時間計測のスペシャリストとしての称号!オリンピックの記録を計測するオフィシャルタイムキーパーとは?

いよいよ来年に迫った2020年東京オリンピック。

各所で様々なイベントが開催されるなど徐々に盛り上がりを見せています。

さて、オリンピックと言えばこんな画像を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

世界中で数多くの時計メーカーが、数えきれないほどの時計を販売しています。しかし、オリンピックの公式時計として選ばれるのは大会ごとに1メーカーのみです。

それはとても名誉なことであると同時に、公式記録の健全性を担保するという重責を担う事でもあります。

今回は、時間計測の中でももっとも厳格さを問われる時間計測の一つ、オリンピックのオフィシャルタイムキーパーについてお話します。

 

オフィシャルタイムキーパーとは?

オリンピックの開催が決まる数カ月前、実は当該大会に使用する公式時計は既に決まっています。

オリンピックでは開催の度に公式メーカー、いわゆるオフィシャルタイムキーパーが選任されオリンピック全体の時間計測に関わる全てを任せられます。

オフィシャルタイムキーパーの条件は広く計測技術に優れてり、そのメーカーの時計(計測装置)で計測された結果を全世界の人類が納得できるだけの技術的な裏打ちも必要とされます。

その為、どれだけ計測の技術が優れていても操業して間もない企業やある分野だけに特化した企業などは選ばれることはありません。

これまでの各国を代表する時計の製造メーカーが名を連ねてきたオリンピックのオフィシャルタイムキーパーはそれだけ、重要な役割を担うというわけです。

選ばれるのは大会ごとに1社のみ

また、驚くべく事にオリンピック(パラリンピックを含む)のオフィシャルタイムキーパーは、その大会全体を通して1社のみとなっています。

これは、その大会の時間的な基準をすべて1社の基準によって統一することで、競技や種目ごとの時間的な誤差を最小限にとどめることを目的としています。

以前の記事にもありますが、時間という基準は全世界共通の基準の基に成り立っています。

そんな厳格な基準のある「時間」という概念において、さらにその誤差を小さくするための措置を講じる必要があるほどに、オリンピックの時間計測は非常にシビアなものなのです。

だからこそ求められるオールマイティな性能

「時間の計測」と言えばどうしてもマラソンや100mなどの陸上競技や水泳などといった、早さを競う競技をイメージしてしまいがちです。

しかし実際には柔道やサッカーなど、競技の時間を正確に把握することもオフィシャルタイムキーパーの大切な役割です。

その為、大会中のすべての審判や競技関係者の使用する時計は、オフィシャルタイムキーパーを担う企業の時計に統一されています。

また、単純に時間の計測と言ってもその正確さは1/100秒単位の正確性が求められます。50年前であれば審判や競技の担当者が各々ストップウォッチで個別に計測するといったアナログな計測で問題はありませんでした。

しかし、1/100秒の世界で、メダルの色が決まってしまう現代のオリンピックにおいては単純に時計の正確さだけでなく、選手のゴールした瞬間の時間を正確に把握する必要があります。

例えば、ゴールが水中にある競泳は計測員からゴールの瞬間が見えないことで、これまでにもたびたび誤審とも言われかねない問題が発生してきました。

その為、ゴールの瞬間を正確に計測できる計測装置の開発は至上命題でもありました。こうした計測に関わる補器類の開発もオフィシャルタイムキーパーの大切な仕事です。

時計の正確性に加え、時間を計測するすべての技術に秀でていないとオフィシャルタイムキーパーになれない理由はこうした点にあります。

日本のオフィシャルタイムキーパー

そんなオフィシャルタイムキーパーとしてオリンピックを支えてきた企業は、日本国内にももちろん存在します。

各メーカー毎に特色ある計測装置や計測方法を持っており、世界に誇れる企業としてタイムキーパーの重責を果たしてきました。

SEIKO

言わずと知れた国内の時計製造のトップメーカーです。

これまで国内で開催された3回のオリンピック全てでオフィシャルタイムキーパーの重責を果たしています。ちなみに来年の東京オリンピックではオメガにその座を譲ってしまいました。

また、セイコーは東京オリンピックのタイムキーパーを担った際に世界で初めてクウォーツ式の時計を導入したことでも有名です。

クオーツとは水晶のことで、水晶の持つ蓄電と放電の性能を利用した時計の総称です。クオーツ式の時計を正確に動かすためには、各機械部品の作り込みはもちろんのこと水晶を正確に削る技術も必要となります。

それゆえ、それまでは各メーカー共にクオーツ式ではなく機械式の時計を採用していました。

しかし、クオーツ式の正確な時計の開発は後のデジタル計測に繋がる、電気式時計の幕開けを意味しておりセイコーの果たした功績は非常に大きなものでした。

CASIO

日本を代表するもう一つの時計製造メーカー「CASIO」

CASIOはオリンピックのタイムキーパーの経験こそないものの、様々な協議の国際大会でオフィシャルタイムキーパーを担ってきました。

CASIOの功績は、それまでオフィシャルタイムキーパーに選ばれる企業の多くが高級腕時計をベースとしたオフィシャルウォッチを採用していた点を、Gショックという大衆向けの腕時計をベースラインに据えることで、だれもが公式腕時計を手にすることができるようになった点です。

実際、上位下位のモデルの違いはありますが発売当初の初代Gショックは僅か数千円の販売価格でありながら、多くの国際大会おオフィシャルウォッチとしての要件をすべて満たしていました。

 

更に厳格さの求められる世界へ

各メーカーが凌ぎを削るオリンピックのオフィシャルタイムキーパーですが、時計業界全体にとっては今後さらに厳しい条件が付きつけられます。

それは、これまでのスポーツの判定にはなかったビデオ判定やAIによる判定の普及です。

人間の目では確認できなかったことが、映像によって判定されるようになればそこに関わる時間経過やその瞬間の時間の把握は今以上に厳格であることが求められます。

各メーカーとも今後、更なる技術の躍進を求められています。

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ライタープロフィール
シバ

広島県出身の41歳。現在は製造業で管理職の傍ら執筆活動を行っている。実は調理師出身という経歴の持ち主。得意分野は工業系の専門分野からアウトドアクッキングまで幅広く対応可能。

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