製造業におけるVR導入事例 について徹底解説

製造業におけるVR導入事例 について徹底解説

VR市場は著しく伸びています。コンシューマー向け、つまり映画鑑賞やゲームと言った分野が主力ですが、製造業にもVR導入企業が増えています。
どのような技術背景で導入されているのかを解説します。

VRとは何か

VR

私がVR (Virtual Reality)というと、任天堂が過去に発売した「バーチャルボーイ」を思いつくのですが…子供の頃、近所の幼馴染の家にあって一度体験したことありますが、「酔って」しまって全然遊べなかった思い出があります。

このように数十年前からVRの存在はあったのですが、ここ最近VRが製造現場で積極的に取り上げられています。

VR とは「仮想現実」のことで、モニター付きゴーグルまたはヘッドセットを装着し、モニターに映し出した世界にあたかも自分が存在するかのように見せる仕組みのことです。

VRの最新技術

VRが急速に発達した背景には、「有機EL」のコモディティ化が大きな影響でしょう。有機ELは現在主流の液晶に比べて非常に薄くて軽く、発色が良くて高精細な映像媒体です。

技術的には、以前は寿命や製造コストの観点で非常に高価なものでした。ですが、ここ数年で非常に品質が高く安価な有機ELパネルが登場してきました。

VRのヘッドセットは、頭部に装着するため「軽量」であり、かつ仮想現実に違和感なく没頭するために「高精細な描画」が求められます。この2点をクリアできるのは現状有機ELしかありません。

有機ELの技術発展のおかげでVRの開発が一気に進み、新たな応用が期待されています。

VRの導入事例

製造現場

  1. 製造現場の工程改善
    製造現場の装置類は非常に大きくて重量があるため、レイアウトを変えるため移動したりすることが困難です。製造装置のレイアウト変更を行いたい場合、VRを用いてシミュレーションを行っている事例があります。
    生産ラインシミュレーションのソフトウェアを用いた、製造現場最適化手法があります。3Dモデルで示された製造装置をコンピュータ上に仮想的に動かし、動作確認を行います。このシミュレーション結果をVRで確認し、動線や装置配置などを目で確認し、直接レビューなどで議論することが可能になります。
    最新技術では、AR(Argument Reality:拡張現実)で、現実の製造現場に仮想物体を合成して確認する手法も進んでいます。こちらの方が人間の感覚的により訴えるので、レビュー精度も向上するようです。
    他にも、製品設計者が直接現場に行かなくても、ワークの製造工程における問題点を直接理解することにも一役買っています。
  2. デジタルモックアップ
    3DCADで設計したワークを液晶モニターやプロジェクターで表示して設計レビューするのが主流です。デメリットとしては、ワークの感覚が掴みにくかったり、3DCADオペレーターしか操作しないため、操作指示に時間がかかったり、確認漏れが出てきたりします。
    デジタルモックアップはVRで設計したワークを表示させて、あたかも目の前にワークそのものがあるかのように見せます。自分の手(スタイラス)で、ワークを動かしたり、実機ではできない「拡大」や「断面」を確認したりできます。
    設計レビューの際に用いることで、設計精度が上がったり、新しいアイデアが生まれたりすることが期待できます。
  3. ウェブ会議でのレビュー
    前述した工程改善や設計確認は、以前ですとレビュワーが同じロケーションに集まって会議をしたり現地確認したりする方法しかなかったと思います。
    すでにウェブ会議は主流になっていますが、モニター上には資料やCAD画面を表示させているだけの電話会議に毛が生えたような使い方しか出来ていません。
    ですが、ウェブ会議とVRを併用することで、遠隔地にいる人でもクオリティの高いVR画像でレビューに参加することが可能になります。
    つまり、より現実味のあるロケーションフリー設計環境構築が可能になるのです。

導入背景には「伝承力」の問題

会議

ここまでで、VRの有用性をいくつか紹介してきました。ですが、今一歩メリットが足りません。

設計経験者ならよくわかる話ですが、「実際に会って会議を行う」ことや「ワークを直接触ってレビューする」ということが非常に大事です。VRはその一部を仮想的に満たすことができますが、現実系には敵いません。

現実系には敵わないけれども、導入している企業があるのはなぜでしょうか。その背景には「暗黙知の伝承問題」があります。暗黙知というのは、「設計のあたりまえ」と言ったように、明文化されていない知識のことを言います。

団塊の世代が徐々に現場を離れています。彼らがいなくなることで穴になる知識問題を各企業は抱えています。再雇用で雇い続けますが、モチベーション高く伝承してくれる人は実際多くはないと思います。そこで、暗黙知の「デジタル化」を早急に進めないといけないのです。

経験・感・コツといった感覚を、ベテランの設計者から伝承する際に3DCAD上に書き込んだり、設計変更のヒストリーに記録したりするのです。

この「暗黙知」が従来の、「プロジェクター」で「3DCAD」を表示させて…のやり方では、「感覚」まで再現・表現できないのです。VRは企業のナレッジマネジメントに役立つことでしょう。

まとめ

VRに限らず、最新技術については直接的な効果が取り沙汰されています。

しかし、製造業の現場において、「人材不足」と「ナレッジマネジメント」は喫緊の課題なのです。団塊の世代だけによらず、介護離職によるマネジメント層の離脱も深刻です。

若い世代だけで、品質の高いものづくりができるか?が企業の課題です。いかに設計品質を上げるかは、企業のナレッジマネジメントにかかってきます。

VRはより良いナレッジマネジメントに不可欠な技術なのです。

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