重さを量ればビジネスになる!

重さを量ればビジネスになる!

重さを量るビジネスが盛況です。
もちろん製造現場では何十年も前から厳格な「重さの管理」が求められていますが、現代は日常生活の中でも「その重さをそこまで厳格に量る必要があるのか」と思わせる重量測定が存在します。
一般の消費者はなぜ、そこまで重さにこだわるのでしょうか。それともメーカーの重量測定のあくなき追及が、消費者を駆り立てるのでしょうか。
スーツケースと靴とゴルフクラブの「重さ」についてみていきましょう。

なぜスーツケースに重量計測装置?

スーツケース 空港

株式会社エースは1940年創業の老舗カバンメーカーで、日本を代表するスーツケースメーカーでもあります。
そのエースが2018年4月に重量計測器を搭載した大容量スーツケース「スタリアVスケール」の販売を開始しました。

スタリアVスケール

スタリアVスケール (出典:Amazon)

中身の重量を量る

重量計測器とは、重さを量る量りのことで、体重計のようなものです。ただこのスーツケースの量りが量るのは、スーツケース中身の重さです。
スタリアVスケールには取っ手部分(ハンドル)に重量計測器のスイッチがついていて、それをオンにしてスーツケース全体を持ち上げると、デジタルメーターが重量を表示します。最大40㎏まで計測できます。
スタリアVスケールの容量は100リットルで、スーツケースの自体の重さは5㎏。価格は税抜63,000円です。

重量オーバーの超過料金を取られないようにするために

スーツケースにこのようなユニークな機能を搭載した目的は、飛行機に乗るときの荷物の重量制限への対策です。

海外旅行に出かけて土産物を大量に購入したところ、スーツケースの重さが重量制限をオーバーし超過料金を支払うことになった、という経験をした人もいるでしょう。
荷物を満載したスーツケースの重量が事前にわかれば、空港のカウンターで冷や冷やする必要がなくなります。

エースでは重量計測器搭載つきのスーツケースの購入者として、次のような人を想定しています。

  • つい土産物をたくさん買ってしまう人
  • 海外に長期滞在する人
  • 家族の荷物をまとめて1個のスーツケースに入れる人

付加価値をつけると3,000円高く売ることができる

重量計測器つきの「スタリアVスケール」が税抜63,000円で、重量計測器がつかない単なる「スタリアV」は税抜60,000円です。よって「量り代」は3,000円と考えることができます。
空港で超過料金を支払った人なら「安い」と思えるではないでしょうか。「重さを量る」という付加価値をつけると収益が3,000円/個上がる、と考えることができます。

未来の靴は「あと100g」軽くなる

靴 大量

株式会社アシックスは言わずと知れたスポーツ品メーカーです。特にシューズ開発では世界最高峰レベルを誇ります。かつてはメジャーリーグのイチロー選手も長く愛用していました。

24㎏のダイエット?

アシックスの代表的なスポーツシューズにKAYANO23というモデルがあります。当然、あの「井」型マークも入っています。

一般的に「軽い」といわれる靴は、男性用が片足400g以下、女性用が片足300g以下とされています。KAYANO23の男性用スポーツシューズは片足330gです。よってKAYANO23は「十分軽い」部類に入ります。

ところがアシックスはこの重量をあと100g削って片足230gにしようとしているのです。

例えば体重80㎏の人がダイエットで100gの減量を達成することはそれほど難しくありません。なぜなら80㎏の人にとっての100gは体重の0.125%にすぎないからです。

しかし330gのシューズの100gは30.3%にもなります。体重80㎏の人でいえば体重の30.3%は24㎏です。KAYANO23をあと100g軽くするという目標が「とてつもないこと」であることがわかります。

「軽いと壊れやすい」をどう乗り越えるか

「素材」には、軽くすると強度が落ちるという性質があります。これはシューズの素材でも同じです。そのため靴を「軽くすることだけ」なら簡単にできますが、単純な軽量化に走れば靴の耐久性は落ちてしまい、使い物になりません。
アシックスでは靴を軽くしながら強度を保つために、重さを量るだけでなく、様々な項目を計測しています。
例えばシューズの重量の大半を占めるアウターソール(靴底)の素材探しでは、軽さ、伸びの小ささ、縮みの小ささ、引っ張り強度の強さを追い求めました。
あらゆる素材の「軽さ」「伸び」「縮み」「引っ張り強度」を測定し、あるオーガニック繊維を見つけ出しました。
アシックスは、そのオーガニック繊維を使ったアウターソールに「フライトフォーム」という名称を付けたくらいです。フライトフォームを使ったシューズの販売は190万足を超えました。

軽い靴でエネルギー使用が効率化する

なぜアシックスがここまで軽いシューズにこだわるのでしょうか。
シューズを軽くすると、足を振り出すエネルギーが小さくて済むからです。省力化したエネルギーは、速くするために使えますし、長く走るために使うこともできます。
アシックスは100g減量した片足230gの未来のシューズを、2020年の東京五輪までにつくる、としています。

よく飛ぶゴルフクラブは重量厳守

ゴルファー 男性

どうしてもフックやスライスが消えないアマチュアゴルファーは、重すぎるクラブか、軽すぎるクラブを使っているからかもしれません。
「そんなはずはない。重いとも軽いとも感じたことはない」と言われるかもしれませんが、わずか4g重いだけで影響が出ることもあるのです。

プロレベルのクラブ調整をアマチュアにも

茨城県稲敷市に株式会社ジョイメニィーという、オリジナルクラブを製造販売している会社があります。同社の社長、喜多和生さんは元ミズノの社員でゴルフクラブの開発に携わっていました。あの中嶋常幸プロのクラブも調整していました。
ジョイメニィーでは、クラブの「カスタムフィットクリニック」というサービスを提供しています。顧客のスイングを解析したりクラブを測定したりして、最適なクラブをみつけていきます。もちろんアマチュアゴルファーも利用できます。

4gの差を見抜いたプロの目

カスタムフィットクリニックではクラブの重量を量るのですが、喜多さんはときに、アイアンのネック内に挿入してあるウェート(重り)に注目することもあります。
喜多さんは「右にすっぽ抜ける」という悩みを抱えていたアマチュアゴルファーから2~7番アイアンを預かりアイアンのネック内のウェートを計測しました。すると、2、3、5、6、7番アイアンは4.5~5.5gの間に入っていたのですが、4番アイアンのウェートだけ9.0gあったのです。
喜多さんは、客が不調になったのは、4番アイアンを使うときだけ別の打ち方をしなければならなくなり、それがフォームを崩していったのではないか、と結論づけました。
わずか4gの違いが好不調を左右するゴルフの繊細さもさることながら、「4gの原因」を突き止めた喜多さんの職人技にも驚かされるエピソードです。

まとめ~重さを量れば調子が整う

重さが変わると調子が狂うことがあります。体重という重さが大きく変わると健康を損ないますし、愛用品の重さが変わると違和感を持ちます。
重量を測定することは、調子や乱れを整える第一歩になるかもしれませんね。

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