日本のフロントローディングを 支えるCAE技術

日本のフロントローディングを 支えるCAE技術

CAEは製造業において欠かせない技術となってきました。その背景にはコンピューターの技術革新がありました。

CAEとは何か

CAE イメージ

あなたも知らず知らずのうちにテレビなどで目にしたことがあるかも知れません。
コンピューターグラフィックで仮想の事故シミュレーションを行ったり、地震の波及予測をしたりするなど、「仮想(コンピューター上)で未来予測する」という行為は結構昔から目にしていると思います。
CAEとは「Computer Aided Engineering」の略です。
前述した未来予測は、「コンピューターシミュレーション」というと何となくイメージがつくと思いますが、CAEはそれに意味を付け加えて「設計時にあらかじめ解析を実施して、設計支援に用いる」ことを言い表しています。
フロントローディングという言葉が製造業では“流行っています”が、CAEはフロントローディングには欠かせない技術です。
つまり、CAEで予測した結果を設計にフィードバックして設計改善をすることで、設計・開発の短納期化や市場不良の低減化をすることができます。

シミュレーションするものは様々

CAEでシミュレーションするものは様々です。
製造業で最もポピュラーなCAEは熱応力解析に代表される「構造解析」でしょう。
Marc、ANSYS、ABAQUSと言ったソフトウェアが有名です。主に「FEM(Finite Element Method:有限要素法)」という手法を用いたシミュレーションで、製品構造などの解析を行うのです。
その他に、熱伝導解析・流体解析・電磁場解析・機構解析・音響解析・流動解析…と言ったように様々な解析があり、各々用いる手法は違ってきます。
もっとも大事なことは、現実の系に即した物理現象に適した解析手法を用いることです。オペレーションレベルではCAEは幅広く使われているのですが、理論まで深く知ろうとすると、論文がいくらでもかけてしまうほど奥深い技術なのです。

CAEはものづくりに必須の技術である

engineer

ご存知の通り、コンピューターの技術革新は目覚しいものがあります。
ここ10年で、計算速度は比べ物にならないほど早くなっています。
私が15年前にある解析を、大学のスーパーコンピュータで解析した時は2日ぐらいかかっていたのですが、今は企業のワークステーション1台使ってたった2時間で解析できてしまいました。
それほど恐ろしく計算速度は早くなったのです。
このコンピューターの技術革新のおかげでCAEも飛躍的に発展していきました。
例えば、前述したFEMは物理モデルにメッシュ(計算の最小単位)を切って計算します。メッシュは細かいほど精度が向上する傾向にありますが、計算量が膨大になり時間がかかります。
時間がかかるということは、設計にフィードバックするのにも時間がかかるということです。つまり以前の、十数年前のCAEは「精度が低い」上に「計算に時間がかかる」という点でフロントローディングの役に立たなかったのです。
しかしながら計算速度の向上のおかげで、細かいメッシュを切っても計算時間が許容範囲になりました。そのおかげで現在、設計の現場で多用されるようになってきたのです。

重要なエビデンス

このようにコンピューターの進化に伴い、多用されるようになってきたCAEは既に設計の重要なエビデンスとなってきました。
特に自動車は、幾度も試作することが難しく、試作段階で数を生産することが難しいため統計データも取るのも大変な製品の一つです。そう言った製品においてCAE の結果は、試作回数を減らす上にその技術的な根拠として用いられており、非常に重要です。
重要なエビデンスとして用いられるため、CAEの計算手法だけでなく技術的解釈も重要なのです。

CAEの使われる場面

自動車 衝突実験

自動車の衝突解析で用いられるソフトウェアの一つにLS-DYNAがあります。
衝突・破壊という現象を物理的に解説するのは非常に難しいのですが、壊れ方としては「激しく」「速い」のが特徴です。変形は高速でおきますし、「飛び散り」といった、物質強度限界も表現しなければなりません。
また、衝突・破壊という現象を可視化することも非常に困難です。
高速度カメラを用いて現象を捉えても、どのように力が伝わって破壊しているかを詳細に知ることはできません。
LS-DYNAはFEM手法がベースですが、高速変形といった衝突現象を再現するのに強いソフトウェアです。

気流解析

気流は視覚で捉えることができません。
ですが、オーブンなどの熱の伝搬や自動車の風切り音の低減、航空機の羽の設計など、気流を計算する場面は多々あります。
気流解析は「流体解析」の一つです。流体の中には空気だけでなく液体もあります。また、液体の蒸発といった相転換も再現できるソフトウェアもあります。
手法としてはFEMの応用でも解けますが、ParticleWorksに代表される「粒子法」やPHOENICSに代表される「CFD(数値流体力学、Computational Fluid Dynamics)」が有用です。

まとめ

CAEはここ十数年でめざましく進化し、身近になりました。
私が会社員になったその十数年前当時は「CAEなんか当たらない」「やっても無駄だ」と言われていました。
そんな時代から、一気に重要なエビデンスになるまでに時間がかかりませんでした。
特に目に見えない現象(前述した衝突や気流など)を視覚化することに対して、なくてはならない技術です。
今後もコンピューターの進化とともに、CAEがどのように進化するのか楽しみですね。

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