コイルテスターでコイルの性能チェック!効率的な開発を支援する測定器

コイルテスター

コイルは電気的特性を持つ素子として様々な場面で利用されており、回路等の基本的な構成要素のひとつになります。しかしコイルが原因となり故障、結果的に人体に危険が及ぶこともあります。そこでコイルの状態を検査し、チェックができると不具合を防ぐことができます。コイルテスターはこうした場面でとても役に立つものです。

コイルの性能

コイルとは導線をらせん状に巻いた電気回路部品のことです。らせんの内側にコアを挿入したものも一般的です。

インダクタンスを持つ

コイルは、直流電流はそのまま通すものの、交流電流に関しては抵抗のように働きます。

このときの抵抗は「インダクタンス」として表現され、高周波回路等に組み込むことで、コンデンサと組み合わせてフィルターを構成することも可能です。

巻き数やコアが性能に関係する

コイルの持つ性能は主にインダクタンスで決まってきます。そしてこのインダクタンスはコイルの巻き数、さらにコアの有無およびその材質などが関係してきます。

まず、巻き数については、基本的に巻き数が増えるほどインダクタンスは増加します。
そのため、電子回路等に組み込む場合、巻き数を変化させることで全体としての性能を左右させることもできます。
巻き数に対するインダクタンスの変化は計算によって求めることはできますが、実際に組み込んだ場合には理論上の数値が得られるとも限らず、使用環境にも影響を受けることがあります。
特に高周波回路では導線から電磁波が発せられることから、これを遮断した環境でなければ付近の回路等からの影響を受けてしまいます。そうするとインダクタンスの大きさを厳密に求めることも難しくなってきます。

コア材には金属磁性材料とフェライトがあり、金属磁性材料には温度によるインダクタンスの変化が小さいという利点があります。また磁気飽和も起こりにくいことから定格電流を大きくさせることができるでしょう。

一方、フェライトコアの場合には抵抗値が比較的小さいため渦電流損が少なくて済みます。
そこで渦電流損による発熱などが起こりやすい高周波回路での磁性材料としてよく採用されます。コアを挿入することもインダクタンスを増加させることに影響します。

コイルテスターについて

コイルテスターは巻き数やコア材を変えた際のコイルの性能変化などを調べることができる測定器です。単にインダクタンスを調べられるだけでなく、コロナ放電などから絶縁不良の発見にも役立ちます。

コイルの問題

コイルでよく問題となるのは、レイヤーショート・絶縁不良などです。
絶縁不良があるとコイルとしての機能を果たせなくなるだけでなく、素子の破損、機器全体の破壊や、人体への危険に及ぶ可能性もあります。
コイルが適切な状況で使用できていないと発熱し、素子自身や周辺の素子を溶かすこともあるのです。

コロナ放電とは、本来絶縁されている物体間に電荷が通過することを言います。
これは絶縁された物体間の電圧が上昇することで完全な絶縁ができなくなっている状態です。ただしコロナ放電が起こっていても、放電がごくわずかであれば即座に破壊が行われるわけではありません。長い間この状態が続くことで徐々に絶縁性能が劣化、放電量が増し、破壊につながるのです。
そこで、絶縁評価の試験を行う必要があります。基本的には高電圧を印加し、絶縁破壊した時に流れる電流を検出して良否の判定を行います。しかしこの試験をすることで素子が破壊されることや、劣化を促進する可能性もありますので、印加する電圧には配慮が必要でしょう。

コイルテスターでできること

コイルテスターではインパルスとして高電圧を加え、絶縁不良をコロナ放電によって発見します。このほか、コイルの巻き数やレイヤーショート、断線、コア材の違いを波形から調査します。インパルスとして、短い時間に印加することでできるだけコイルの破壊を起こさないようにしています。
コイルテスターを選ぶ際には、できるだけ試料のダメージが少なくて済むもの、そしてコイルに合った判定方法を採用しているものを選ぶと良いでしょう。
多くの製品は各種コイルやトランス、モータ、ソレノイド等に使用することができます。

特に、近年では部品の小型・薄型化が進んでいるため、利便性は向上しているものの、半導体と併用したスイッチング動作でドライブさせる場合には、そこで生まれるサージによって層間絶縁に予想外の負担がかかってしまうことがあります。
できるだけこうした絶縁不良がないようにし、コイルによる損失も抑えなければなりません。高い品質を提供するためには、コイルテスターなどを用いた厳密な測定を行うことが有効的です。

光洋電子工業株式会社「KL-901/902/902PD/903」シリーズ

コイルテスター製品例1

こちらは巻き線の電気的特性を非破壊方式で能率よく検査するコイル試験装置になります。光洋電子工業株式会社では、チップインダクタのコイル内絶縁試験に特化した別のシリーズも用意されています。それぞれ、印加電圧や印加ステップ、試験インダクタンス範囲などに違いがあります。

SHOEI LAB「model6160」

コイルテスター製品例2

出典:model6160

こちらは特許取得済みの独自インパルス発生機構を備え、コイルの層間耐圧試験ができるコイルテスターになります。微少コロナの検出をすることでコイルの層間耐圧不良および出荷後の不良発生などを予知することができるとされています。

コイルテスターで効率に確認を

コイルの性能確認や絶縁不良は、その検知が難しい状況もあります。そのような状況下では、コイルテスターを用いることで素早くその確認を行うことが効率的だと言えます。
効率的な生産、そして安全に機器を使用できるようにするためにも利用を考えてみてはいかがでしょうか。

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ライタープロフィール
YuKi

元メーカー勤務の開発員、現フリーランス。Web系エンジニアや気象予報士、ライターなどとして幅広く活動。

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