世界の電子部品を支えるマザー ボード・イビデンの歴史と技術力

世界の電子部品を支えるマザー ボード・イビデンの歴史と技術力

私が家電メーカーに勤めていた時、当時上司が言った「プリント基板は電子部品を支える“母なる大地(マザーボード)”だ。基板がダメなら全部ダメになる。」この言葉が今でもずっと頭に残っています。それほどプリント基板品質は製品品質や製造工程品質に直結しています。
日本には非常に多くの基板メーカーがありますが、最も世界に羽ばたき、インテル・Appleが最も頼りにしている基板メーカーは「イビデン株式会社」です。世界のマザーボードであるイビデンについてご紹介いたします。

清流の街にある世界的に有名な基板工場

清流 イビデン

イビデン株式会社は岐阜県大垣市に本社を置く会社です。
イビデンの「イビ」は「揖斐川」のことで、創業時には揖斐川で水力発電の電力事業を行なったことが名前の由来となっています。揖斐川は木曽三川の一つ(長良川・木曽川・揖斐川)で、鵜飼などで知られる長良川を想像していただくといかに水が綺麗な土地かがわかりますね。大垣市の銘菓も「水まんじゅう」ですし、まさに清流の街と言えます。
前述したように「電子基板」としてイビデンは知られていますが、創業時は水力発電でその後はカーバイド・石炭窒素・化学肥料・映画用カーボンといった様々な化学製品を製造しています。
こういった化学製品の製造技術がベースとなり、メラミン樹脂の製造が始まり、そしてその技術がメラミン化粧板の製造へとつながります。
メラミン化粧板は住宅建材の商品でしたが、1970年代には住宅建造ブームが終わりになり下火になります。そこで事業転換した結果がメラミン樹脂板を用いた銅張積層板、つまり電子基板材料の製造でした。そして、めっき技術やスルーホール技術を習得し、電子基板製造の事業へとつながっていきます。
現在は、電子基板技術の最先端を行く企業として知られる様になったのです。

ムーアの法則を下支えするテクノロジー

半導体 イメージ

コンピューターやインターネット普及により、基板技術は無くてはならないものであり、成長も著しい分野でした。
特に2000年代から、ムーアの法則に追随しようとするインテルなどの半導体メーカーは、基板の高積層化技術に躍起になっていました。イビデンはその声に答え、高品質な高積層基板を製造し納入し続けました。
CPUの発展を支える技術、そしてコンピューターやインターネットの普及を促進させた技術は、日本・イビデンにあったと言っても過言ではないのです。
現在もその関係は続き、イビデンはインテルから「サプライヤー・コンテニュアス・クオリティー・インプルーブメント(SCQI)賞」を受賞し続けています。

スマートフォン向け基板での成長、Appleとの関係

Apple スマートフォン

基板の限界は高積層化だけではありません。携帯端末やデジタル家電に必要な基板の「薄型化」「高放熱化」技術があります。
特に薄型化は、プリント板の銅箔エッチングによるラインアンドスペース(導体の間隔のこと)の限界を迎え、プリント板を積層しつつ薄くしなければならないため、高度な技術が必要になります。
また、取り扱われる信号も低電力で高周波数になるため、エラーを一つも起こさない様に誘電率などの設計が重要になってきています。
iPhoneの爆発的な普及でスマートフォン市場の雄になったAppleも、イビデンの薄型基板を使っています。iPhoneの性能向上には目をみはるものがありますが、その技術を支えているのもイビデンなのです。
iPhoneの進化とともにイビデンとAppleの関係性は深まり、2017年3月にはApple向けの基板製造には100%再生可能エネルギーを用いるということで合意したことを発表しました。非常に緊密な関係性が伺える発表となりました。

次の時代・新分野に羽ばたく

車 高速

2018年現在、スマートフォン市場は飽和状態となり徐々に下火になってきたようです。イビデンもその市況をいち早く察知し、現在新分野に力を注いでいます。

新分野というのは「モビリティ市場」、つまり次世代自動車です。自動車は脱化石燃料が進み、ハイブリッド車・電気自動車といった様に電化が一気に進んでいます。走るコンピューターとなりつつあるのです。

2017年4月に、世界的自動車部品メーカーであるデンソーとの協業を発表しています。イビデンはモビリティ分野で基板だけで無く、セラミック技術による排気システム開発などをもデンソーと共同開発していきます。具体的には「自動車機能製品(デバイス)」「将来モビリティ製品(自動運転など)」「その他次世代製品」の3分野で共同開発する様です。

まとめ

清流の街に日本が誇れる企業「イビデン株式会社」があります。
長年培ってきた化学技術を使って、電子基板への応用をし、そして世界のコンピューター・インターネット普及の支えとなりました。
Appleもイビデン無しではiPhoneの高性能化は実現できなかったことでしょう。
そして今では、多角的にモビリティを支える存在となりつつあります。
これからもAI・IoTといった新分野に対する、イビデンの関わり方・開発力には注目ですね。

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