【工作機械】研削盤ってどんな機械? 種類や加工の種類を知っておこう!

研削盤とはどんな機械なのでしょうか?
今回の記事では、研削盤の基本的な定義からその種類まで概要をまとめていきます。

研削盤は、高速で回転する砥石(といし)に加工ワーク素材を少しずつ押し当てることで、表面を削り取っていく機械です。フライス盤や旋削機械と比較すると、加工時間が長いものの、精度が 1ミクロン(1/1000mm)とレベルが高く、金属の表面を加工することが可能です。
また、超硬合金などの削りにくい材質や、半導体などの特殊素材であっても、研削盤の砥石なら難なく加工することができます。
精密研削なら0.1ミクロンの精度で金属表面を鏡面仕上げに加工することもできます。

研削盤の種類

研削盤はどのように分類できるのでしょうか?
大きく分けると、①円筒研削盤、②内面研削盤、③平面研削盤に分けられます。

円筒研削盤
画像引用元: https://em.ten-navi.com/dictionary/1110/

まず、 ①の円筒研削盤は円筒素材の外側を削る機械です。回転する砥石で円筒素材の外周を削ることができます。素材が砥石と反対方向に回転する特徴があります。砥石は上下に動き、素材が左右に移動する仕組みになっています。

次に②の内面研削盤は円筒素材の内側を削る機械です。
素材が固定された状態で、回転のみ作動し、砥石の主軸が左右に移動することで内面が研削されます。

最後に③平面研削盤機械は平らな平面を削る機械になります。素材が前後、左右、そして上下にも移動して回転砥石に近づいて加工を行うものになります。(※機種により、砥石が上下移動するものもあります)。実は、研削盤の中で最もポピュラーなタイプがこの平面研削盤です。

その他の分類

NC研削盤
NC研削盤は、汎用研削盤にNC(数値制御)装置を取り付けたタイプの機械です。
プログラミングされた順序に従い、自動的に加工が行われます。
コンピュータを使ってCNC制御する機会が近年主流となっています。

成形研削盤
平面研削盤にドレッサーという砥石を削る装置を付属させた機械を成形研削盤と呼びます。ドレッシング(精密に削る技術)で溝加工を可能にしたものです。ダイヤモンドなどの超硬度材料がドレッシングに用いられています。

センタレス研削盤
円筒形の素材で、外周を研削する場合にはセンタレス研削盤というものを使います。
円筒研削盤とは異なり、センタレス研削盤では中心を支えず、砥石と調整砥石の間に素材をセットします。外周全体を研削できるため、より真円に近く加工できます。

工具研削盤
エンドミルやドリル、フライスカッターなど、使い古した工具を再度研削する機械が工具研削盤です。
再研削だけでなく、工具の製造にも使用可能です。

工具研削盤は、加工する工具に合わせる形で、さまざまな専用機械があります。
例えば、ドリルのみに特化した研削盤はドリル研削盤と呼ばれます。

このほかにも、
バイト研削盤、フライス研削盤、ホブ研削盤、ブローチ研削盤、エンドミル研削盤が工具研削盤の具体的な種類となります。

研削盤の構成(砥石の構造)

砥石は、砥粒を結合剤で固めたものです。
切削加工で用いる刃物の部分に該当し、砥粒の一粒一粒が、少しずつ対象素材を削っていきます。

砥粒の材質は非常に硬く、難加工材も削ることが可能なのです。
砥石の大きな特徴として、自生作用※を持つことから、ドリル工具のような「研ぎ直し」が必要となりません。つまり、連続して長時間の加工ができるのです。

※自生作用とは、砥粒が摩耗してそぎ落とされても、新しく砥粒を次々と出すことができる現象です。

研削盤に欠かせないのが、研削砥石と呼ばれる工具です。研削砥石は、砥粒、結合剤、気孔と呼ばれる3つの要素からできていています。
刃物に相当するのが「砥粒」。摩耗すると自然と脱落し、新しい砥粒が表面に出てくる特徴があります。
砥粒や結合剤、気孔の役割は下記の通りです。
 「砥粒(とりゅう)」:対象物を削る役割。
 「結合剤」:砥粒を結合して、砥石の性能を調整。
 「気孔」:切り屑を排出し砥石の発熱を抑えたり、目詰まりを予防する。

砥粒や結合剤の状態や不具合により、加工中たちまち不良につながる可能性が高いため、適切に研削砥石を選定すすることは大変重要です。

砥粒の種類
対象素材を削るための細かな粒子が砥粒です。金属などを削るために、硬い材質で作られています。
一般的な研削に使われる砥粒の材質は、アルミナ(酸化アルミニウム)や、炭化ケイ素があります。
アルミナは硬度や耐熱性が安定しており、鉄鋼などで多く使われています。炭化ケイ素は、非鉄金属に使われます。アルミニウム合金や銅合金などの加工に向いています。

対して、超砥粒ホイールという、難加工材に使われる非常に硬い砥粒もあります。
セラミックや非鉄金属などの加工や、成形研削にも使用されています。超砥粒の砥石は内面研磨のホーニング加工にも用いられます。
ダイヤモンドを用いた「ダイヤモンド砥粒」が代表的ですが、発熱に弱く、鉄と化学反応を起こすため、鉄鋼には向きません。

