アスマン式通風乾湿計の特徴と製品の選び方

アスマン式通風乾湿計

乾湿計というものをご存知でしょうか。これは湿度を測定するための測定器ですが、その測定器の中にもいくつか種類があり、代表的なものに「アスマン式通風乾湿計」というものがあります。ここではアスマン式通風乾湿計の特徴や使い方、製品の選び方などを紹介していきます。

乾湿計とは

そもそも乾湿計は湿度を測定することが目的ですが、温度計が組み込まれているため温度も同時に測定することができるようになっています。2本の温度計からなっており、一方の温度計は湿ったガーゼを巻き付けることで濡れた状態になっています。こちらの温度計を湿球と呼び、もう一方の何も手を加えていないほうを乾球と呼びます。

周辺の空気が乾燥していると水分がよく蒸発しますので、その際奪われる気化熱によって湿球の温度が下がります。この温度低下はガーゼからの蒸発具合に対応し、その蒸発のしやすさは湿度によって決まります。そのため、湿球と乾球の温度差が大きいほど湿度が低いということになり、湿気具合が読み取れることになります。具体的な値を知るには、温度差と湿度が対応した換算表を使います。

アスマン式通風乾湿計について

アスマン式通風乾湿計も乾湿計の一種ですので、前項で説明した測定の原理や測定器の構造はほとんど共通しています。名前から分かるように、最も基本的な乾湿計と異なるのは通風しながら測定ができるということです。また、アスマン式の「アスマン」とは、この測定器を開発した人物のことです。1900年前後に活躍したドイツの気象学者・医師で、大気の気温および湿度を正確に測るためにこのアスマン式通風乾湿計を完成させています。

通風させることの意味

乾湿計では気化熱がポイントとなりますので、水分の蒸発が起こらなければなりません。正確な測定や測定時間短縮などの観点から、ある程度の風が必要で、アスマン式通風乾湿計では自然の風に頼るのではなく、送風機を内蔵することで安定した測定ができるようにできています。

室内など、どんな環境で測定をしても送風機の内臓によって風を送り出すことができるという利点があり、送風機の付いていないシンプルな乾湿計に比べて柔軟な測定、そして精度の高い測定結果が得られるようになるでしょう。

アスマン式通風乾湿計の特徴

送風機の駆動方式の違いからアスマン式通風乾湿計をさらに分類することができます。送風機をモーターで駆動させるのか、ゼンマイで駆動させるのかという点です。どちらの駆動方式にしても、電池切れもしくはゼンマイの切れに注意して測定しなければなりません。

また、乾湿計では輻射熱に注意が必要ですが、アスマン式通風乾湿計では輻射熱による影響を防ぐためクロムメッキで保護されています。輻射熱とは遠赤外線の熱線によって伝わる熱のことであり、高温物体の近くにいることで空気などの媒体の存在に関係なく影響を受けます。そのため温度の高い物体が近くにあると局所的に温度変化が生まれて正しい測定ができなくなります。これを断熱された状態にすることで輻射熱の影響を小さくし、そのことにより様々な環境での測定ができるようになっています。

例えば乾湿計は気象観測で多く利用されていましたが、アスマン式通風乾湿計であればこのほか環境衛生やビル管理の空調関係、さらに毛髪湿度計や露点計などのチェックにも使うことができます。

測定の方法

実際に湿度を測定するには、まずアスマン式通風乾湿計を測定したい地点に吊るします。ここで計器の高さに注意しましょう。一般的には1.5mが良いとされています。ただし読み取りのしやすさなども考慮し目の高さに調節してもかまいません。素早く読み取ることも大切になるからです。また、近くに壁や電柱など、熱容量の大きなものがないことを確認しましょう。断熱処置をしているといってもまったく熱の影響を受けなくなるわけではありませんので、できるだけ周囲の空間には配慮します。

続いてモーター式なら電源を投入、ゼンマイ式であればゼンマイを巻きましょう。そしてガーゼをスポイトで湿らせます。

あとは測定結果が現れるまで3分程度かかりますので計器から離れて待機します。その後1分程度値に変化がなければ素早く読み取ります。素早く読み取らなければ顔や呼気の影響を受けるだけでなく、湿球の水分が不足してくることもありますので、そうなると再度水分補給をして待機しなければなりません。

測定器の選び方

下図左がモーター駆動、右がゼンマイ式です。このような見た目をしています。

製品例1アスマン式通風乾湿計

また、下図が別メーカーのものになります。2つの温度計が備わっているなど、基本的な構造は同じです。

製品例2アスマン式通風乾湿計

アスマン式でない、シンプルな乾湿計だと1000円程度からでも購入ができますが、こちらはやや高価になります。例に挙げた製品の価格はそれぞれ5万円以上となっており、製品によっては10万円以上することもあります。

アスマン式通風乾湿計の選び方としては、まず動力部がモーターなのかゼンマイなのかというところ、そして測定可能な範囲が何度から何度までなのか、最小目盛りがいくらなのか、大きさや重さはどの程度か、というところに着目します。

あとは操作性の良さも重要で、ガーゼ交換が簡単であるものや水分補給の頻度、送風機の連続駆動時間などもチェックします。

最近では水銀レスの考え方が推されているため、水銀温度計の代わりにアルコール温度計を使用しているものもあります。

使い勝手の良さを取るのか、精度の良さを取るのか、価格とのバランスも考慮しながらアスマン式通風乾湿計を選ぶと良いでしょう。

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ライター紹介
ライタープロフィール
YuKi

元メーカー勤務の開発員、現フリーランス。Web系エンジニアや気象予報士、ライターなどとして幅広く活動。

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