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概要
MF2400Cシリーズは下の3機種をラインアップしています。
- MF2412C(20GHz)
- MF2413C(27GHz)
- MF2414C(40GHz)
移動通信用デバイスや回路を評価するのに欠かせない、バースト信号のキャリア周波数やパルス幅が測定可能。測定結果をVFD表示器(蛍光表示管)に12桁で表示するほか、アナログ表示機能により周波数値を視覚的に判断でき、各種発振器の周波数調整などにも威力を発揮します。
さらにテンプレート機能により測定結果が上限・下限周波数の規格内に入っているかを判定し、背面コネクタから判定結果を出力することもできます。
標準装備のGPIBと組み合わせて、手軽に自動試験機を構成できるでしょう。
主な機能
広帯域測定
上限周波数が異なる3機種がありますので、使用目的に合わせて選ぶことができます。
- 20GHz
- 27GHz
- 40GHz
また、過大な信号から入力回路を保護する高周波ヒューズホルダとヒューズ素子、各種コネクタに適合する変換アダプタも取り揃えています。
高精度バースト測定
Input 1から入力した100ns~0.1sのバースト信号は、キャリア周波数・バースト幅・バーストの繰り返し時間を高速で測定できます。
アナログ表示機能
VFD表示器の全体をアナログメータにし、測定値に相当する位置に針を表示できます。
測定周波数の変動を把握できるほか、従来は何桁もの数値データを読み取っていた発振器の周波数調整や規格判定が素早く行えます。
また、逐次変化する周波数値の読み取り違いを解消することもできます。
テンプレート機能
あらかじめ上限値と下限値の周波数範囲を設定しておくと、測定した周波数値が範囲内ならGo、範囲外ならNo-goと表示します。
また、AUXコネクタ(背面パネル)からGo/No-go信号を取り出し、判定結果をTTLレベルで出力できます。
デバイスの良品判別など自動試験機を容易に構築できるようにます(アナログ表示画面を使用)。
高速トランジェント測定
周波数カウンタには、測定していない時間(サンプルレート:計数休止時間)があり、その間に発生した急激な周波数変化を測定できないという欠点がありました。
しかし、MF2400Cシリーズでは、最大10μsの高速で周波数変化を捕らえ、最大2000ポイント分の測定結果を記憶できます。
記憶したデータは、GPIBによりホストコンピュータで読み出すことができます。VCOの起動特性やPLLのロック時間測定に有効です。
ゲーティング機能
バースト信号の測定では、バースト信号の始まり・中央・終わりの区間でキャリア周波数が異なることがあります。
MF2400Cシリーズは、ゲーティング機能とトリガディレイを組み合わせて、バースト信号の任意の位置(トリガ信号の立上りからの遅延時間)と任意の時間(ゲート時間)を指定すると、その区間のキャリア信号周波数を測定できます。
高安定な基準水晶を標準装備
従来機(MF2400Bシリーズ)ではオプションであった高安定水晶発振器を標準装備しています。オプションに投資することなく、従来よりも1桁安定した測定ができるようになります。
セーブ / リコール機能
内蔵メモリに最大10個までセットアップを保存し、自由に呼び出せます。
バーストのトリガやゲート設定などの複雑なセットアップをあらかじめ保存しておき、必要なときにすぐ呼び出せます。
測定時の設定時間を短縮したり、設定違いによる誤測定を防止することもできます。
パネルレイアウト
①VFD表示器(256×64ドット):
256 × 64ドットのVFD表示器(蛍光表示管)です。自己発光方式のためLCDと比較して視認性に優れています。測定結果のほか各種パラメータの設定値も表示します。
②Sample Rate:
測定の休止時間が設定できます。
③Resolution:
通常の測定時は、「<」と「>」のキーで周波数測定の分解能を切り替えます。パラメータの設定時も、「<」と「>」のキーで設定項目を選び、Enterキーで確定します。
④Menu:
周波数、レベル、バーストなどの測定機能を設定します。
自動的にパラメータの設定状態に移行し数値や単位キーになります。
⑤Preset:
キーを押すと各パラメータが初期状態に戻ります。
⑥Hold、Restart:
Holdキーは測定値をそのまま保持するときに使用します。Holdがオンのときランプが点灯します。
Restartキーは測定の開始キーです。HoldがオンのときにRestart キーを押すと再度測定し、そのデータをそのまま保持します。
