IoTとは、インターネットがモノや機械、人をつなぐネットワークのことで、あらゆるものがインターネット経由で通信できることを実現させてくれます。製造業も例外ではなく、IoT環境がどんどん整っている状況にあります。この記事では、製造業におけるIotの事例を紹介しながら、その必要性について考えてみたいと思います。
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まずはIoTの事情を理解
Iot導入の必要性と聞いても、いまいちピンと来ない経営者も多いかも知れません。そもそもIotがどのような恩恵を自社にもたらすのかよく分かっていなければ、無関係だと高をくくってしまうでしょう。
しかし、2015年10月に、IoT推進コンソーシアムが設立され、総務省や経済産業省とともに、産官学一体の取組として製造工場のIot化が推進されることとなりました。さらに、世界事情を見ても、ドイツやアメリカ、中国などで、国家的取組としてIoT導入の動きが見られます。
我が社は関係ないと思っていると、いつの間にか取り残されてしまうかも知れません。
IoTに必要な手順
一般的にIoT導入の手順は、「見える化」→「制御」→「自動化」の流れで行われます。分析して見える化したデータをもとに、効率的な制御を行い、AI技術などの活用で自動化するのです。手順を間違えなければ、製造現場での大きな助けとなり、経営効率を上げる要因となってくれるでしょう。
製造業におけるIoTの活用事例
IoTを導入しようにも、どのように活用すれば良いのか分からなければ、検討のしようもありません。そこで、製造業におけるIoTの活用事例をいくつか紹介します。1つは「エネルギー使用量の見える化の例」、1つは「生産設備の管理の例」、もう1つは富士通の「見せる化の例」を紹介します。ぜひ参考にしていただければと思います。
エネルギー使用量の見える化
工場でのIoT導入事例として、電気やガス、水道など、エネルギー使用量の見える化の例があります。これらのエネルギーは、使用量が可視化できていないと、過剰なエネルギーを費やす結果となりがちです。
そのため、工場内でリアルタイムに使用量を把握し、一元管理することによって、削減がしやすくなるのです。
生産設備の管理
従来の生産設備では、管理担当者が目視チェックや、パトライトのチェックによって、異常を見つけていました。しかし、人的なチェックでは見落としなどのリスクが高く、監視に限界があります。
IoTを導入することで、生産中の異常がリアルタイムに検出・通知が行われ、即時対応を取ることが可能となっています。異常の早期発見により、異常による損害を最小限に抑えることが可能です。
富士通の「見せる化」
富士通では、デジタルデータのビックデータを集め、異常監視や進捗管理、目標達成度合いの把握など、見せる化が可能なIoTを推進しています。その結果、素早い気づきと原因分析がしやすく、予測や制御を迅速に行うことが可能となっています。
製造工場でのIoTを推進し、ビックデータを分析するための仕組みを構築したことで、スマートでスムーズな現場作りに貢献しています。
IoTのメリットデメリット
IoTを導入する場合には、メリットとデメリットをしっかりと比較し、総合的に判断する必要があります。せっかく導入しても、宝の持ち腐れとなってしまっては意味がありませんので、自社の業務内容に合うかどうか、メリットデメリットをしっかりと確認しておきましょう。
IoTのメリット
IoTのメリットは、人的ミスを軽減できることと、リアルタイムな管理により、ロスが最小限になるところです。従来は、人的ミスによるロスや、異常発見までのリードタイムが長かったために、大きな損害となることがありましたが、これらについては根本的な解決が見込めます。
また、製造やサービスの改善、製品開発に活かすことができる上、顧客情報のビックデータを活用すれば、顧客ニーズを探ることも可能です。製造現場のIoTと連動させれば、より効果的な活用が望めるでしょう。
IoTのデメリット
IoTのデメリットは、セキュリティー対策が必要となるところです。インターネット経由でのハッキングや、障害が発生してしまえば、製造現場が止まってしまう恐れがあります。また、情報漏えいの心配も考えられますので、万全のセキュリティー対策を講じなければなりません。
まとめ
製造業におけるIoTは、国内だけでなく、海外でも導入が進んでおり、もはや他人事と見過ごせない状況です。導入をすれば、効率化と効果性を期待することができます。メリットとデメリット、事例などを検証し、総合的は判断で導入を検討してみましょう。