おしりだって、洗ってほしい! ウォシュレットから半導体製造まで。TOTO株式会社

おしりだって、洗ってほしい! ウォシュレットから半導体製造まで。TOTO株式会社

家や学校、公共施設など人が生活している場所には必ずトイレがあります。そこで目にする「TOTO」の文字。小さい頃からおなじみですね。実はTOTOが手がける製品は、トイレなどの衛生陶器だけではありません。どのような技術・製品があるかご存知ですか?

TOTOの歴史

風呂 イメージ

1912年、TOTOの前身である「日本陶器合名会社(現:ノリタケカンパニーリミテド)」は海外の進んだ衛生状態に触発され衛生陶器を開発するために「製陶研究所」を立ち上げました。その2年後に所謂洋式便座である「陶製腰掛洋式便器」を完成させました。この、洋式便器を普及させるために1917年に「東洋陶器株式会社(現:TOTO)」を設立しました。
洋式便器からスタートし、水回りの住設全般に商品が広がっていきます。洗面器、風呂、台所、水栓など多岐に渡ります。今ではあらゆる住宅や施設にTOTOの製品が使われています。
製陶技術のポイント
製陶、つまり「陶器」の技術は太古からあります。焼成して完成するので、その寸法公差や品質を高く保つために様々なポイントがあります。

調製

均質な品質を保つには、均質な材料を作る必要があります。均質な粘土材料を
作る工程を「調製」と言います。粘土や長石などの材料を組み合わせ混錬します。

成形

一般的な陶器の食器と比較し、衛生陶器である便器や洗面器は非常に重たい商品です。ろくろで成形できる食器とは違って、衛生陶器はその自重で変形してしまうのです。また、便器の形状は「片持ち形状」であるため、より複雑に変形しやすいです。そう行った変形や乾燥工程時の変形、焼成後の収縮率を加味して成形します

施釉

釉薬を吹きかける工程を「施釉(せゆう)」と言います。外観の美しさを決める重要な行程です。複雑な形状に均質に釉薬を塗布する行程が非常に熟練技術を要します。

焼成

いよいよ焼成します。トンネル炉内をゆっくり進み、およそ24時間かけて焼成します。焼きムラは品質にも関わるため、炉内の温度均一性やワークの並べ方なども重要な技術になります。

検査

焼成後冷却したあとに検査をします。外観だけではわからないヒビも検査する必要があります。ハンマーを打ち付ける打音検査などを行い、内部にヒビがあるかを厳しくチェックしていきます。

このように高品質の衛生陶器が製造されていきます。

「おしりだって、洗ってほしい。」トイレ開発秘話

トイレ イメージ

1982年、「おしりだって、洗ってほしい」のキャッチフレーズと戸川純さんのCMで話題となった温水洗浄便座「ウォシュレット」はTOTOが開発した製品です。
当時、医療用としての洗浄便座は存在しましたが、一般家庭に普及はしていませんでした。TOTOはオイルショックを期に、温水洗浄便座の開発をはじめます。
必要になったのは大量の「洗浄位置」と「洗浄温度」のデータでした。社員などに協力を得て、300人ほどの洗浄位置と洗浄温度を収集することができました。そこで導かれたのが「出水角度43度・水温38度」というものでした。このデータを元に「ウォシュレット」が開発が進みます。
すんなりと開発出来なかったのが「水温」の問題でした。「ICを使おう」というアイデアはあったものの、漏電の危険があり難航します。ですが、道路の「信号機」を見て着想します。「雨水に晒されている信号機に使われているICなら漏電しないのでは」と、メーカーに問い合わせてみると、応用が可能な技術であることがわかったのです。
こうして、ウォシュレットは無事開発されました。このウォシュレットは日本機械学会の「機械遺産」にも選ばれ、技術的にも非常に高く評価されています。

半導体技術を支えるTOTO

前述した通り、「トイレといえばTOTO」なのですが、現在注目されている製品はトイレだけではありません。実はTOTOの高い製陶技術、つまりセラミック技術を応用して半導体技術を支える製品が数多くあります。
セラミックは半導体に近い線膨張係数で、熱による変形が非常に小さいのが特徴です。ですが、焼成物であるため高精度で製品を作るためには高い技術力が必要なのです。

精密構造部品

半導体製造行程には「平坦度」が重要な行程が多くあります。例えば成膜では、土台が平坦でなければその上に形成される膜の平坦性に影響が出てきます。TOTOは高平坦度のセラミック大型部材を製造できる技術があります。

ボンディングキャピラリー

半導体のアッセンブリー行程に「ワイヤーボンディング行程」があります。φ25μmといった細い金線で半導体と基板の電極を繋げる行程です。この行程で使われる金線を接合する部分を「ボンディングキャピラリー」と言います。高温で且つ高速で琴線を打ち付ける衝撃に耐えられるセラミックや人造ルビーなどが用いられます。
高精密な部材もTOTOの高い技術力で製造されています。

エアロゾルデポジション膜

エアロゾルデポジション膜(AD膜)は、加熱せずに作られたセラミック膜のことです。
AD膜はプラズマに対して非常に高い耐食性があることが評価されています。この技術を使って、半導体製造装置が作られています。今ではなくてはならない技術となっています。
2015年にはものづくり日本大賞「内閣総理大臣賞」を受賞する技術となりました。

まとめ

TOTOは、衛生陶器の製造メーカーとして非常に身近な存在です。ですが、長年培ってきたセラミック技術で、半導体製造にもなくてはならない技術を有しています。
また、住設だけでなく半導体関連製品へと多角的に研究・開発している点も素晴らしいと思います。「TOTO」の文字をご家庭などで見たときに、「半導体製造も支えているんだな」と思い出してみてくださいね。

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