⑦Frequency Acquisition:
Input 1の周波数測定時に使用します。
Auto(自動)のときは全範囲の周波数帯域にわたり規定レベル以上の信号を周波数測定します。
Manua(l 手動)のときはあらかじめ設定した周波数を中心として入力許容範囲内の周波数を測定します。
⑧Meas Mode:
Burstのときは、バースト信号の幅、周期、キャリア周波数の測定ができます。連続波の測定はCWにして使用します。
⑨Return to Meas:
パラメータを設定した後、通常の測定状態(測定画面)に戻すときに使用します。
⑩Ext Trig Input:
外部からのタイミングで周波数測定ができます。
⑪AUX Output:
設定した測定機能・パラメータの制御信号を出力します。
⑫Reference Input:
外部から基準クロック(1、2、5、10MHz)を入力するときに使用します。
⑬Reference Output:
基準クロックを外部に出力します。
⑭GPIBコネクタ:
GPIBケーブルを接続します。
規格
MF2400Cシリーズ マイクロ波フリケンシカウンタ
入力 | 周波数範囲 |
Input 1 MF2412C:600MHz~20GHz MF2413C:600MHz~27GHz MF2414C:600MHz~40GHz Input 2 10MHz~1GHz(50Ω)、10Hz~10MHz(1MΩ) |
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入力レベル範囲(正弦波入力) |
Input 1 -33~10dBm(<12.4GHz)、-28~10dBm(<20GHz)、 -25~10dBm(<27GHz)、-44.6 + 0.741 × 周波数(GHz)~10dBm(≦40GHz) Input 2 25mVrms~2Vrms(50Ω)、25mVrms~10Vrms(1MΩ) |
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インピーダンス、結合 |
Input 1:50Ω、AC結合 Input 2:50Ωまたは1MΩ(≦35pF)、AC結合 |
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コネクタ |
Input 1 MF2412C:Nタイプ、MF2413C:SMAタイプ、MF2414C:Kタイプ Input 2:BNCタイプ |
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ゲーティング機能 | トリガモード |
Int:被測定信号を使ってトリガ Ext:外 部トリガを使ってトリガ *ト リガレベル範囲:1.5V ±(2~10Vp-p)、トリガパルス幅:≧1µs、インピーダンス:≧100Ω、結合:DC LINE:ACライン信号を使ってトリガ |
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トリガディレイ | 20ns~0.1s 、オフ
(≦320nsは20nsステップ、<1µsは40nsステップで可変、≧1µsは有効桁2桁で連続可変) |
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ゲート幅 | 100ns~0.1s(<1µsは20nsステップで可変、≧1µsは有効桁2桁で連続可変) | |||||||||||||||||
パルス変調波測定 | 周波数範囲 |
MF2412C:600MHz~20GHz MF2413C:600MHz~27GHz MF2414C:600MHz~40GHz |
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パルス幅 | 100ns~0.1s(NARROW)、1µs~0.1s(WIDE) | |||||||||||||||||
パルス繰り返し周期 | 340ns~0.1s(休止時間: ≧240ns) | |||||||||||||||||
キャリア周波数測定 |
最高分解能: 1kHz(パルス幅:100ns~1µsのとき)、100Hz(パルス幅:1~10µsのとき)、 10Hz(パルス幅:10~100µsのとき)、1Hz(パルス幅:100µs~1msのとき)、 0.1Hz(パルス幅:1~100msのとき) 測定時間:(TまたはTsの大きい方)×{1(/ fR × TGW)}2 *3
*測定キャリア周波数=1GHz、T=2/fR*3、TGW=0.1/fR*3としたときの測定時間例確度:±2カウント ±基準信号確度 × 測定周波数 ±トリガ誤差 ±残留誤差*5 |
