交通量計測を自動化するクラウディアン

交通量計測を自動化するクラウディアン

交通量計測というと、国道の脇の歩道でカウンター片手に自動車の数をかぞえる作業員の様子を思い浮かべるのではないでしょうか。交通量計測のデータは、新しい道路建設や道路修繕の計画をつくるときの重要な資料になります。

しかし人手による交通量計測にはいろいろな欠点があります。そこでクラウディアン(東京都渋谷区)という会社がAI(人工知能)を使って自動で交通量を測る装置を開発しました。

詳しくみてみましょう。

そもそも交通量計測とは

国土交通省は、交通量計測のことを交通量調査と呼んでいます。そして交通量調査は一般交通量調査の3つの調査のひとつで、自動車起終点調査と合わせて道路交通センサスを構成しています。以下のようになります。

道路交通センサス
自動車起終点調査 一般交通量調査
道路状況調査 交通量調査 旅行速度調査

一般交通量調査を行う目的は、道路の交通量と道路の現状を調査して、道路の建設、維持、修繕、管理の基礎資料をつくることです。

交通量調査は、調査対象の道路を「交通量調査単位区間」にわけ、この区間ごとに12時間交通量や24時間交通量を調査します。

この交通量調査の問題点については、国土交通省も「労力や経費が大きいので、交通量が大きく変化した区間について実測を行う」と述べています。コストがネックになっていて、気軽に行える調査ではないのです。
そのためすべての道路を調査できるわけではなく、異変(交通量の大きな変化)が起きたときしか実施できません。
またコストの問題がクリアできたとしても、ある日のある時間(12時間または24時間)しか計測できません。これでは交通量調査の結果は、特定時間内に行った調査結果から推測した推定値にしかなりません。

さらに計測作業員を配置する場所は交通量が多い道路の歩道などになるので、危険が伴います。
いずれにしても交通量調査(計測)は人海戦術では限界がある計測といえます。

計測器

クラウディアンとは

交通量調査(計測)の欠点をAIで解消したクラウディアンは、元々ビッグデータをAIで自動処理することが得意な会社です。
交通量計測の対象となる「道路と自動車」は「長くて大量」にあるのでビッグデータそのものといえます。しかも道路も自動車も日本の経済に深くかかわるので、単なるビッグデータではなく重要なビッグデータといえます。これから自動運転車が公道で実用化されれば、ますます道路と自動車の情報は貴重になるでしょう。
つまり交通量はAIを使って正確に計測する価値が十分にある対象といえ、クラウディアンはそのニーズをビジネスにしたわけです。

AIは交通量をどう計測するのか

クラウディアンのスマートトラフィックは、定点カメラが撮影した動画に映った自動車を次々数えていきます。スマートトラフィックに搭載されたAIはディープラーニング(深層学習)を受けることで動画のなかの「動く四角い箱」を自動車と認識できるようになります。

バスとトラックも見分けることができる

ディープラーニングとは、「AIの授業」のようなものです。教師役のAI技術者(ヒト)がAIに自動車の特徴を教え、AIがそれを学んで自動車の特徴を理解できるようになります。
スマートトラフィックは、大型車と小型車を見分けます。さらに大型車は、バスとトラックを識別することもできます。
十字路の交差点にカメラを設置すれば、交差点に入った自動車が3方向のうちどちらに向かったかまで数えることもできます。

死角に入る前の自動車と死角から出てきた自動車を同一視する

そしてスマートトラフィックには「驚くべき」能力があります。
それは、一度とらえた自動車を見逃さない能力です。

例えば、走行中のトラックの後ろを小型車が追走していたとします。この2台が交通量計測のカメラに近付くと、小型車はトラックの陰に隠れてしまい、カメラは小型車を映せなくなります。そしてトラックが直進して小型車が右折すると、カメラは再び小型車をとらえます。
人間がこの様子を観察していれば、「小型車はトラックの陰に隠れていただけ」と認識できます。しかし一般的な画像認識装置では、消える前の小型車と、トラックの陰から現れた小型車を「別の自動車」と認識してしまいます。

しかしスマートトラフィックは、人間と同じように「後ろの小型車がトラックの死角に入り、それが再び現れた」と認識できるのです。
これは、AIが一度認識した自動車をしばらくの間覚えていることを意味します。またAIは「自動車の後ろを走行している自動車は視界から消えることがある」ことや「自動車の陰に隠れた自動車は再び現れるはず」ということを理解しているのです。
これもディープラーニングの過程で、AI技術者(ヒト)がAIに教えるのです。

交通

まとめ~AIは交通量計測を簡単に正確にする

交通量計測という作業には「同じことの繰り返し」と「独特のコツ」の2つの要素があります。人間は「同じことの繰り返し」は苦手ですが、「独特のコツ」は得意です。一方、コンピュータは「同じことの繰り返し」は得意ですが、「独特のコツ」は苦手です。
ところがAIは「同じことの繰り返し」も「独特のコツ」も得意です。交通量計測にはAIはうってつけの作業といえるでしょう。

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ライター紹介
ライタープロフィール
アサオカミツヒサ

フリーライター、ライティング事務所office Howardsend代表。北海道大学法学部を卒業後、鉄鋼メーカー、マスコミ、病院広報などを経て2017年独立。取材した分野は、地方政治、地方経済、過疎化、ワーキングプアなど。現在の執筆領域はIoT、AI、産業一般、人事制度、金融、最新抗がん剤、生活習慣病治療など。趣味はクルマとバイクと登山。北海道釧路市在住。

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