日本の科学技術を振興する 日本電子株式会社(JEOL)

日本の科学技術を振興する 日本電子株式会社(JEOL)

日本電子株式会社(JEOL)をご存知ですか?一般的にはあまり知られていませんが、製造業や大学ではとてもよく使われている分析器メーカーです。

日本電子株式会社とは

走査型電子顕微鏡

製造業に携わっている方にはお馴染みの、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope : SEM)の国内メーカーとして有名な「日本電子株式会社」は、通称「JEOL(ジオルまたはジェオルと読む)」と呼ばれ、同社の英名である「JAPAN ELECTRON OPTICS LABORATORY CO., LTD」の頭文字からそう呼ばれています。

筆者自身も初めて触ったSEMはJEOL製でした。非常に思い入れのある分析装置の一つです。

研究開発分野に強い

製造業といった民間企業の多くがJEOLの分析装置を納入していますが、研究開発分野、つまり大学や研究所にも多く導入されています。その際に、新しい研究分野などもあるため、大学との共同開発で装置を開発することも多くあるようです。

余談ですが、某大学近くに地下鉄が開通することになり、大学の研究者はその振動でSEMの画像が乱れるようになってしまい困っていました。その際もJEOLの開発者は一丸となって振動問題に取り組み、現在では問題なく撮影できているそうです。

日本電子の歴史

日本 都心

1946年に千葉県茂原市で研究開発が始まったことで、JEOLの歴史が始まります。

1948年には、当時の皇太子殿下(現在の天皇陛下)がJEOL製の電子顕微鏡をご高覧されたそうです。JEOL本社には、当時皇太子殿下が実際にご高覧された電子顕微鏡が保管されています。

1956年に、国産初のNMRが完成します。

1961年に社名を「日本電子株式会社」とし、1966年には東京証券取引所第一部に上場しています。

今日まで、SEM・NMRの他に透過電子顕微鏡 (Transmission Electron Microscope : TEM)、蛍光X線分析装置といった分析装置の他に、断面試料作製装置(Cross-Section Polisher : CP)や集束イオンビーム加工観察装置 (Focused Ion Beam : FIB)といった観察のための加工器の製造も行なっています。

日本電子の製品

透過電子顕微鏡 Transmission Electron Microscope

走査電子顕微鏡(SEM)

走査電子顕微鏡は、製造業になくてはならない分析装置の一つです。特に、金属や半導体などの様々な最先端分野では高精細化・構造微細化が進んでいるため、より微細に観察できる装置が必要となっています。
JEOLのSEMは以前から「初心者でも使いやすい装置」として知られています。初めてSEMに触る人でも、高精細な画像が撮影できるように工夫されています。
例えばオートフォーカス機能(なんと、スティグマ除去も不要)や、エネルギーフィルタ(低加速電圧時)の向上などが挙げられます。
従来難しかった絶縁試料(有機物など)の観察なども容易にできるようになりました。

集束イオンビーム加工観察装置 (FIB)

FIBはTEM観察試料作成に作られました。サンプルを薄片化するために、イオンビームでサンプルに溝を掘り、溝に挟まれた薄膜をピックアップして試験片とします。
一般的に、どこの試験片を得るか確認しながら加工するため、SEMの機能がついています。
また、FIB加工面を即時観察するためにEDS(エネルギー分散型X線分光器、物質の組成を分析するもの)やEBSP(後方散乱電子回折、物質の結晶構造を分析するもの)なども搭載されています。

透過電子顕微鏡 (Transmission Electron Microscope : TEM)

JEOLはSEMの開発の前に、TEMを開発していました。1949年のことです。TEMはSEMとよく対比されます。SEMは反射電子を観察するのに対し、TEMは透過電子を観察します。
透過するのが条件ですので、サンプル片は0.1~0.2μmといった非常に薄い試験片を作成する必要があります。
その試験片を作成するのが前述したFIBです。イオンビームで高精度でサンプル片を切り出します。イオンビームは、その加工性質上加熱しやすいです。加熱に弱いサンプルはミクロトームといった、切削装置を用いて試験片を作る場合もあります。
TEMは試験片を透過するため、SEMよりも高精細に分析することが可能です。しかしながら、試験片形状が限られているので汎用性はSEMより劣ることになります。

日本電子の取り組み

JEOLはSEMをメインとした、科学技術のリーディングカンパニーです。
特に、科学技術を根ざしたばかりの若手研究者育成に力を入れています。
例えば「JEOL Station」というサイトでは、研究開発分野での社会貢献活動の一環としてワークショップを開いていたり、分析例などをわかりやすく記載してあったりします。
科学技術分野の人間でなくても、楽しく分析に触れられるような内容になっています。

まとめ

筆者自身もSEMの撮影画像に魅せられたものの一人です。ミクロの世界がこんなに綺麗に見られる、しかも簡単に操作できる…といったように、JEOLの電子顕微鏡は非常に良い製品です。

筆者の夢の一つに、「子供との自由研究にSEM画像の撮影がしたい」というものがあります。JEOLの取り組みのおかげでSEMは専門的なものからもっと身近なものになったような気がします。

皆さんも機会があれば、JEOLのSEMに触ってみてくださいね。

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