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パルス幅測定 |
分解能:1ns 確度:±20ns ±基準信号確度 × 測定パルス幅 ±トリガ誤差(時間) 単位表示:µs(固定表示) |
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パルス周期測定 |
分解能:1ns 確度:±20ns ±基準信号確度 × 測定周期 ±トリガ誤差(時間) 単位表示:µs(固定表示) |
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CW波周波数測定 | 分解能、測定時間 |
Input 1 NORMAL:1MHz/1µs~0.1Hz/10s FAST:1MHz/0.18µs~0.1Hz/1.8s(代表値) Input 2 10MHz~1GHz(50Ω):1MHz/1µs~0.1Hz/10s 10Hz~10MHz(1MΩ):1MHz~0.001Hz 測定時間は右図のとおり |
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測定確度 |
Input 1 NORMAL:±1カウント ±基準信号確度 × 測定周波数 ±残留誤差*4 FAST:±1カウント ±基準信号確度 × 測定周波数 ±トリガ誤差 ±残留誤差*5 Input 2 10MHz~1GHz:±1カウント ±基準信号確度 × 測定周波数 10Hz~10MHz:±1カウント ±基準信号確度 × 測定周波数 ±トリガ誤差 |
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オート/マニュアル測定 |
オート FMトレランス:35MHzp-p、捕獲時間:≦50ms マニュアル(CW測定) 入力許容範囲:±30MHz(600MHz~1GHz)、±40MHz(≧1GHz) 捕獲時間:≦15ms マニュアル(BURST測定) 入力許容範囲: ±30MHz(600MHz~1GHz、パルス幅モード:WIDE) ±20MHz(≧1GHz、パルス幅モード:NARROW) ±40MHz(≧1GHz、パルス幅モード:WIDE) 捕獲時間:≦15ms |
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機能 |
テンプレート:周波数の上限・下限を入力、測定値をGo/No-go判定 周波数オフセット:+オフセット、-オフセット、ppm 統計処理:平均、最大、最小、p-p セーブ/リコール:内蔵メモリに最大10個 |
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AUX出力 | Go/No-go、カウントエンド、入力レベル検出、内部ゲート、リスタート、捕獲信号を出力 | |||||||||||||||||
サンプルレート | 1ms~10s(1-2-5ステップ)、ホールド | |||||||||||||||||
高速サンプル周期/周波数分解能 |
Input 1:10µs/10kHz、100µs/1kHz、1ms/100Hz Input 2: 10µs/100kHz、100µs/10kHz、1ms/1kHz (測定周波数100MHz) |
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メモリバックアップ | 電源断時の設定状態をバックアップメモリに記憶 | |||||||||||||||||
表示 |
表示桁数:12桁および1桁(-符号) 表示方式:256 × 64ドットVFD |
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基準発振器安定度 |
周波数:10MHz 起動特性:±5 × 10-8/10分エージングレート:±5 × 10-9/日、±8 × 10-8/年(電源投入から24時間動作以降) 温度特性:±5 × 10-(8 0~50℃) |
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外部基準入力 | 1、2、5、10MHz、入力電圧:1~5Vp-p(AC結合)、入力インピーダンス:≧1kΩ | |||||||||||||||||
外部基準出力 | 1、2、5、10MHz*6、出力電圧:≧2Vp-p(開放端、AC結合)、出力インピーダンス:≦400Ω | |||||||||||||||||
