計測器、測定器紹介 vol. 12 – 粘弾性測定器(レオメータ)

レオメータは流体の官能的な表現を数値化できる素晴らしい装置です。
どのようなことができる装置なのか?お値段は?などにお答えします。

それは固体なのか、液体なのか

粘土

中学生の理科で、物質は「気体」「液体」「固体」の3つだ!と習いましたよね。
でも、世の中には明確に分けられないものがあるのではないかと気づいた人も多いと思います。
粘土は固体ですか?液体ですか?多くの人は「固体」と答えるでしょう。
でもよく考えると、固体や液体の定義はどのようなものだったのでしょうか。
液体が仮に「流動するもの」と考えると、粘土も自由自在に変形することができますので「液体」とも言えるのではないでしょうか。
このように、境目のない物質は世の中にたくさんあります。

醤油とマヨネーズの違い

もう少し踏み込んでお話しします。
醤油はどうでしょうか。固体ですか?液体ですか?
固体のように形状を保つことができるのでしょうか。表面張力を考慮すると、形状を保っているようにも見えるのですが、やはり固定形状に保つことができないので液体と明確に言えるでしょう。
ではマヨネーズは固体ですか?液体ですか?
多くの人は「液体」と答えると思います。それも間違いではないです。
しかしながら、マヨネーズは何かに触れたりしなければその形状を保つことができます。マヨネーズの自重で垂れたりすることはありますが、垂れ終わったあとはその形状を保ちます。
ですので、固体のように形状を保てることから「固体」とも言えるのではないでしょうか。

液体と固体には明確な区切りが無い

頭の中にいろんな物質を思い浮かべてみて、固体か液体かを判別してみると実に曖昧なものが多くあります。
実際のところ、固体と液体の境目は明確ではないのです。
人が経験的になんとなく「硬いから固体だ」「水様だから液体だ」と判断しているだけなのです。
また、我々が扱っている物質は「液体の中に粉末が入っている」と言ったように「複合材料」を扱うことも多いです。そういった材料も、固体とも液体とも言えない状態ではないでしょうか。

レオロジーとは

流体 イメージ

今までお話ししてきた粘土とマヨネーズと醤油は、すべて変形できる物質です。
ですが粘土は「固体」でマヨネーズや醤油は「液体」と曖昧ながらも判別しています。
実は感覚的に「変形させる力」が大きいか小さいかで固体液体を判別しているのです。
粘土は手で力強く握り込んだり引っ張ったりしなければ変形できませんが、マヨネーズはちょっと容器を握ればびゅっと出てきますし、スプーンなんかで撫でるだけで薄く伸ばすことができます。醤油に至っては、容器を傾けるだけで出てきます。
この感覚の差が固体か液体か、と判断しています。
固体か液体かによらず、流動する物質を「流体」と呼びます。

粘度

このような話をすると思いつくのが「粘度」です。
粘度というのは物質の粘り具合を言います。
一般的には粘度が高いものは変形しにくく、粘度が低いものは変形しやすいです。

降伏値とせん断速度

蜂蜜と水ですと蜂蜜のほうが、圧倒的に粘度が高そうです。
ですが、平たい面に蜂蜜と水を垂らしてみると、どんどん広がって元の形状を保つことができません。
では、蜂蜜とマヨネーズでは、どちらの粘度が高いのでしょうか。
マヨネーズは形状を保つことができますが蜂蜜は形状を保つことができません。
このように粘度だけで判断できない物質は多々あります。
蜂蜜とマヨネーズが根本的に違う点は、静止している時に形状が保てるか保てないかと言う点です。
静止している時に変形させることができる力の大きさのことを「降伏値」といいます。降伏値が大きいと、静止時の見かけが「固体」のように形状を保つことができます。蜂蜜や水のように、静止時に形状を維持できないものは降伏値が0(ゼロ)と言えます。
静止ではなく動的、つまり外力を与える際にどれほどの速度がかかっているか、というのもポイントになります。
マヨネーズは同じ力の大きさをかけたとしても、速度がゆっくりであれば形状を維持しながら変形します。しかしながら速度が早い場合、マヨネーズに張り手するぐらいのスピードですとまるで液体のように飛び散ったりしますね。
この速度のことを「せん断速度」と言います。
せん断速度と応力(ずり応力と言います)の関係を実は粘度と言います。粘度の単位は一般的に「Pa・s」で表され、Pa(パスカル)はずり応力s (秒)は時間を表しています。
マヨネーズはせん断速度が小さいとき、つまりゆっくり変形させた場合は固体のように振舞います。つまり粘度が高いということです。せん断速度が早い時、素早く変形させた時には液体のように振舞います。粘度が低いことを表しています。
水や蜂蜜は、降伏値が無く、せん断速度によらず粘度が一定値を示します。

