テクトロニクス:ファンクションジェネレーター AFG31000シリーズ

データシート

AFG31000シリーズ概要

テクトロニクスのAFG31000シリーズは、任意波形生成機能、リアルタイム波形モニタ機能、業界最大のタッチスクリーンを装備した、高性能AFG(任意波形/ファンクション・ジェネレータ)です。高度な波形生成/プログラミング機能や波形検証機能に加えて、最新のタッチスクリーン・インタフェースを備えた新しいAFG31000シリーズは、すべての研究者/エンジニアの作業を簡素化し、より快適にします。

主な性能仕様

・1または2チャンネルの機種
・出力振幅レンジ:1mVP-P~10VP-P(50Ω負荷)
・ベーシック(AFG)モード:
正弦波:25MHz、50MHz、100MHz、150MHz、250MHz
サンプル・レート:250MS/s、1GS/s、2GS/s
垂直分解能:14ビット
内蔵波形:正弦波、方形波、ランプ、パルス、ノイズ、使用頻度の高いその他の波形
スイープ/バースト/変調モード(AM、FM、PM、FSK、PWM)
・アドバンス(シーケンス)・モード:
連続モード(シーケンス、トリガ、ゲート・モード、オプション)
任意波形メモリ長:16Mポイント/ch(オプションで128Mポイント)
最大256ステップのシーケンス・モード(ループ、ジャンプ、イベント待機)
可変サンプリング・クロック(1µS/s~2GS/s)

主な特長

・当社特許のInstaView™テクノロジにより、DUT(被測定デバイス)での実際の波形をリアルタイムに観測できるため、オシロスコープやプローブが不要になるだけでなく、インピーダンスの不一致による不確実さが解消される
・シーケンス・オプションにより、最大256ステップの長い複雑な波形のプログラムが可能
・スマートホンのような操作性を実現した9型静電容量式タッチ・スクリーンを装備し、使用頻度の高い設定にすばやくアクセスできるショート・カットも提供
・内蔵のArbBuilderにより、機器本体で任意波形を作成/編集できるため、PCとの接続が不要
・機器損傷防止のための過電圧/過電流保護機能を備えた出力端子
・TekBench™ソフトウェアに対応しており、セットアップ/制御/テスト結果の解析など、学生による実習を支援する機能を装備

アプリケーション

・先端研究
・クロックとシステムの同期
・オシロスコープなどで取込んだ実際の信号の再現出力
・コンポーネントや回路の特性評価、検証
・組込み機器の設計、テスト
・汎用の信号生成

ベーシック・モードとアドバンス・モード

AFG31000シリーズは、フル機能のベーシック(AFG)モードとアドバンス(シーケンス)モードを備えた、業界初の任意波形/ファンクション・ジェネレータです。

ベーシック・モードでは、従来からの任意/ファンクション波形を生成します。タッチスクリーンと前面パネルの操作部で簡単にセットアップできます。

ベーシック・モードでは、波形長やサンプル・レートを気にすることなく周波数を変更できます。この機能は、アナログ設計におけるフィルタ/増幅器の周波数応答の特性評価や、クロック・レートが頻繁に変化するデジタル設計などで特に役に立ちます。
図1
主要な設定項目を一目で把握でき、タッチスクリーンや数値キーパッド、汎用ノブなどを使用して簡単に調整できます

AFG31000シリーズでは、さらに複雑なタイミングを持つ複数の波形をプログラムできる、アドバンス・モードも提供しています。このモードでは、1~256のリスト(またはシーケンス)波形(最大16Mポイント/ch、オプションで128Mポイント/ch)が生成でき、これらの波形を出力するシーケンスを定義できます。繰返し、Go To、待機、ジャンプ、トリガ・イベントといった機能もすべてサポートされており、ロング・メモリを装備しているため、数多くの波形、長い波形も格納できます。

この機能は、数多くのテスト・ケースを連続して実行しなければならないアプリケーションで真価を発揮します。テスト・ケースを1つずつ読込む代わりに、シーケンスを作成して一度に読込みます。テスト・ケースを切り替えながら中断なく実行できるため、テスト効率が向上します。

図2
アドバンス・モードでは、柔軟性に優れたステップ制御により、複雑な波形の構築が可能です

図3
異なる周波数と振幅を持つ正弦波で構成されたシーケンス

さらに、アドバンス・モードでは可変サンプル・レートが利用できます。サンプル・レートに同期しながら、波形を構成するそれぞれのサンプルが、サイクルごとに1回だけ出力されます。スキップや繰返しがないため、波形は細部まで忠実に再現されます。この機能は、IQ変調やパルス列の生成など、きわめて高い信号品質が求められるアプリケーションに最適です。