外部制御 |
GPIB(IEEE488.2標準コマンドに対応) インタフェース機能:SH1、AH1、T6、L4、SR1、RL1、PP0、DC1、DT1、C0、E2 |
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電源 | 100~120V/200~240V(自動切換)、50~60Hz、起動時≦90VA、定常時≦80VA | |||||||||||||||||
温度範囲 | 0~50℃ | |||||||||||||||||
寸法・質量 | 213(W)× 88(H)× 350(D)mm、≦5kg | |||||||||||||||||
EMC |
EN61326 EN61000-3-2 |
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LVD | EN61010-1 |
*1 トリガ検出からカウント開始までの遅延時間
*2 MANUAL測定モード
*3 fR:周波数分解能、TGW:ゲート幅、Ts:処理時間(50µs)、T:パルス繰返し周期
*4 測定周波数(GHz)/10カウント(rms)(例えば5GHz測定の場合:5/10=0.5カウント(rms))
*5 測定周波数(GHz)/2カウント(rms)(例えば5GHz測定の場合:5/2=2.5カウント(rms))
*6 内部基準信号を使用時は10MHz、外部基準信号を使用時はその信号(1/2/5/10MHz)に準じた信号を出力
オプション:水晶発振器
オプション番号 | MF2412C-003、MF2413C-003、MF2414C-003 |
周波数 | 10MHz |
エージングレート |
±5 × 10-10/日、±2 × 10-8/年 電源投入から72時間後の周波数を基準 |
温度特性 |
±5 × 10-9 -10~+60℃(25℃を基準) |
オーダリング・インフォメーション
本体、標準付属品、オプションに関して
形名・記号 | 品 名 |
MF2412C MF2413C MF2414C |
-本 体-
マイクロ波フリケンシカウンタ (10Hz~20GHz、N-Jコネクタ) マイクロ波フリケンシカウンタ (10Hz~27GHz、SMA-Jコネクタ) マイクロ波フリケンシカウンタ (10Hz~40GHz、K-Jコネクタ) |
J0017 F0012 W2897AW |
-標準付属品-
電源コード、2.5m:1本 ヒューズ、3.15Av 2個 MF2412C/2413C/2414C 取扱説明書 (CD-ROM):1部 |
MF2412C-003 MF2413C-003 MF2414C-003 |
-オプション-
水晶発振器(±5 × 10-10/日) 水晶発振器(±5 × 10-10/日) 水晶発振器(±5 × 10-10/日) |
応用部品に関して
形名・記号 | 品 名 |
K224B*1、*3 34RKNF50*3 J0527*3 J0127A J0853*4 J0854*5 MP612A*2 MP613A*2 J0007 J0008 B0409 B0598A B0390G B0411A B0329L |
-応用部品-
同軸アダプタ (K-P・K-J、SMA互換、DC~40GHz、SWR:1.2) 同軸アダプタ (補強型K-P・N-J、DC~20GHz、SWR:1.25) 同軸コード(K-P・K-P)、2ft 同軸コード(BNC-P・RG-58A/U・BNC-P)、1m 同軸コード(N-P・SF104P・N-P)、2m 同軸コード(APC3.5-P・SF104P・APC3.5-P)、2m ヒューズホルダ(N-P・N-J、DC~1GHz) ヒューズ素子(DC~1GHz、定格:+17dBm、 溶断電力:≧+35dBm) GPIB接続ケーブル、1m GPIB接続ケーブル、2m キャリングケース(B0329L保護カバー付) キャリングバッグ (ソフトタイプ、B0329L保護カバー付)ラックマウント(19インチタイプ、1台用)ラックマウント(19インチタイプ、2台並列用) 保護カバー |
*1:K224Bアダプタは、入力コネクタの破損防止用です。
*2: MF2400Cシリーズには、過大電力防止用にMP612Aヒューズホルダ(MP613Aヒューズ素子付)を用意しています。なお、MP612AヒューズホルダはコネクタがNタイプですので、コネクタタイプに合わせた変換アダプタが必要です。
*3:MF2414C用の部品です。
*4:MF2412C用の部品です。
*5:MF2413C、MF2414C用の部品です。
MF2400Cシリーズの詳細情報、マニュアルについてはコチラから確認できます。