静電容量センサーで侵入者の検知ができる?測定の仕組みと実用例を紹介

静電容量センサー

センサーと呼ばれる機器は色んな分野において多様に存在しています。
ここでは静電容量センサーについて解説し、どのような測定原理で測定しているのか、またどんな場面で実際に使われているのか紹介していきます。

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静電容量センサーとは

静電容量センサーについて簡単に説明をすると「物体間で変化する静電容量の値からターゲットの検知を行う機器」ということになります。

要はターゲットがそこにあるのかどうか、どんな物体がそこにあるのか、といったことを調べるものになります。

どうやってこの測定ができているのか、以下で説明していきましょう。

静電容量は物質が蓄えることのできる電気的な容量のこと

静電容量センサーの仕組みを理解するためには「静電容量」とは何か、ということを知らなければなりません。

単純な言い方をすると、電気をどれほど蓄えることができるのかを性質を表すものになります。そのため「電気容量」とも呼ばれます。業界によっては「キャパシタンス」という言い方が主流かもしれません。

静電容量は単位電圧当たりの電荷になりますので、静電容量をCとし、電荷をQ、電圧をVとすれば

C=Q/V …(1)

と表せます。つまり、静電容量が大きいと小さな電圧で大きな電荷を蓄えられるということです。

センサーとターゲットで疑似コンデンサを構成して測定

では、この静電容量を物体の検知にどのように利用するのでしょうか。これにはコンデンサの原理を応用しています。コンデンサとは電子回路などに組み込まれる素子のことで、電荷を蓄えたり放出したりする性質を持ちます。2枚の金属板の間に誘電体を挟んだ構造をしており、ここに電圧をかけることで電荷が蓄えられるというものです。

コンデンサーの模式図

そしてコンデンサにおける静電容量はε(イプシロン)を誘電体の比誘電率、Sを金属板の面積、Dを金属板の距離とすると以下の式で表現できます。

C=(ε×S)/D …(2)

εは誘電体の材質等に依存、Sは金属板の面積なので、静電容量が分かれば距離Dが算出できます。

例えば金属板の一方を人の手とし、手と金属板との間の空気を誘電体と見立てれば疑似コンデンサができあがり、静電容量の値さえわかれば距離が測定できることになります。つまりセンサーとして活用できるのです。

静電容量センサーの模式図

ここで式(1)を再び持ち出して式(2)に代入。加えた電圧に対していくら電流が流れたのか測定すれば静電容量もわかります。

静電容量センサーの用途

静電容量センサーの仕組みを簡単に説明しましたが、実際の測定では単に距離がわかるだけではなく、電気的性質をより詳細に解析することで様々な情報を読み取ることができます。例えば液体や粉末などの判別をすることができたり、水位の検出をしたりもできます。水以外のものを対象に測定することも、絶縁体や導電体まで様々な物質を検出することも可能です。特に非接触でこれらの測定ができるというのが大きなメリットと言えるでしょう。このほか優れた性質としては温度や圧力、粉塵等の影響を受けない製品が多いこと、測定時に機器の破壊がないこと、金属板(電極)の形や材質は比較的自由な設計が可能なため色んな環境に合わせたセンサーを作れる、ということでしょう。そこで、具体的にどのような場面で静電容量センサーが活用されているのか見てみましょう。

侵入者の感知

疑似コンデンサの例で、金属板から人の手までの距離が測定できることを説明しました。そこでこの事例を応用させると、ある場所に人が入ってきたことを知らせるシステムを構築することが可能となります。金庫近くの空間の静電容量が感知できるように設定しておくと、そこに人が近づけば静電容量が変化して侵入者が入ったことを知らせる警報が鳴る、といったものなどです。

ダムの水位測定

ダム、もしくは貯水槽などでもかまいません。その内部に電極を立てた場合、水がたまっていないときには電極間には空気しかありません。しかし水がたまってくればコンデンサで言うところの誘電体が徐々に満たされていくことになります。そうすると静電容量の値も変化し、これに対応した解析をすることで水位の状態を知ることができます。

生産ラインでの検品作業

手作りで作られている食品も多くありますが、機械で自動化して大量生産を行っているものも多数存在します。そしてその場合、まれにミスも発生します。あるメーカーでは、本来納豆と一緒にタレがパックされなければならないところ、これを検知するために静電容量技術を応用して解決したという事例があります。それ以前は電子カメラを使用していたものの色合いが似ていたことから判別が難しかったという背景がありました。

静電容量センサーの選び方

静電容量センサーにも様々なタイプがあり、また、オーダーメイドで独自のセンサーシステムを構築するということもあります。使用される場面によってその形状や感度の違い、さらに価格などにも大きな違いが出てくるでしょう。

そのためどんなセンサーを選ぶべきなのかということは一概に言えることではありません。しかし一般に静電容量センサーに対する選び方としては以下の要素に着目すると良いとされています。

  • 形状
  • 動作距離
  • 動作温度範囲
  • 定格使用電流
  • 使用電圧

 

このように、静電容量センサーは用途によって性能や形状なども大きく異なります。いずれも測定原理の根本には静電容量の変動が関係しており、コンデンサの仕組みを応用したセンサーとも言えるでしょう。センサーにも様々な測定原理のものがありますが、従来の方法で上手くいかない場合には静電容量センサーを検討してみてはいかがでしょうか。

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ライター紹介
ライタープロフィール
YuKi

元メーカー勤務の開発員、現フリーランス。Web系エンジニアや気象予報士、ライターなどとして幅広く活動。

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