キーエンスという会社をご存氏でしょうか?最近では年末に発表される「所得の高い企業ランキング」などでたびたび取り上げられる為、名前だけは聞いたことがあるといった方も多いのではないでしょうか?
でも実際にどのような会社で、どんな仕事をしているのかを詳しく知っている方が少ないのも事実です
今回は、そんな日本一の年収を誇るキーエンスという会社にスポットを当ててご紹介します。
このページの目次
そもそもキーエンスはどんな会社なのか?
ではまず最初に、キーエンスという会社の成り立ちや現在の主業についてご紹介します。
正式名称は「株式会社キーエンス」で、創業は以外と古く1974年です。創業の地は兵庫県の尼崎市で現在も関西に拠点を置く今年で創業45年目の会社です。もともとは個人創業の小さな会社であった「リード電気」が組織改編へや社名変更をへて現在の姿になりました。
1987年に大阪証券取引所に上場し、晴れて上場企業の仲間入りを果たし、その後に社名を現在の「株式会社キーエンス」に変更し、東証1部にも上場。を果たしました。
扱っている製品は主に「検出制御機器 49%」「計測制御機器 30%」「自動化用測定機器 20%」が三本柱で、特に近年は計測機器の分野で目覚ましい発展を遂げています。
出発は自動車の生産ライン
キーエンスの発展の礎となったのは、自動車の生産ラインに組み込む様々な検出制御装置です。そ
それまでは各工程間の確認やチェックを人海戦術で行っていた自動車の製造ラインに同社の開発した様々な検出装置が組み込まれ、これまで見逃されてきたライン内の製品の小さな変化や異変を瞬時に検出できるようになり、日本の工業製品の質の向上に大きく寄与したといわれています。
そしてこれこそがキーエンスの躍進の大きな足掛かりとなりました。
当時は品質は人の目でつくるが当たり前の時代でした。そんな中キーエンスが目指したのは「人間以上の正確さとスピードを持った電子機器」でした。
人間至上主義の現場では、人間の目に勝る器機は存在しないといった風潮が横行し、機械に対する疑いの目すらある時代です。その時代にキーエンスは「世の中にないものを」「これまでに誰も手掛けなかった製品を」を目標に、新しい検出機器の開発に注力し結果として日本の製造現場に革命的な変化をもたらしました。
スタンダードを根底から否定するキーエンスのものづくり
世の中にないものを創造するというのは、口で言えば簡単ですがそれを実現し更に世の中に浸透させていくことは並内定の事ではありません。
そんな困難を可能にしているのがキーエンスの開発部隊です。
様々な製品を生み出す開発の現場では、これまでの固定概念にとらわれない柔軟な発想が求められます。特に新しい技術や特許を積極的にとり入れることは、大変重要な要素となります。
キーエンスではこれまでも計測や検出の分野では取り入れられてこなかった様々な技術を新製品に応用するこで、「これまでなかった革新的な製品」を生み出し続けています。
現場計測の常識を覆す 三次元計測器
現在ではほとんどの携帯電話やスマートフォンで標準的に内蔵されている「ジャイロセンサー」。このセンサーは組み込まれた製品の傾きの情報をこれまでの2次元情報ではなく、3次元情報として総合的に検出できるセンサーです。
スマートフォンを傾けたり、横に向けたりしたときに自動で画面が横向きになったり、家庭用ゲーム機ではコントローラーをハンドルの如く回したり傾けたりすることで操作できるようにしているも、このジャイロセンサーのおかげです。
キーエンスではこのジャイロセンサーに、これまでも自社の中にあった空間内におけるターゲットマーカーの位置を正確に検出するセンサーなどを組み合わせて、新しい形の三次元計測器を開発して実際に販売しています。
これまでの三次元計測器は頑丈な地盤の上にこれまた強固な基礎を必要としました。また、計測機器本体も石定盤の上に固定さてた構造でたやすく移動させることもできませんでした。そのため、三次元計測は専用の検査スペースで行われることがほとんどで、その分生産効率を低下させていました。
また、計測は専用の制御装置でプログラミングまたは手動操作で行う必要があり、オペレーションにそれなりの経験が必要でした。
そこでキーエンスが目指したのは「だれでも、どこでも正確に計測できる三次元測定機です。
先ほどのジャイロセンサーや位置検出センサーを駆使し開発されたハンディタイプの三次元測定機は、これまでの製造の現場の常識を根底から覆し、大手企業をはじめ様々な製造分野で爆発的に導入されました。
キーエンスの製品は高い!でもそれ以上の経費削減効果がある!だから売れる!
キーエンスという会社の利益率は他の同業者を大きく上回る50%程度を維持している。その高い利益率の武器に多くの優秀な社員を雇い入れ更なる新製品の開発や販売促進に力を入れるといった好循環が、現在の企業業績を支えています。
更に、顧客にたいしても一貫した営業方針を貫いており「高額です。でもそれ以上に高効率です」といった具合に、キーエンスの製品を導入することで得られる付加価値の訴求とその付加価値がもたらす、大きな利益について徹底的に研究がされています。
世の中にないものを創造し、その対価を付加価値と共に顧客に訴求する。
「キーエンス」とその「顧客」、両者にとって最良の形を模索し続ける姿勢こそが、キーエンスの躍進の原動力なのです。