
ほかには「金属酸化物系湿度センサ」、「電解質系湿度センサ」などがあります。

高分子系湿度センサには静電容量の変化から湿度を感知するタイプのものと、電気抵抗の変化から感知するタイプのものとに分かれます。この2つのタイプがデジタル式の主なものとなっています。

デジタル湿度計センサ部

左図:電気抵抗式、右図:静電容量式
(https://www.daiichi-kagaku.co.jp/blog/labo/?p=603

このほか、センサの違い以外の観点から分類すると、据置タイプの湿度計やハンディタイプのもの、データロガーとしての機能を持つタイプなど、測定時の利便や扱い方、形状などの違いで種類分けすることも可能です。

測定原理

多く利用されている高分子系湿度センサを使ったデジタル式湿度計の測定原理について説明していきます。
電気抵抗式・静電容量式のどちらも感湿膜・感湿材で水分を吸湿し、そのことによる電気的性質の変化を用いて測定しています。
感湿膜にはセルロース化合物・ポリビニル化合物・芳香族系ポリマーなどが用いられています。

電気抵抗式では、感湿膜が水分を含むことでイオン電導を引き起こし電気抵抗が低下する性質を利用し、その変化の度合いから湿度の大きさを数値として表示できるように変換されています。

電気抵抗式の主な特徴は以下のようになっています。

  • 構造が単純
  • 安価
  • 大量生産に向いている
  • 取扱いが多い
  • ノイズに強く、そのことによりケーブルの小型化も可能である

ただし温度依存性が大きく、相対湿度の低湿領域(10~20%)での測定が難しいというデメリットがあり、測定環境が限られてしまいます。
また湿度に対する抵抗特性の直線性が悪いため精度に問題がある場合もあるので注意が必要です。

 

これに対し静電容量式では電極間に挟まれた感湿膜の状態によって静電容量、かんたんに言い換えると電気を蓄えられる量が変化します。
その変化量を湿度の大きさに変換してこれを表示させているのです。

静電容量式の主な特徴は以下のようになっています。

  • 応答が早い
  • 温度依存性が小さく幅広い温度での測定が可能
  • 相対湿度の全領域で測定可能
  • 湿度に対する容量特性の直線性が良く、比較的精度の高いものが多い

このように優れた性能を持っていますが、ノイズを受けやすくケーブルにはシールドが必要になります。そのためやや太いケーブルが必要になってしまうというデメリットがあります。

製品の選び方

センサのみを購入しユニットに組み込むことで湿度計を構築することや、メーカーによっては表示部もセットになった湿度計もあります。

下の例はセンサおよびハンディタイプのデジタル湿度計です。

デジタル湿度計センサ例

デジタル湿度計ハンディタイプ

湿度計の選択ではその形状やサイズ、デジタル式かアナログ式か、自動計測や制御が可能なのかどうかといった点も考慮しましょう。
アナログ式でも高価な製品であれば精度の高いものがありますが、反応の遅いものが多く、デジタル式のほうが優れた性能を持ったものが多いです。少しの変化も感知することができ、環境による湿度の変化も素早く確認することができるでしょう。

また、静電容量式や電気抵抗式などはセンサの違いですが、これらの性能だけに着目するのではなく、その後の電気回路についても性能の判断をすることが重要になります。
ノイズ特性やセンサヘッドのサイズ、測定のしやすさなども製品選びの際には確認しておくと良いでしょう。

デジタル式湿度計とアナログ式の違い

デジタル式湿度計はアナログ式に比べて応答の早さや測定したデータの扱いやすさなどに違いがあります。またデジタル式にも電気抵抗の変化をもとに測定するタイプと静電容量から湿度を読み取るタイプなどに分かれます。電気抵抗式は単純構造で安価、これに対し静電容量式では比較的優れた性能を持つといった特徴があります。製品を選ぶ際には測定したい環境や必要な精度、応答の早さ、価格などを考慮すると良いでしょう。

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YuKi

元メーカー勤務の開発員、現フリーランス。Web系エンジニアや気象予報士、ライターなどとして幅広く活動。

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