光は「明るさ」だけでなく「パワー」「植物の見え方」も測る

光は「明るさ」だけでなく「パワー」「植物の見え方」も測る

「光を測る」と聞くと真っ先に「明るさを測る」ことを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし産業分野では、光の「パワー」や「植物からの見え方」も測定する必要があるのです。
例えばインターネットをつなぐ光回線において光パワーが落ちてしまうと、情報やデータが目的地まで届かず、ネットがつながらない状態になってしまいます。
野菜工場では苗に光を与える必要があるのですが、植物が見ている光と人が見ている光は異なるので、「植物目線」で光を測定しなければならないのです。
今回は光の測り方について紹介します。

ネットの光回線を維持するには「光パワー」の測定が欠かせない

インターネット 光ファイバ

光パワーを測定する目的の1つは、インターネットの光回線を維持するためです。光回線は光パワーがしっかり発揮されてはじめて「ネットがつながっている状態」になるからです。
しかし光パワーといっても、イメージがわきにくいと思います。朝起きて日光がさんさんと照っていると「パワーをもらった」と感じますが、これは単なる印象にすぎません。日光に当たりすぎると皮膚が焼けるのでパワーを感じますが、しかし火に触れても皮膚は焼けます。
このように、光パワーは存在は認識できるのですが、測定するとなると難しそうです。水のパワー(水力)や電気のパワー(電力)を測定するように、光パワーも測定できるのでしょうか。

光パワーを測る横河計測の新製品をみてみよう

光パワーを理解するために、最近発売された光パワー測定器についてみていきましょう。なぜこの機器で光パワーを測る必要があるのかを知ると、光パワーの正体がみえてくるでしょう。
横河計測株式会社は2018年1月に、「光センサヘッドAQ2200-232」を発売しました。この機器は、光トランシーバや光ファイバコードといった「光部品」を製造している工場で、試験や検査に使われます。AQ2200-232は要するに、工場で製造した製品がきちんと動くかどうか調べる道具というわけです。
言葉の意味がわからない方のために、少し「光センサ」「光ファイバコード」「光トランシーバ」について解説します。
光センサとは、光があるかどうかを測定したり、光の強さを測定したりするものです。
光ファイバコードは、光信号を通す線です。自宅でネットを使えるようにするとき、「光回線を引く工事」を行いますが、この工事は、光ファイバコードという線を住宅内に引き込むことをいいます。住宅で電気を使うときに電線が必要なように、光回線を使うには光ファイバコードが必要になります。
光トランシーバは、電気信号と光信号を交換するものです。

なぜ「電気信号と光信号を交換する」必要があるのか

「電気信号と光信号を交換する」ことはインターネットではとても重要になります。電子メールを使って解説してみます。

ネットをつなぐ光回線(光ファイバコード)は光が通っているだけです。なのに、電子メールで文字のやり取りができるのはなぜでしょうか。

例えば自宅のパソコンのメールソフトで「こんにちは」と入力し、それをインターネットで相手に送信したとします。すると相手のパソコンのメールソフトに「こんにちは」が到着します。
このとき、送信者のパソコンは「こんにちは」という電気信号を光信号(つまり光)に変えているのです。光信号は光なので、光回線(光ファイバーコード)のなかを通ることができます。光信号が相手のパソコンに到着すると、そのパソコンは光信号を電気信号(「こんにちは」)に戻します。そのため「こんにちは」という文字が現れるのです。

新製品「AQ2200-232」はどこがすぐれているのか

電気信号と光信号を交換する光トランシーバと、光パワーを測る光センサと光信号を通す光ファイバコードが、ネットに欠かせないことを理解できたと思います。
ということは、この3製品(光トランシーバ、光センサ、光ファイバコード)がきちんと製造されないとネットはつながらないことなります。横河計測は、この3製品などの性能をチェックする最高レベルの測定機器「AQ2200-232」をつくったのです。
横河計測の新製品「AQ2200-232」の従来製品との違いについて、日本経済新聞が紹介していますので、その内容を要約して紹介します。

  • 恒温制御によって環境依存度を抑えた
  • 光パワーを測定するときの「不確かさ性能」を業界最高クラスの±18%とした
  • 光トランシーバの製品検査をするときに検査員の手元で空間光の測定ができる
  • 光トランシーバのI-L特性(駆動電流対光パワー特性)の測定で30デシベルまで測ることができる
  • 光パワーの高出力化に対応するため+15dBm(1mWあたりのデシベル)まで測定できるようにした