代わりに、鉄鋼にも使用できるものとして、ダイヤモンド決勝に似せて作られた人工物による砥粒があります。CBN砥粒(立方晶窒化ホウ素)というものになりますが、ダイヤモンドに準じるような高い硬度があり、発熱にも強いものになります。アルミニウム合金や銅合金などの対象素材にも使用可能です。

結合剤
結合剤にもいくつかの種類があります。砥粒と砥粒を固める大事なボンドの役割があり、大きく分けて3つ、セラミックス・樹脂・金属のものがあります。
– ビトリファイド…セラミック系のボンド。砥粒同士の結合が強く、さまざまなジャンルの精密研削に適します。
– レジノイド…樹脂系のボンドになります砥粒同士の結合が比較的緩く、弾力性もあるため、研削から仕上げまで対応可能です。
– メタル…ブロンズなどの金属系のボンド。砥粒同士の結合が非常に強く、粗研削や切断などに向いています。耐久性も高く、精密研削でも高い精度を発揮できます。

気孔
砥粒と結合剤の間にできる小さな穴が気孔です。ここから切粉が排出されることで、目詰まりを防ぐほか、研削中の砥石の発熱を抑える役割もあります。

研削加工の種類

研削加工の種類
画像引用元:日本工作機械工業会サイトより
https://www.jmtba.or.jp/machine/introduction

内面研削
回転する砥石で円筒素材の内側を削る加工です。
内面検索では、素材は固定されており、回転のみ行うため、
砥石の主軸が左右に移動することで内面が研削されていきます。
内面研削盤やジグ研削盤を用います。

平面研削
平らな面を削る加工がを平面研削です。
上下に動く砥石に対し、素材が左右前後に移動していきます。
この加工に用いられるのは平面研削盤や成形研削盤となります。

円筒研削
円筒素材の外周を回転する砥石で削る加工です。
砥石と反対方向に素材が回転します。
上下に動く砥石に対して、素材は左右に移動します。
円筒研削盤のほか、センタレス研削盤を用いて加工ができます。

上記の3つが代表的な加工になりますが、このほかにも特殊な研削加工があります。

ELID研削
エリッド研削は半導体ウエハーやセラミックスといったの「難加工材」を鏡面加工するための方法になります。砥石と砥石受けに電極を設置し、パルス電流を流すことによって、結合剤が電気分解されて新しい砥石面が作られるという仕組みです。
常時、新しい砥石面を使って研削できるため、精度が高い鏡面加工が期待できます。
電極を設置できない環境においては、化学薬品を用いて研磨を行う化学研削や化学研磨といった方法も行われているようです。

研削切断
素材の高速切断に使われる技術には、研削切断と言われるものがあります。
半導体シリコンや磁気ディスク用ウエハー、クオーツ時計の水晶やLEDに使われているサファイヤ原料など、硬さともろさのある素材を、高い制度で切断することができる方法です。
ノコ盤や金切り盤では難易度が高いこれらの素材の切断が求められる電子産業では、重要かつ必要度の高い加工になります。

研削加工の注意点

研削加工は、難削材の加工であったり、高精度な加工ができるといった、多数のメリットがありますが、逆に留意しておきたいポイントもあります。
研削盤を使用するにあたっては、事前に注意事項を認識しておきましょう。

注意① 砥石の形状を保ち、整えることが必要
研削砥石は長く使い続けると形状が崩れることがあります。崩れた砥石を修正する“ツルーイング”であったり、目つぶれなどにより切れ味が低下したものを直す“ドレッシング”といった、ケースに応じた各々の調整作業が必要になります。

注意②加工時間について認識しておく
研削加工は、加工が非常に高精度であるゆえに、対象物を少しずつ削り取っていく過程で、比較的時間がかかる加工技術になります。切削機械を使用した後の、仕上げ加工として研削盤を導入するなど、場合に応じた選択肢を検討するといいでしょう。
また、砥石が高速で回転する機械であることから、加工時に温度の上昇してしまうというデメリットも挙げられます。割れなどにつながることも考えられるため、加工中の冷却作業も実施しなければなりません。

まとめ

今回は、工作機械の研削盤についてまとめました。
高速回転する砥石で素材を研削していく研削盤。研削加工は、フライス盤や旋盤などを用いた切削加工と同様の、除去加工法による加工になります。

研削加工は少しずつ加工するために比較的時間がかかることや、砥石の摩耗も激しいことから、重切削などには向かないとされています。
しかしながら、仕上がり精度が高いことから、切削加工後の仕上げとして活用されています。

多種多様な工作機械がある中で、加工の用途目的に沿って、機械を使い分けし、補完しあって加工を進めることが有効です。そのためにも、それぞれの工作機械の強みや得意領域をしっかりと把握することが大事です。加えて、使用機会を見据えて、操作手順、加工方法について十分確認しておくことをお勧めいたします。

 

 

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ライター紹介
ライタープロフィール
Curumi

京都大学文学部卒、企業の人事部や編集部を経て現在は在宅でライティングを中心に活動。企業広告やファッション等さまざまなジャンルに取り組んでおります。関西在住、小学生男子育児に日々奮闘中です。

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