DUTでの実際の波形を表示するInstaView™テクノロジ

ほとんどの波形ジェネレータは、50Ωのインピーダンスを駆動する前提で設計されています。しかし、ほとんどのDUTのインピーダンスが50Ωという訳ではありません。こうした不一致が存在すると、AFGで設定された波形とDUTでの信号に不整合が生じます。

図4
InstaViewをオフにした状態では、AFG31000シリーズは通常の任意波形/ファンクション・ジェネレータと同じように動作します。インピーダンスが一致していないため、DUTで観測されたものと異なる波形がAFGに表示されています。

当社特許のInstaView ™テクノロジにより、AFG31000シリーズでは、AFG側で設定された公称波形ではなく、DUTでの実際の波形が表示されます。DUT端で周波数、振幅、波形形状、インピーダンスなどに変化があれば、AFGに表示される波形も直ちに反映されます。InstaViewによってインピーダンスの不一致により発生する不確実さや測定のリスクが解消され、ケーブルや機器などを追加する手間も省けます

図5
InstaViewをオンにすると、DUTで観測される実際の波形がAFG31000シリーズに表示されます

大型タッチ・スクリーンとスマート・ユーザ・インタフェース

広い画面の9型静電容量式タッチ・スクリーンを装備しており、関連するすべての設定やパラメータが1つの画面に表示されます。スマート・デバイスと同様に、タッチやスワイプによって設定やパラメータを簡単に選択、ブラウズ、検索、変更できます。使用頻度の高い機能にすばやくアクセスできる機能も備えています。ボタンや汎用ノブなど、従来から慣れ親しんだ操作部もご使用いただけます。

図6
スワイプアップ・メニューから使用頻度の高い設定にすばやくアクセスできます

任意波形の作成/編集を飛躍的に容易にする内蔵ArbBuilderツール

従来、任意波形を作成、編集するには、PCで波形編集ソフトウェアを使用する必要がありました。さらに、USBまたはデータ・ケーブルを使用してAFGに波形をダウンロードしなければなりませんでした。特に、波形を頻繁に変更しなければならない場合には、これは時間と手間のかかる作業でした。

AFG31000シリーズの内蔵アプリケーションであるArbBuilderを使用すれば、ジェネレータ上で任意波形を直接作成し、編集できます。数式エディタ・ツールを使用して任意波形を作成することも、または標準で提供されているテンプレート・ライブラリを元に作成することもできます。大型静電容量式タッチ・スクリーンを装備しており、ドラッグ/ピンチ/ズーム操作で波形の細部まで詳細に確認できます。

CSVフォーマットのデータ・ファイルをUSBメモリを使用して直接ArbBuilderに読み込めるため、オシロスコープで取り込んだ実際の波形や、サードパーティのソフトウェアで作成した波形もすばやく取り込めます。

図7
使いやすいタッチ・スクリーン・インタフェースを使用した任意波形の作成

複数台の同期運転の簡素化

ほとんどのアプリケーションでは1つまたは2つのチャンネル使用で済みますが、一部のアプリケーションではさらに多くのチャンネルが必要になります。たとえば、三相システムの信号をシミュレートするには、各相の電圧と電流をそれぞれ再現するために3台の2チャンネル・ジェネレータを同期させる必要があります。AFGユニット同士を接続するために多くのケーブルが必要であり、またそれぞれの機器で深い階層にあるメニュー項目を設定しなければならないなど、セットアップに時間がかかっていました。

AFG31000シリーズでは、オンスクリーン・ウィザードを利用できるため、そうした作業が簡素化されます。ウィザードの指示に従うだけで、複数のジェネレータを同期させるための接続や設定が簡単に行えます。

図8
スクリーン・ウィザードの指示に従うだけで複数機器の同期を簡単にセットアップできます

アップグレード可能なため投資を保護

AFG31000シリーズには、周波数帯域、メモリ長、シーケンス・モードなど、さまざまなアップグレード・オプションが用意されています。これらのオプションは購入時に選択していただけるほか、別途購入していただくこともできます。アップグレードできるため、少ない費用で導入していただけます。テストの要件が変化しても、アップグレード・ソフトウェア・ライセンスを購入し、インストールすることで、機能や性能を拡張できるので安心です。アップグレードにより、効率的な投資で機器を最大限に活用していただけます。