営業が客先から「公差が外れている」との連絡を受けた時、どのような心情になるのでしょうか?加工段階で不良が出て、検査で流出を防げなかった時の、営業の心情について赤裸々に紹介します。
このページの目次
営業効率の悪化。。
不良発生の連絡は、外回り中にも容赦なく入ります。営業マンはその日の外回りのスケジュールを、効率性を考えながら組んでいるため、突発的な不良品の連絡は営業効率を下げる要因となってしまいます。不良品の連絡が入ると、肩を落とす営業は多いのです。では、具体的に何をしなくてはいけないのでしょうか??
1.不良対応
不良対応は、営業が客先へ電話して、事情を聞くところから始まります。不良品の回収や、代品の手配や納期調整、改めての納品が必要となります。そのため、良品を通常通り納品するよりも、遥かに手間がかかるのです。
2.顧客へのお詫び
不良品を出してしまったら、顧客に対してお詫びをしなくてはなりません。営業が手間をかけたように、顧客もあなたの会社の不良品のおかげで手間がかかっているでしょう。
ひょっとすると、エンドユーザーに流出して、客先の営業マンがあなたと同じ気持ちになっているかも知れませんので、それを想定してしっかりとお詫びが必要です。
3.品質改善レポートの提出
品質に厳しい会社の場合、不良品に対する改善レポートの提出が求められることがあります。品質改善レポートは、上辺だけの内容だと突き返されることもあるため、真の原因究明をする必要があります。営業にとって、このレポートも大きな手間となります。
外注先を利用している場合の苦慮
外注先を利用している場合には、外注先で不良が発生し、自社の検査で流出させることで客先からクレームが入ります。しかし、口が裂けても客先に「外注を使っている」ことはいえないため、営業は言い訳に苦慮することもあります。外注を利用している時の営業の悩みを紹介します。
外注に再製作の依頼をしなければならない
外注先が出した不良品の場合には、外注先に再製作の依頼をしなければなりません。頑固な職人が仕入先である場合には、露骨に嫌な顔をされる場合もあるため、いいにくいケースもあります。
また、自社内に購買部のような手配部署がある場合には、購買部を通して仕入先に連絡が行きますが、購買部に嫌がられるケースもあるため、不良品が出る度に嫌な気持ちになるのです。
外注できっちり対応できるか不安
再作の依頼をしても、ちゃんと仕上がるか不安となることもあります。顧客の会社の規模が大きくても、外注先は小規模の町工場であることも多く、測定器の性能が違いすぎて、検査ができない場合もあるからです。検査なしで客先へ代品を納品した時には、再び呼び出されないかドキドキする営業が少なくありません。
真の原因を究明できるか分からない
不良品を出した場合には、真の原因究明を求められますが、外注先に原因を聞いても、曖昧な内容に終わることが多々あります。特に製作の知識に乏しい営業の場合、深い意味が分からず、客先に伝えられないこともあるため、不良の原因究明は営業の悩みの種の1つなのです。
自社工場で製作している場合の苦慮
外注ではなく、自社工場で製作している場合にも、苦慮することはあります。それは、「社内と顧客の板挟みになるケース」「真の原因が恥である可能性」「経営者が計測器代をケチっていることが理由である」場合などがあげられます。
社内と顧客の板挟みになるケース
顧客からの不良品に対して、製作現場に問い合わせると、きっちりと取り合ってもらえないことがあります。特に、製作現場が力関係や役職で上位である場合に、このようなケースがあげられます。結果的に、顧客と現場の板挟みとなってしまうのです。
真の原因が恥である可能性
顧客から、不良品発生の「真の原因」を求められた場合に、正直に言うと恥である場合もあります。「現場作業員が前日飲み過ぎて疲れていた」「単なる思い込み」「新人が製作をした」などである場合、正直にいいにくいケースもあります。もちろん、これらの場合にも品質管理対策はありますが、営業の立場ではいいにくいところでしょう。
経営者が計測器代をケチっていることが理由である
経営者が計測器にかける費用をケチっていることが原因の場合もあります。客先が高品質の計測器を使っていて、自社がノギスなどのアナログ式である場合、品質管理は作業員の経験が頼りとなります。このような場合には、フロントに立つ営業が苦労をし続ける結果となるでしょう。
まとめ
客先に「公差から外れてますよ」といわれた時には、営業はさまざまな思いを頭の中で巡らせます。いずれも、嫌な気持ちが前提となっているため、営業効率もモチベーションも下がってしまいます。このようなことにならないためにも、製作現場にも、品質管理現場にも、高性能計測器の導入が必要です。