レオロジーの挙動

ここまで、様々な物質を取り上げてきて、液体とも固体ともなんとも言えない「流体」と言うことをお伝えしました。流体の状態を説明する学問があります。それが「レオロジー」です。

レオロジーでは、せん断速度とその時のずり応力から「流動曲線」を得て、物質がどのようなものかを表現することができる学問です。

レオロジーの流動曲線には種類があります。

前述した、降伏値が無く、せん断速度によらず粘度が一定である物質、流動曲線ではずり応力とせん断速度が切片なしの綺麗な比例関係が保てている流体を「ニュートン流体」と言います。水や蜂蜜はニュートン流体の代表格です。

粘土やマヨネーズのように、静止状態で固体状態(見かけ粘度が高い、と言います)である流体を「非ニュートン流体」のうち「チキソトロピー」と言います。

流動曲線の形状からさまざまな流体があることがわかります。
今あげた流体の種類は2種類ですが、そのほかに「ダイラタンシー」・「ビンガム流体」・「擬塑性流体」など…書籍によってはこと細やかに分類されています。

それほど、レオロジーは一口で説明できない複雑な学問です。

粘弾性測定器(レオメータ)とは

流体 イメージ

一般的に、粘度計と呼ばれるものは回転フィンなどで液体を攪拌し、一定速度を加えて応力を測定して粘度を得ます。当然、せん断速度は1ポイントしか得られません。
粘弾性測定器(レオメータ)は物質に様々なせん断速度を加えて、その応力を測定し流動曲線および粘度曲線を得ることができる装置です。
測定方法は一般的に「パラレルプレート方式」が多いですが、せん断速度がプレートの中心とプレート端で違ってしまうというデメリットがあります。
ですので、プレート中心部分とプレート端でせん断速度が変わらない「コーンプレート方式」もあります。
せん断速度を加える方法も「振動式」と「回転式」があります。
測定する材料(レオロジー)によって向き不向きがあるので、方式のデメリットを理解した上で測定する必要があります。

レオメータのポイント

レオメータを選ぶポイントは

  • 応力検知の精度が高い
  • 高粘度材料に耐えられるモータ
  • 温度調整や加温時測定ができること
  • ディスポーザブル(測定部が毎回破棄できる)であること

などがあげられます。
取り扱う流体によってこれらのポイントを押さえなければなりません。

粘弾性測定器(レオメータ)でわかること

歯

食品の歯ごたえ・食感

食品の歯ごたえや食感は、噛む応力や飲み込む応力でどれぐらい変形するのかが決め手になります。ものを食べるといった複雑な挙動もレオメータでは表現することができます。
例えばこんにゃくゼリーの嚙み切れる力や、カスタードクリームの滑らかな口あたり、チョコレートの口どけ具合など測定が可能です。

ペンキなどの塗りやすさ

ペンキはチキソトロピーの流動曲線を示します。
ペンキを塗る際に、あまりにも粘度が低いと垂れてしまい、粘度が高いと伸びが悪くなります。
チキソトロピーなので、降伏値とせん断速度にたいする粘度の高さがポイントになります。自重や風などの外力でペンキが動かないように降伏値を高めにする必要があります。塗りやすさは刷毛を動かすせん断速度に対する粘度を下げる必要があります。
塗りやすさという官能的なこともレオメータでは表現することが可能です。

粘弾性測定器(レオメータ)のお値段は

食品などを取り扱う場合、粘度が低めつまりずり応力が小さいものを選ぶ必要があります。さらに低応力を精密に検知する必要があります。
逆に粘度が高いものは、高応力に耐えられるモータを搭載する必要があります。
前述した通りのポイントを押さえるかどうかで価格が変わってきます。低価格なものですと数百万から購入できますが、高額なものですと3000万ほどする装置もあります。
使用環境を検討した上で必要な機能を選択します。

さまざまな流体を理解するために必要です

レオロジーは官能的なものを数値化することができる装置です。食品や流体材料の出来栄えを検討したり、改良するポイントが見えたりするようになります。
まずは使ってみたい!そう思われた方は中古品やレンタルの検討をしてみてはいかがでしょうか。オプションの有無で価格が変わりやすいので、安価に導入することをお勧めします。
また、買い替えの検討をされている方は中古品の売却の検討をしてみてはいかがでしょうか。

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