大量生産の時代は終わったか? 3Dプリンターでものづくりのあり方が変わる!

大量生産の時代は終わったか? 3Dプリンターでものづくりのあり方が変わる!

3Dプリンターの導入コストがぐっと下がったことで、世の中のものづくりへの姿勢が大きく変わりつつあります。皆さんは3Dプリンターを既に活用していますか?

身近になった3Dプリンター

3D プリンター 制作物

3Dプリンターはその名の通り、立体造形をするための装置です。
3Dプリンターは私が新入社員で入った時代から既にありました。10数年前の話になりますが…当時は高値の花で装置価格も高く、サンプル作成費用も高額だった記憶があります。
ですが、ここ5年ぐらいで3Dプリンターの価格がぐっと下がりました。
まさかの家庭用3Dプリンターも登場し、私も思わず「欲しい!!」と思ったほどです。
3Dプリンターの基本特許は、1980年初頭に名古屋市工業研究所の小玉秀男氏によって発明されました。なんと、3Dプリンターは日本発だったのです。ただ残念ながら、審査請求しなかったため特許化には至りませんでした。
その後アメリカの3D System社が基本特許を取得し、1986年に世界初の3Dプリンターが発明されたのがはじまりです。
そして、2012年には個人向け3Dプリンターの販売が開始します。現在では、3万円台から購入できるぐらい身近な装置になっています。

3Dプリンターの基本的な使い方

3Dプリンターは装置単体では立体造形できません。パソコンで3Dモデリングする必要があります。工業的には3DCADのソフトウェアが必要でしょう。

有名なソフトでいうと、Autodesk社の「NETFABB」やダッソーシステム社の「Solidworks」でしょう。最近の3DCADには3Dプリンティングを想定してサポート材を最小にする設計を自動で計算したり、最適な造形方向を計算したりするオプションがついています。

3DCADでモデリングしたものを3Dプリンターに出力し、主にABSやナイロンといったプラスチックで造形します。

他に、3Dスキャナーという、立体造形されたものを立体的にスキャンする装置を用いて、同じ形状のものを3Dプリンターで出力するという方法もあります。こちらは紙のプリンターでいうところの「コピー」のような使い方ですね。

3Dプリンターの最新技術

engineer イメージ

3Dプリンターの仕組みを簡単に説明します。

以前は光硬化樹脂を用いた「光造形(STL)」が主流でした。

現在は、ストラタシス社が発明した「熱溶解積層法(FDM)」が主流になっています。熱で変形する「熱可塑性樹脂」と水などで溶解する「サポート材」を用います。ノズルを加熱し、ワイヤ状になった樹脂を繰り出して、3軸ステージ上に吐出して造形します。形状によってはサポート材を造形してその上に樹脂をと吐出して複雑なモデリングを可能にしています。その後、水中でサポート材を溶かして完成です。

他に、粉末焼結法・インクジェット・プロジェクションなどの手法があります。ですが、安価で使いやすい装置というと熱溶解積層法の右に出るものはありません。熱溶解積層法で扱えない材料の時に、他の手法を用いることはあります。

最新の3Dプリンター

最新の3Dプリンターは高精細化、つまりプリンティングの滑らかさを競う動きがあります。プリントしたものはその後の処理をせずとも、完成品のようなクオリティで製作することが可能になってきています。
その他にも、驚くべき3Dプリンターの進化がありますのでご紹介します。

《フルカラー3Dプリンター》

ストラタシス社のJ750は、なんとフルカラーで3D プリンティングが可能です。私も完成品を触ったことがあるのですが、硬めのゴムのような材質で、プリントしたように見えないほど高精細な作りでした。透明な樹脂も使うことができるので、例えば医療現場で臓器のモックアップを製作した事例があります。患者の病態ごとでプリンティング可能なので、カンファレンスで役立つそうです。

《金属3Dプリンター》

金属の3D造形と言えば「切削加工」ですが、3Dプリンターで直接印刷可能な時代になってきました。金属3Dプリンターの主な手法は「レーザー焼結法(SLS)」です。粉末状の金属を薄く敷いてレーザーを当てて焼結させ、さらにその絵に金属を敷き詰めてレーザー焼結するということを繰り返して造形させます。
最新技術として、3DSystem社のProX DMP 320があります。「ダイレクトメタルプリンティング技術(DMP)」を用いて、省材料かつ高精細な金属3Dプリンティングを可能にしています。

3Dプリンターがものづくりを変える

ジュエリー イメージ

このように、3Dプリンターのおかげで実現したことが数多く事例があります。
実際にどのように活用されているかをご紹介します。

<プロトラブズ社の事例>

アメリカのプロトラブズ社は、超短納期での受注生産をウリにしている会社です。射出成形や切削加工がメインでしたが、ここ数年で3Dプリンターにも力を入れています。

試作品質の印象が強い3Dプリンターですが、プロトラブズでは「量産品質」での出荷を目指しています。アメリカの工場には数百台の3Dプリンターがあるそうです。3Dプリンターが苦手としている「一括大量生産」を、台数でカバーする作戦ですね。

<ジュエリー業界>

前述したとおり、金属も3Dプリンティングが可能な時代です。ジュエリー業界にも激震が走っています。以前はジュエリー職人がモデルを掘り、鋳型を作り、金属を成形し磨くという工程を行ってきました。それが、3Dプリンターで一括生産が可能になってしまったのです。しかも高精細化が進み、磨きの工程も不要になってきているようです。

例えば、3DCAD「ライノセラス」のスピンアウトで「ライノゴールド」と言うジュエリーCADをリリースしています。3DCADを扱ったことのない人でも簡単に取り扱えるため非常に人気があります。

3Dプリンターの発展で、複雑な形状のジュエリーも実現にしています。

まとめ

非常に身近になった3Dプリンターですが、ものづくりに対する姿勢にも変化を与えています。

家庭用3Dプリンターが現れたことで、プロダクトコストが一気に下がり「欲しいものは自分で作る」時代になりつつあります。

製造業、特にコンシューマ向けの製品は消費者の琴線に触れなければならないところ、触れる前に自分で作ってリリースしてしまえる時代なのです。

つまり、ものづくりには「加速化」が求められるようになってきています。ソフトウェア開発でいう「アジャイル開発」がハードにも押し寄せてきています。

3Dプリンターの導入や開発は、製造業にとって大きな課題になることは間違い無いでしょうね。

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