計測器、測定器紹介 vol. 2 – ガスクロマトグラフ

計測器、測定器紹介 vol. 2 - ガスクロマトグラフ

計測器、測定器の紹介第二回目はガスクロマトグラフです。略して”ガスクロ”なんてよばれたりしています。(正確にはガスクロマトグラフィーのことをそうよぶ。)
ガスは直感的にわかりますが、クロマトグラフという言葉はなんとも直感的には理解しづらい。。
私は長年研究開発に携わってきましたが、この仕事って専門的要素が強すぎて、自分の専門外だとさっぱりわからないということが非常に多いです。
初心者向けに話すとしても時間がかかるし、そもそも時間をかけたとしても理解させるのはほぼ不可能!という場合も多いので多少は理解できる部分はありますが。
ただ今回の内容は事前知識もそんなに必要ないと思うんで、直感的に理解できるよう解説していきたいと思います。

化学の基礎

気化

まずは化学の基礎です。一番初めは楽ちんな中学校(小学校?)理科。
簡単にするために水を例に挙げましょう。水(液体)は水蒸気(気体)になったり、氷(固体)になったりするのはご存知ですね。
それでは、水(液体)を水蒸気(気体)にするにはどうすればいいでしょうか?そう、熱です。ただ世の中にはいくら熱しても気化しないという物質もあるということは頭に入れていて欲しいと思います。
気化する液体を揮発性液体、気化しない液体を不揮発性液体と専門用語でよんだりします。
次にちょっとレベルが上がって化学反応。馴染み深い例を出すと、”さび”です。さびって化学的に話すと、金属と空気中の酸素が化合(くっついて)、別の物質にになることです。
銅は酸化銅となり、銀は酸化銀。ここで次のような質問がでてくるかもしれません。

「空気って酸素だけじゃなくて、窒素とかあるじゃん!」

いい質問だと思います。空気の成分は大半が窒素ですからね。
じゃあ窒素銅とか窒素銀があるかというと、実はありません。難しい化学式はほっといて、他の物質と反応しにくい物質もあるよということです。
このようなガスは窒素だけじゃなくて、ヘリウムとかアルゴンも含まれます。これらを不活性ガスとよびます。
実はこの不活性ガスはとってもお役立ちキャラになっています。
例えば縁日で売っている風船。これってヘリウムガスを封入しているのですが、なぜだかわかりますか?
1つめの理由は”とっても重さが軽いガスだから”。
確かに風船が空をふわふわ飛んで行ってが泣いている子供をときどき見かけます。
2つめの理由は”不活性ガスだから”です。軽いだけなら正直水素ガスでもいいんです。
でも水素ガスを使うと引火、爆発を起こしてしまいます。なるほど、不活性ガスは確かに便利ですね。

ガスクロマトグラフとは?

クエスチョンマーク

ガスクロマトグラフィーの目的は?

ここまでくると土台は整いました。まず、ガスクロマトグラフというのはガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography)という計測手段を使って測定する計測器のことを指します。
そして、この測定の目的はというと、”用意されたサンプル(固体、液体、気体いづれも可)に何が入っているか(成分)とどのくらい入っているか(濃度)を知ること”です。
例えば、いきなり目の前に液体を用意されて、
「この液体の成分って何?どのくらい入っている?」
と言われたらどうしますか?(日常でこういうシーンは滅多にないですが。)
目視で判断しますか?重さを測ってみますか?それとも飲んでみますか?
あまり現実的ではありませんね。
こういうときにガスクロマトグラフを利用するとわかるよ!ということです。

ガスクロマトグラフィーの原理

ガスクロマトグラフィーの原理

出典:東レWebsite

ガスクロマトグラフは、主にキャリアガス、サンプル(試料)、カラム、恒温槽(加熱・冷却装置)、検出器から構成されています。一つずつ見ていきましょう。

【キャリアガス】

キャリア(carrier)は運ぶものという意味です。
名前の通り、測定したいものであるサンプルを運ぶ役割をするガスです。
ちょっと考えればわかりますが、測定したいものを測定できる場所まで運ばないと何も始まりませんよね。上の図を使って説明すると、サンプル(試料)を注入部からカラムの中に移動させて、検出器まで運ぶ必要があります。
そして、キャリアガスとして用いるガスはもちろん不活性ガスです。
理由は簡単。化学反応を起こしてほしくないからです。
値段や特性はガスによって異なってきますが、一般的にはヘリウム(He)ガスが使われます。
また、ガスの流れるスピードもコントロールされています。

【サンプル】

測定したい試料のことです。注入部から導入されます。

【カラム(*)】

内径が2~4mmの長いチューブです。長さは1~5mでぐるぐる巻きにして恒温槽内に固定されます。別にぐるぐる巻きにしなくてもいいんですが、そうなると巨大な恒温槽が必要になるので、現実的ではありません。。。
カラムの材質は、ステンレスやガラスで、用途に応じて使い分けています。
カラム内には固定相とよばれる吸着剤が内壁に塗布されていて、この吸着剤によってサンプルはくっついたり離れたりして(専門用語で相互作用とよぶ)、検出器まで到達します。
この相互作用がサンプル内の成分によって違ってくるので、ある成分はあまり相互作用しないから早く検出器に到達、またある成分は反対に遅く検出器に到達ということになります。
(*)カラムは主にパックドカラムとキャピラリーカラムの2種類がありますが、ここではパックドカラムのみの説明に限定しています。

【恒温槽】

カラム内の温度を調整しています。
温度が低すぎたら測定結果でピークが見えなかったりするし、高すぎるとおかしなピークがみえたりします。

【検出器】

カラムの出口にあって、サンプルの成分を検知して電気信号にします。
カラムの項目でも解説しましたが、成分によってこの検出器に到着する時間が違ってくるので、電気信号のピークの到達時間とその強度を測定すれば、”成分”と”濃度”がわかることになります。
検出法にも熱伝導度の違いを利用したりする方法や、物質を水素炎中で燃焼して、発生したプラズマ電子を検知したりする方法などがあります。

まとめ

まとめ

今回は計測器、測定器紹介の二回目としてガスクロマトグラフの概要を解説いたしました。
直感的にわかるように解説しているので厳密性に関してはご容赦いただければと思います。とても便利な計測器ですが、弱点もあって不揮発性(気化しない)物質や熱に弱い物質は分析できません。。
そして気になるお値段は100万円から2千万円というレンジでしょうか。
中古になるとぐっと下がって50万円というのもちらほら。購入前にレンタルというオプションも考えたほうがいい計測器かもしれませんね。
「持っているけどもう使わないな」という方はぜひ、買取業者に売却するオプションも考えてみてください。

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