インターネットは現代の我々には欠かせないツールとなってきております。ただ”当たり前”のネットの裏にはこのような製品が役立っていることを忘れてはいけませんね。

「植物にとっての光」を測定する

植物 光

次に「植物にとっての光」の測り方についてみてみましょう。

植物にとっての光の測定が重要になるのは、野菜工場です。野菜などの植物は光合成を行うことで成長し、光合成を活発にするには大量の光が必要になります。野菜工場は日光が差さないので、人工の光(照明)で光合成を促してあげなければならず、そのため、光の明るさをしっかり測定する必要があるのです。

しかし、光には「たくさんの要素」が含まれているので、光の明るさを測ることは簡単ではありません。野菜工場のように光の厳格な測定が必要なシーンでは「暗い部屋のなかで照明をつけたら明るくなる」「照明を2個取りつけたら2倍明るくなる」という単純な話で終わらないのです。
光の明るさを測る道具に、照度計と光量子計の2つがあるのはそのためです。

照度計と光量子計はどちらも明るさを測るのになぜ別物なのか

照度計も光量子計も光の明るさを測る道具なのですが、異なる明るさを測っています。例を挙げますと、日置電機株式会社が販売している「照度計FT3424」は、0~200,000lxまで測ることができます。一方、株式会社藤原製作所の「光量子計MQ-500」は0~4000 µmol m-2 s-1まで測ることができます。
照度計の単位は「lx(ルクス)」ですが、光量子計の単位は「µmol m-2 s-1(マイクロモル パー平方メートル パー秒)」になっています。このことからも、照度計と光量子計が違う明るさを測っていることがわかります。
照度計が測る照度とは、人間が感じる明るさのことです。
光はさまざまな色の光が合わさっているのですが、人間はそのなかで緑色の光に最も敏感に明るさを感じます。そこで照度計は緑色の光を測っているのです。

人は緑の光に「まぶしい」と感じ、野菜は赤と青の光を「まぶしい」と感じる

野菜などの植物は、赤と青の光を最も多く吸収します。「光を吸収する」という考え方は少し難しいのですが、もし植物に気持ちがあったら赤と青の光を強く当てると植物は「まぶしい」と感じる、といったイメージです。
そのため野菜工場で照明の明るさを測るときに照度計を使ってしまったら、緑色の光が多いときに「明るい」ことになってしまいます。しかし野菜の光合成に緑色の光はあまり必要ないので、緑色の光が多くても野菜の成長には関係しません。ちなみに光合成とは、光をエネルギー源として、水と二酸化炭素から有機物をつくることをいいます。
そこで野菜工場では、光量子計を使って光量子を計測しているのです。光は「粒(つぶ)」の性質もあり、光の粒のことを光量子といいます。光量子計は野菜に必要な赤い光や青い光が多いときに数値が高くなるように設定されています。つまり光量子計の数値が高いとき「野菜に必要な赤と青の光が十分ある」ということがわかるのです。
野菜工場を見たことがある方は、工場内が意外に暗かったことを覚えていますでしょうか。それは緑色の光が少ないので、人が「明るい」と感じないからです。しかし野菜工場のなかは青と赤の光はたくさんあるので、野菜は「明るい」と感じているのです。
野菜工場では、植物の成長に不要な緑色の光を除外することで使用する電気量を減らすことができます。

昭和電工の小型光量子計!

そんな植物を効率的に成長させるために、昭和電工はLEDを使い、赤・緑・青の光の構成を簡単に測定できる光量子計を開発しました。従来の蛍光灯は緑の光を多く含んでいましたが、この量子計を利用することで光源の消費電離力を1/3(最大)に抑えられるそうです。
さらに、独自開発の干渉フィルターを使うことで、手帳サイズの装置を実現!!価格は1台38万円とされております。植物の成長効率、コスト、取り扱いさの全てを最適化した優れものの商品ですね。

まとめ~産業を支える光だからしっかり測定する

光の測定方法を知ると、産業界に光がとても重要であることがわかります。光は大量の情報を運び大量の野菜をつくるので、光は重要なインフラであり重要なエネルギーでもある、といえます。人の生活に欠かせない光なので、さまざまな計測機器をつくって正確に測る必要があるのです。

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